ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番 アシュケナージ
ちいちゃいですが、三日月。
ビル(ホテル)には、東京タワーが映し出されてます。
都会のひとコマ。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番
Pf:ウラディミール・アシュケナージ
ベルナルト・ハイティンク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
(1984.12@コンセルトヘボウ)
ラフマニノフ好きだけれど、気が付いたらピアノ協奏曲はこれまで、2番3番の有名どころしか取りあげていなかった。
1番のむせかえるような情熱に、4番の上品な抒情、ともに魅力的な残りの2曲なのです。
ともかく、この4番は、その第2楽章がとっても美しいのです。
繰り返し繰り返し寄せるさざ波のようなオーケストラのフレーズに乗って、ピアノが端正に音を紡いでゆくさまは、ラフマニノフに、私たちが思い描く甘味でかつ陰鬱なイメージそのものです。
「音の絵」からの引用もあるようです。
1927年フィラデルフィアでストコフスキーの指揮で初演。
反響は芳しくなく、すぐに加筆改訂したものの人気を得ることあたわず、ずっと後になって、大幅に縮小改訂し、1941年に初演と同じメンバーにて再演し、成功を収めるも、やはり2番3番の影に隠れてしまった4番です。
それでも、30分ぐらいのコンパクトなこの曲は、先にあげた2楽章以外にも、幻想的な1楽章と、目まぐるしく楽想が変転し、最後は華々しく、ラフマニノフらしくジャジャンと終了する3楽章。それぞれに素敵なものです。
やたらと長いらしい、初版を是非聴いてみたいものです。
ピアニストとしての比重がまだ高かった頃のアシュケナージは、これぞ、ザ・ラフマニノフ。
知情意揃った素晴らしいピアノに、ハイティンクが豊かなオーケストラの響きでもって応えております。
名盤!
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コメント
ラフマニノフの4番、僕もアシュケナージ=ハイティンクで「綺麗な音楽だなぁ」と感心して好きになったものです。なんてったってハイティンクの指揮が素晴しい。アシュケナージはそんなに上手くはないけれど、ラフマニノフの音楽に必須の歌心があって、素敵でした。今はアンスネスとパッパーノの演奏が最高だと思っていますが。
下のドビュッシーのRes、名前忘れですみません。
追伸。来週、サントリーホールのクセナキスで上京します。
投稿: IANIS | 2012年8月24日 (金) 00時01分
ここだけの話し、私はアシュケナージとハイティンクによるラフマニノフが大好きなんですよ。名演だと思います。
ところで今日、鶴橋のバーで一人飲んでいたらクルト・ヴァイルのマニアの方と遭遇しました。もしかしてyokochan理事と趣味が合うかと思いましたがいかがでしょうか?
投稿: リベラ33 | 2012年8月24日 (金) 02時02分
IANISさん、ラフマニノフは、1番も4番も等しく聞かなくてはなりませんね。
そして、それぞれ実にいい曲です。
プレヴィンもいいけれど、ハイティンクのラフマニノフは、それまでのラフマニノフ演奏にまったくなかった格調ある歌と充実の内声部でした。
交響曲も聴いてみたかったですが、きっとやることはないのでしょうね。
アンスネスのものは気になる演奏です。いずれは。
そしてクセナキスとは、またいかにも兄貴らしいじゃありませぬか!
ヤマカズ君の指揮するヤツですね。
投稿: yokochan | 2012年8月25日 (土) 00時33分
リベラさん、こんばんは。
やはり、このコンビのラフマニノフは根強い人気がありますね!まったく同感です。
クルト・ヴァイルファンの方とはまた珍しいですね。
しかも、鶴橋でございますか。
ヴァイルはシニカルで、三文オペラとシンフォニーぐらいしか聴いてませんが、その周辺音楽や退廃系は好物ですので、話が合うかもしれません。
訪阪のおりは、是非ご紹介ください。
投稿: yokochan | 2012年8月25日 (土) 00時37分
こんにちは♪ たまにはクラシック音楽関係のエントリーでも足跡を残さなくちゃ「ねこの日専門コメンテーター」となってしまうなぁと、こちらにお邪魔しました。
ここ3回の連作(モーツァルト、ドビュッシー、ラフマニノフ)、どれも KiKi にとっても懐かしいCDたちでございました。 このラフマニノフははっきり言ってジャケ買い7割、奏者買い3割ぐらいで購入したものでしたけど、内容にはすこぶる満足したことをよ~く覚えています。
ドビュッシーは彼の音楽の中で KiKi 好み度トップと言っても差し支えない音楽 & 素晴らしい演奏で、KiKi の手元にあるのは一時期エラートが廉価版シリーズを出した際のものでしたけど、折に触れ、今も聴き続けている1枚です。 あちらにTBを送らせていただきたいと思います。
投稿: KiKi | 2012年8月25日 (土) 12時37分
KIKIさん、こんばんは。
TBありがとうございます。
気まぐれなドビュッシー、その音楽とはうらはらに、自己主張も強く難しい男だったみたいですね。
ワーグナーみたい、といったらご本人は、むちゃくちゃ嫌がりますでしょうね。
猫もいいけど、わたしもやっぱり、本業は音楽です(笑)
ピアノまじりのエントリーを続けましたが、間に誕生日が挟まって、ドビュッシーでした。
ほかのソナタに比べると雰囲気のみで味わってしまう、まだまだ浅い聴き方ですが、この記事のラフマニノフや、モーツァルト、英国ものなど、歳とともに聴き方が変わってきた気がします。
大事にしていきたい音楽ですね!
投稿: yokochan | 2012年8月25日 (土) 21時59分
今日は。ブログ主様が、アシュケナージについて書かれる、それもラフマニノフの曲について書かれるといったらコメントせずにはいられなくなりました。
このCD、高校1年の時に買いました。2番は中学時代からアシュケ&プレヴィンの演奏で聴いてお馴染だったのですが、4番は高1の時に初めて聴きました。名曲解説辞典か何かに「魅力的な曲だが霊感の衰えのようなものも感じられる」なんてことが書いてありました。確かに2番や3番に比べると腐りかかった賞味期限ぎりぎりの、しかし物凄く美味しい果物のような曲だと思います。交響曲第3番にも似たようなことが言えそうな気がいたします。ピアノ協奏曲の1番だけは何故か未だにアシュケナージのソロで聴いたことがなく、ティボーデの演奏で聴いています。指揮はアシュケナージ指揮のクリーヴランドなのですが・・・
プロムスは今年も超豪華な曲目と演奏者ですね。ガーディナーの「ペレアス」、私も聴きたかったです。かのオペラはブーレーズのDVDぐらいしか持っていませんので・・・名盤といわれるアバドやデュトワも未聴です。アバドはペレアスが好きみたいですね。ウィーンで全曲を録音して、のちに自分で編曲した組曲版もベルリンで録音してますよね。私はコンスタン編曲の交響曲ペレアスのジャン・フルネの演奏が好きです。
投稿: 越後のオックス | 2012年8月26日 (日) 17時29分
越後のオックスさん、こんばんは。
アシュケナージのラフマニノフは、定番ともいうべき根強い人気がありますね。
ハイティンクの指揮も相まって、豪華で哀愁にあふれた素晴らしい演奏です。
4番と1番は、寝かせておくには、もったいないくらいにいい曲だと思いますよ。
腐っても腐ってなくとも、ラフマニノフはどの音楽にも独特の哀感と郷愁があって、たまらなく好きです。
そして、アシュケナージは、交響曲も協奏曲も両方録音していたんですね。
アバドは、スカラ座時代にもペレアスを演奏していて、ベルリン時代までずっと演奏し続けてました。
オケ版も捨てがたい静謐な名曲ですね。
投稿: yokochan | 2012年8月26日 (日) 23時46分