ベルリオーズ 幻想交響曲 T・トーマス指揮
小便小僧ファンの皆様、お待たせいたしました。
4月の小僧をようやく更新いたします。
マーラーに夢中になっておりましたものですから。
少しボケでしまいましたが、4月小僧は、ランドセルしょったピッカピカの1年生でしたよ。
左手でおしっこ、右手に桜。
なんだか羨ましい感じ(笑)。
急いでて、電車が来ちゃったので、後ろ姿撮れず飛び乗っちゃいました。
マーラー熱に阻まれて、久方ぶりに聴くマーラー以外の音楽。
ベルリオーズ 幻想交響曲
マイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団
(1997.7 @サンフランシスコ)
毎月聴いてるけれど、なんだかとっても懐かしく感じる幻想です。
ベルリオーズとマーラー、どちらも先達たちがやらなかったオーケストラの破天荒な魔術師。
マーラーの方が生真面目で、ベルリオーズの方がはちゃむちゃ。
でも女性を愛することにかけてはどちらも負けちゃぁいない。
人のことは言えないが、気の毒なくらいにモテナイ男が、いい女に恋してしまう。
どちらも男の私からみたら、同感できるし、その妄想ぶりも好ましく同感できる(??)し、ワーグナーとともに友達にはしたくないタイプだけど、嫌いじゃない人物。
大先生にこんな偉いこと言ってます。
そんなマーラーとの親密性を思わせるナイス極まりない演奏が、マイケル・ティルソン・トーマス(以下MTTという)の幻想交響曲。
MTTの幻想は、アバドのあとを引き継いだロンドン響時代、来日公演のFMライブで聴き、録音したものが、まるでMMTの名作のハルサイのようなハジける凄演だった。
そして後年、サンフランシスコ交響楽団(以下SFSという)と97年に正規録音したが、それを入手したのは、つい最近。
あのロンドン響のときよりも、はるかにずっとハジけてる
思いきりイキがよくって、とれたてのお魚のように鮮度が高く、味わえば歯ごたえもあって、食感・味わいともに申し分なし。
1楽章では繊細きわまりない出だしから、愛する女性の旋律の登場から音楽が息づきだし、リズミカルな動きに拍車がかかる。
こんな生き生きとした1楽章はミュンシュ以来かも。
スピーディなワルツもこだわりなく、すっきり。
すっきりといえば、野の情景は、ヨーロッパ絵画風でなく、アメリカの整備された緑豊かな広大な公園を思わせ、そこにはインターナショナルな交流さえうかがわせるものだ。
ここまで聴いても、ほかにはない、ともかく面白い幻想と思わせる。
異型ぶりが際立つ断頭台への行進曲は、メリハリが豊かで、キレ味抜群。即死ですよ。
そして、めくるめくワルプルギスの夜は、幻想歴40年のワタクシもおったまげる自由自在ぶり。
全編にいえることなれど、それは奇抜じゃなくって、めくるめく世界を、まるでページをめくるが如くに次々に味わうに似た感興。
豊かな表現力に裏打ちされた大胆かつ自在な演奏なのだ。
「ディエス・イレ」以降の鮮やかな盛り上がりと、熱中具合。
そして最後の猛然としたアッチェランドには、もう手放しで興奮するしかない。
とんでもなくスゴイよお客さん。
MTTとSFSの素晴らしさに今さらながら感嘆。
こうなったら彼らのマーラーを全部聴かなくっちゃ
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コメント
お忙しい中、ありがとうございます!!
そういえば4月ももうあと一週間ですね。
桜吹雪の中を散歩してると
やっぱり新学期は4月がいいと思います。
投稿: edc | 2012年4月22日 (日) 17時07分
euridiceさん、こんばんは。
遅ればせながら、4月の小便小僧は、こんな時期になってしまいました。
連休がありますので、もうあと少しの4月は忙しいものです。
新学期は、9月では夏休みで呆けてしまいますし、情緒がありませんね。
日本は4月で問題なしです。
投稿: yokochan | 2012年4月22日 (日) 22時48分
こんにちは。
ベルリオーズの幻想交響曲はいろいろな演奏を聴いていますが、この演奏は聞いたことがなかったので興味深く読ませていただきました。
メリハリが豊かでキレ味の良い演奏は私も好きなので、是非聴いてみたくなりました。
以前新国立劇場の「ドン・ジョヴァンニ」の詳しい鑑賞記を書いておられ他のを読み、興味深く読ませていただきました。今回貴兄の鑑賞記を参考にさせて頂いて「ドン・ジョヴァンニ」を館使用してきました。大変参考になりましたので、お礼の気持ちもあり、私の「ドン・ジョヴァンニ」の鑑賞記をご紹介させてください。よろしかったらブログにご意見、ご感想などコメントなどお願い致します。
投稿: dezire | 2012年4月23日 (月) 13時08分
dezireさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
幻想は演奏によってこうも違うのかというほどの、面白さがあり、ずっと毎月聴き続けてます。
MTTのものは、びっくりと楽しく、かつ音楽的でした。
ドン・ジョヴァンニ観劇から数年経ちましたが、今シーズンも舞台にあがったのですね。
そして主役の素晴らしさは、貴ブログでも確認させていただきました。
新国の良さは、こうした旬の歌手やこれから伸びる歌手を呼んでくる目利きのよさにもありますね。
ご案内どうもありがとうございました。
投稿: yokochan | 2012年4月23日 (月) 23時19分