« キッチン さまクラ① | トップページ | ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを偲んで »

2012年5月18日 (金)

ベルリオーズ 幻想交響曲 ショルティ指揮

Hamamatsucho_201205_a

5月の小便小僧は、またも中旬の公開となってしまいました。

GW+端午の節句が過ぎちゃったので、少しばかり鮮度切れではございますが、5月はやはりコレ

金太郎の腹巻きに、金太郎柄の鯉のぼり。目出度い出世鯉のぼりですよ。

そして新聞で作った兜は、丁寧にラップされてます。

毎月、作成されるボランティアの皆さま、頭がさがります。

毎回、癒されます。本当に、ありがとう。

Hamamatsucho_201205_b

後ろ姿もご立派な5月。

というかお尻、かわゆいですな(笑)。

Berlioz_solti

月イチ「幻想」であります。

  ベルリオーズ  幻想交響曲

    サー・ゲオルク・ショルティ指揮 シカゴ交響楽団


                  (1992.6 @ザルツブルク)

演奏されるホールやシテュエーションによって、こうも変わるのかと思う1枚。

ショルティ&シカゴの「幻想」は、まさにそのように感じた音盤です。

ショルティが亡くなる5年前。
シカゴを退任し、バレンボイムに継いでからヨーロッパに戻ったショルティ。
手兵との共演も継続し、ザルツブルクへ凱旋したおりのライブです。

結論から先に書いちゃうと、72年の「ショルティ&シカゴ」の「幻想」の有無を言わせなない強靱な演奏にこそ、このコンビの真骨長があった。
鋼のような剛毅なサウンドで、ゴリゴリ攻められる幻想には、若い頃、完敗でして、感動や興奮より、屈服感の方が強かった。
でもあの頃の「ショルティ&シカゴ」は素晴らしかった。

そしてその20年後の「ショルティ&シカゴの幻想」は、ヨーロピアンな滑らかさを感じる「大人の幻想」になっているんだ。

ワルツは流麗で心地よく、「野の情景」では、大人以上となったワタクシ好みの枯淡の味わい。より音楽を語らせ、余裕すら感じさせる表現に心なごみます。
でも、おいらは、ショルティ閣下の幻想を聴いてるんだぜ、という先入観をどこで満足させたらいいのか・・・・・・。
1楽章では、それはナシ。
2楽章の、最終部分での急激なアッチェランドに。
3楽章は、終始、なごやか。閣下の微笑みさえ感じちゃう。
4楽章の断頭台もそんなに威圧的じゃない。泰然とした堂々たる処刑台への行進でして、悟りの境地か・・・・
5楽章のヴァルプルギスに至って、音像が近くに感じるようになり、悠揚せまらぬ、そして音に迫真力が加わった感じで迫力満点となる。
これはいったいどういうことなのか。
一点一角揺るぎもしない正確極まりない圧倒的なクライマックスを築きあげるのです。

ライブならではの活きた音楽ゆえのこうした印象。

そして、こうした印象は、少しデッドでリアルなシカゴのメディナ・テンプルやオーケストラ・ホールでの録音に慣れてしまった耳が生み出すギャップなのでしょうか。
遠くで鳴っているシカゴは、この録音と、古くはマーラーの千人(ウィーン録音)に感じます。

でも、そこは天下のシカゴ。
オケの技量のもの凄さと、首席たちの腕前の冴えはしっかりと受け止めることができます。
スーパーオケの名に恥じない破壊力と完璧なまでのアンサンブル。
やはりシカゴなんです。

でも、閣下も含めて、どっか違う「ショルティ&シカゴ」の2度目の「幻想」なのでした。

72年盤は、まだまだ続く、「小便小僧&幻想」シリーズの中で、きっと取り上げることとなりましょう。

|

« キッチン さまクラ① | トップページ | ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを偲んで »

コメント

毎月、楽しんでます。ありがとうございます。
これが出るとそろそろ次の月というのもいいです。

鯉のぼりっていいですね。
先日、素人写真展を偶然見ましたが
富士山を背景の巨大鯉のぼりがすばらしかったです。

投稿: edc | 2012年5月19日 (土) 15時02分

euridiceさん、こんばんは。
ちょっと遅れぎみのこのところですが、そうして拝見いただけて、嬉しいです。

鯉のぼりは、お節句だけではなく、年中あってもいいと思います。
青空に、ほんとうに映えますから!
富士山背景もきっと素晴らしいでしょうね。
こんど、再現してみたい組み合わせです!

投稿: yokochan | 2012年5月19日 (土) 23時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ベルリオーズ 幻想交響曲 ショルティ指揮:

« キッチン さまクラ① | トップページ | ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを偲んで »