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2012年3月 9日 (金)

神奈川フィルハーモニー定期演奏会 CDコンサート④ カラヤン指揮

Zojyoji_night_1

今日は冷たい雨が降る首都圏。

2日前の夜の東京タワーと梅。

怪しい甘い香りにふらふらと・・・・。

Zojyoji_1

翌日の夕方。

ほぼ同じ立ち位置で。

曇っててよくわかりません。

明日に迫ったベートーヴェン定期。

ベートーヴェン 「コリオラン」序曲

            交響曲第8番

            交響曲第5番

    金 聖響 指揮  神奈川フィルハーモニー管弦楽団

        2012年3月10日 14:00 @みなとみらいホール


まだ春は足踏みだけど、空元気にならない真実のべートーヴェンが聴きたいぞよ。

ということで、今日は畏れ多くも帝王カラヤンのベートーヴェン。

60年代物を愛する70年代男クラヲタ人です。

Beethoven_sym48_karajan

クラシック聴き始めの60年代最後の頃、選択するレコードは当然にカラヤン。

カラヤン指揮するのベートーヴェン映画映像も今は亡き、新宿厚生年金会館で観た。

第5はクルーゾ監督のモノラル映画で、黒いタートルかポロだった目を瞑ったカラヤンがやたらと颯爽としていてカッコよかったんだ。

で、同じ頃に集めたカラヤンのレコード。

カラヤンのベートーヴェンは、トスカニーニともまた違った意味で、テンポの速いスピーディな演奏というイメージが強く、ほどなく聴いたベームやフルトヴェングラーとの大きな違いに、そしてそちらの方に重厚さや深みを感じ、少年クラヲタ人は、カラヤン離れをしていったのでございます。

ところが、歳を経て、くたびれ果てた中高年となり、CD化されたかつての60年代物を聴くにいたって、カラヤンは表面的には快速で耳当たりいいかもしれないが、オーケストラを完璧なまでにコントロールし、そして万遍なく鳴らしていること、そしてズシリと腹に響いてくる分厚い低音域、その上に鮮やかに広がる中音~高音域の素晴らしさに、いまさらながら感嘆したのでございます。
ほんの数年前のこと。
わたしは、なにを聴いていたんだろう。

そんなバリッと冴えた音が8番の冒頭から味わえます。
心地よい推進力あるテンポ運びとオケの鳴りのよさは、快感をすら感じる。
そして、しっかりと緩急をつけた劇的な運びと、全体のしっかりした構成感は美の世界にも通じるかも。
3楽章は、いまやゆっくり過ぎのテンポなれど、ベルリンフィルの練達の木管・ホルンが美しい。
そして終楽章の興奮ぶりは、後年のカラヤンには味わえないもの。

8番を初めて聴いたのが、このカラヤン盤だった。

Beethoven_sym5_karajan

「運命・未完成」のレコードは、いま手元になく、拾い画像です。

「運命」初レコードは、もうひとりのワルターの1000円盤。

その後聴いたカラヤン。上には上があるものと・・・・。

いろんな第5を聴いてきたけれど、このカラヤンほどにストレートな第5はないのでは?

やはりここでもスピード感が快感の域にも感じられる。
カッチョ良すぎてため息でちゃう。
そればかりかすべての楽器がフルに鳴りまくるド迫力。
後年のカラヤンならではの、嵩にかかったようなマスとしての威圧的な音塊はここでは感じられず、先に書いたように低弦の上にしっかり積み上げられた、いかにもドイツ的な秩序正しい音。
ピアノからフォルテまで、レンジの広い第2楽章に、そうした響きを存分に聴くことができました。
3楽章のうなりをあげる低弦、やがてくるあまりに見え見えの大爆発。
苦難から歓喜を絵に書いたように鮮やかに、きっぱりと、そしてあっけらかんと描いて見せる壮年期のカラヤンに脱帽ですぜ。

元気出ました

ありがう、60年代カラヤンとベルリンフィル。

ワインと同じで、カラヤンの60年代物は、わたしの中で熟成しながらも、フレッシュでシャープな味わいに満ちていて、いまでもわたくしを魅惑するのでした

ベーレンライターもピリオドもクソもないです

Zojyoji_2

頼むよ聖響さん、お願い

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コメント

私が初めて購入したレコードは、このカラヤンの運命&未完成のLPでした。時に小学5年生。
今でも大切に持っています。さらにこの運命よりすばらしい演奏に出会っていないと思っています。
大学生の時に1歳年上の美人の先輩に「最初に良いなって思った演奏ってずっと影響するよね」と言われ、こんだけの美人の先輩が言うんだから間違いないと思っていました。実際にその言葉が30年以上私の音楽鑑賞生活に(悪)影響を与えています。ヤツはもうとっくに53のおばあちゃんなのに!
私にとってカラヤンのこの演奏がまさにそれ!
小学生の時から大学生の時も社会人になったばかりの頃も50を過ぎた今もずっと私のカラヤン好きは不動。
60年代のワインは飲んだことないけど、このころのカラヤンは本当にフレッシュで若々しくて、私を青年のままでいさせてくれる!感謝^^

投稿: モナコ命 | 2012年3月 9日 (金) 23時02分

モナコ命さん、おはようございます。
わたしの初レコードは、同じく小5で、ケルテスの新世界とカラヤンの田園!
同じような過去でございますね。
カラヤンの第5はもう少し後でしたが、いまも強烈に刺激してくれます。
ちなみに、初第5の廉価盤は手放してしまいましたが、なんとか聴いてみたいです。
最初に良かったもの・・・・、そう意味で、先の新世界はケルテスが揺るぎないNO1です。
若い頃聴いた演奏の数々は、おっしゃる通り、青春に回帰させてくれますね!
おニューな演奏もいいですが、オジサンたちは過去に軸足があります。

投稿: yokochan | 2012年3月10日 (土) 10時05分

中高生だった70年代前半、購入の基本は「もうひとりのワルター」を中心とする千円盤でした。60年代カラヤンで、唯一保有していたのが第九だけでした。70年代後半の大学時代は、やや購買力がつき、しっかりした低域に支えられたメリハリある60年代カラヤンが(当時の70年代録音よりも)気に入り、ブラームス・ベートーベン・チャイコフスキーなどの定番を好んでました。最近韓国盤で出た60年代カラヤン82枚セットは、ジャケットもオリジナルで気に入っています。

投稿: faurebrahms | 2012年3月12日 (月) 05時57分

faurebrahmsさん、こんばんは。
1000円盤が出る前は、2000円のレギュラー盤か1800円盤しかありませんで、聴き始め当初はクリスマスやお年玉でしか手に入れることができないレコードでした。
千円盤は、ほんとうにありがたかったですね。
60年代カラヤンのよさは、わたくしは今頃になって確認しております。
ご案内のセットCD82枚。HMVサイトでいま確認しましたが、郷愁さそうジャケットがそのままですね。
喉から手がでそうですが、しばし我慢です。
こういう復刻こそファンが求めているものですね。

投稿: yokochan | 2012年3月12日 (月) 21時22分

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