ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」 マゼール指揮
麗しのナポリタ~ン。
粉チーズを真っ白に振りかけて、黒コショウと、タバスコをたっぷり。
大好きナポリタン。
はいはい、ナポリタンですよ。
いい盛りしてますよ。
まるで「ナポリタン定食」。
これで550円の満腹コース。
わたしのもうひとつの職場、西川口にあるキッチン「いさつ」でございます。
おばちゃんたちと、お馴染みになっちゃった。
大盛りが過ぎるものだから、日によって、ご飯がなくなっちゃう。
そんなときは、「ナポリタンでいいですね」と無理やり食わされちゃう(笑)。
ベタだけど、「イタリア」いきます。
ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」
Vla:ヴォルフラム・クリスト
ロリン・マゼール指揮 ベルリン・フィルハモーニー管弦楽団
(1984.4 @ベルリン)
幻想ばかり聴いてきたけれど、ベルリオーズにはもうひとつ「ロメジュリ」と並んで、交響曲があったのでした。
もちろんこちらもだいぶ以前から聴いておりましたよ。
大昔に、日本フィル解散前のフジテレビで日曜早朝、渡辺暁雄さんの指揮だったかで、見て聴いたのをぼんやりと覚えている。
以来、この曲は幻想やほかの強烈なベルリオーズの諸曲にまぎれてしまいがちな地味曲として存在していた。
ヴィオラソロを伴う交響曲という、その後いまにいたるまで、かつてない編成の交響曲。
ヴィオラ協奏曲のように、そのヴィオラにスポットをあて、全編大活躍をさせればよかったのに、ラストはほんのちょっとしか出番がなく、たとえばコンサートでやるにしても、ヴィオラソロを立たせて、協奏曲のようにするにはソロ効果が薄いので、奏者には気の毒なことになってしまう。
だから、主席に名手のいるオーケストラで演奏するのが一番な交響曲なのです。
バイロンの「ハロルドの巡礼」にもとずく4つの楽章の標題的な作品で、その劇の舞台は南イタリアの陽光あふれる海と山のあるアブラツィという街。
1830年の幻想交響曲から4年後に書かれた「イタリアのハロルド」は、「レリオ」がありながらの「幻想」の姉妹作のような似た関係にある。
劇中人物の世をはかなんだハロルドのテーマが中心となり、そのハロルドの冒険ぶりを描いたもの。
そして、そのハロルドとは、ロンドンっ子のバイロンが描き出したいつも雨に煙ったロンドンと大いに異にするイタリアを舞台にした冒険譚。
①「山におけるハロルド、憂愁、幸福と歓喜の情景」
②「夕べの祈りを歌う巡礼の行列」
③「アブルッチの山人が、恋人捧げるセレナーデ」
④「山賊の饗宴、前の情景の追想」
1楽章で最初に出てくるヴィオラによるハロルドの主要主題が、その登場の仕方とともに、とても親しみやすく好きですな。
繰り返しがやたらと耳につき、いつしか敬虔な巡礼のやまない行列に思えてくる2楽章。
きっとベルリオーズは、巡礼なんてやるわけない、と思っていたのでしょう。
少しばかり戯画的であります。
そして忘れがたい地中海的明るさの3楽章。
幻想ほどの破壊力なないものの、こちらも無茶ぶりです4楽章の乱痴気さわぎ。
よくよく楽しめば、実によい音楽であります「イタリアのハロルド」
マゼールの才気煥発ぶりが、2度目の蜜月時代のベルリン時代のこちらで味わえます。
このあと、すっかり、自分が選ばれるものと思っていたベルリンフィルのポストを楽員投票で無為のアバドに奪われ、おとなげなく怒っちゃったマゼール。
ウィーンでもベルリンでも、60~70年代初めの頃のような大胆な面白さを披歴していた自信満々のマゼールゆえに、ウィーンとベルリンでの失態はショックだったでありましょう。
どっこい、その頃の演奏は、わたしも実演で聴いてるが、このCDも始めとして、実に素晴らしくもユニークなものでした。
抜群のオーケストラコントロールで、オケは鳴るときは気持ちいいくらいに鳴りまくり、抑制すべきはピタリと止めてしまう。
余裕と自信がみなぎった演奏でございます。
オケの明るさと機能美も最高。
ミュンシュ、バーンスタインと並んで、最高のハロルドにございます。
マゼールには、もうひとつ、クリーヴランドでの録音もあって、そちらは未聴。
あと、メータとバレンボイム、デイヴィス(今井さん)のもの聴いてみたいと思ってます。
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