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2012年2月 7日 (火)

ベルリオーズ 幻想交響曲 ロジェストヴェンスキー指揮

Hamamatsucho_201202_1

月日の経つのは早いです。

最近ますます早い。

このまえ、クリスマスにお正月だったのに、もう2月、如月、それも1週終わってしまいましたよ。
ただでさえ短い2月。

かつては、2月と9月というのは、お金が動かなくてヒマな月と言われてましたが、スピード感を求められ煽られる世の中になってからは、年度末を控え、その確認作業や次年度予算策定などで、ただでさえ短いのに慌ただしい2月になっていると思います。

大人も子供も学生さんも、みんないつも忙しい世のなかになってしまいました。

そんなときに、小便小僧を見て和みましょうよ。

Hamamatsucho_201202_2

手編みのベストにキャップ、雪だるまとともに、かわいいです。

Berlioz_sym_fantastique_rozhdetvens

そしてやってまいりました、ツキイチ幻想。

    ベルリオーズ 幻想交響曲

  ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワ放送交響楽団
                    (1967@モスクワ)

こんだけ幻想を聴いてくると、普通じゃ我慢できなくなる時もある(笑)。

1967年、このソ連産の幻想が録音された年は、日本は明治100年の前年度で、幕府が倒れ明治維新から99年の年。
小学生のわたくし、明治100年はやたらと覚えてますよ。
米ソは、冷戦真っ只中。アメリカはベトナムの泥沼、そしてアポロVSソユーズの宇宙戦争に、中東では第三次の戦火。
思えば平和な日本でした。

そんなトンガリ中のソビエトでは、強烈なコンビが活躍中で、数々のレコーディングを残しつつあった。
ムラヴィンスキー&レニングラード、スヴェトラーノフ&ソヴィエト国立、コンドラシン&モスクワフィル、ロジェストヴェンスキー&モスクワ放送響。
思えばスゴイことですねぇ~。
どのコンビも、組み合わせの名前を聞いただけでわき上がるそのイメージ。
どれも剛のイメージがあるなか、柔とお笑いを兼ね備えていたのが、ロジェヴェンとモスクワ放送。同時にボリショイのオケとのコンビも。
オペラやバレエにも完璧に秀でていたのがロジェストヴェンスキー。
そして完璧に禿げていたのがロジェストヴェンスキー。
ロジェヴェンの写真で、そうでない写真をみたことがない。
その点、オーマンディ、ハイティンク、シュタイン、ブーレーズなどはみんなそう。
エッシェンバッハの変貌は画期的・・・(人のことは言えません、あしからず)。
あ、なに言ってんだろ、ロジェヴェンさんですよ。

読響でお馴染みになったけれど、指揮台を置かず、平土間で、高めの譜面台を抱えるように喜劇チックな指揮ぶりで楽しませてくれるロジェヴェンさん。
モスクワ時代は、ボリショイも含めて何度もそれらのコンビで来日してくれて、放送オケなものだからNHKが必ず放映してくれた。
いくつもテレビで観ました。

そうした表層的なイメージは確かにあるものの、ロジェストヴェンスキーは、広大なレパートリーを難なく聴かせる知的かつ普遍的な音楽造りの指揮者なのです。
それを痛感したのが、BBC響やウィーン響の指揮者となり、エルガーやディーリアス、RVW、ホルストなどの英国音楽や、ブルックナーやマーラー、ブラームスなど、郷に入れば式に、オケとの交歓を柔軟に楽しむ大人の指揮者といった風情を感じたのです。
ところが、ソ連脱出を恐れた当局は、ロジェストヴェンスキのために、文化省オーケストラを創設し、国外流出を防いだという曰くもいまや懐かしい出来事として残っております。

そんなロジェヴェンさんも、今年81歳。
大巨匠の30代の「幻想交響曲」は、リアルでアドレナリン充溢、血気漲る豪演。
それでいて、抒情的な部分は徹底的に、それとともに、びっくりするくらいにパウゼが入ったりして、おや?っと耳をそばだたせる幻想。
でも、爆演とか奇演ではありません。
ごくまっとうだけれど、原色の色合い濃く、旋律線も太くて、低弦の重厚感たるやうなりをあげるような力強さ。
おフランス系の幻想とは、正反対にあるマッチョな幻想なんです。

克明でリアルな1楽章、やたらとワルツしてる2楽章はハープの大活躍が誇張して聴こえてウキウキしちゃう。
ときおり止まりそうなまでの野の風景は荒涼なロシアの厳しい大地と、ヨーロッパ風の呑気な田園とがミックスされたような面白さ。
そして来ますよ、パンパカ行進曲の断頭台。実に威勢がよく、後ろから小突かれつつも、元気いっぱいで絞首刑に臨めそう・・・・。
さらに、おやおや?お笑いファンファーレみたいに吹き出しそうなヴァルプルギス。
金管が、ブゥブゥ鳴ってて、みょうちくりんなスタッカートも強調されていて、腰砕けになりつつ、悪魔の饗宴にヘロヘロしながら誘われてしまうワタクシなのでしたが、最後の大クライマックスは、思いのほかインテンポで、ぐいぐいと攻め込まれタジタジになってしまいましたとさ・・・・。

これもこれ、ロジェストヴェンスキーの面白さと、音楽の本質をわしづかみにする才能があらわになった演奏です。
そして、ベルリオーズの音楽の持つ柔軟さと天才の証しでありましょうや。

あ~、おもろかった。

最後に、youtubeから、そんなに激しく爆演じゃないのに、結果すごいことになっちゃったチャイコの4番の映像をご覧あれ。
悲しいこと、不安なことがあったら、これ見て笑って、バカだねぇ~とつぶやいてくださいましね。
も~、むちゃくちゃでござります。

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コメント

ほんとにはやいです・・

あったかそうな小便小僧
ふわふわの手編みですね。
触りたいです。

投稿: edc | 2012年2月 7日 (火) 22時07分

euridiceさん、こんばんは。
日が過ぎるのが早すぎです。
そして、極寒だったり雷雨だったりで、めまぐるしいですね。
2月の小便小僧には和まされました。
これを作っているグループには頭が下がります。

投稿: yokochan | 2012年2月 7日 (火) 23時07分

yokochan様
鬼才、業師と言ったイメージが強かった頃の、ロジェヴェン様の『幻想』!さぞや聴き物で、ございましょう。ただ、個人的な思いを申し上げますならば、パリ管弦楽団とのロシア5人組の管弦楽曲集(旧EMI原盤)の水際立った出来栄えからして、西側のオーケストラとレーベルに、録音をこしらえて欲しかったなぁ‥との思いも、拭えません。
なかなかうまく行かないものですね。

投稿: 覆面吾郎 | 2023年11月29日 (水) 21時04分

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