神奈川フィル定期演奏会 前夜祭
池の縁に立っただけで群がる鯉たち。
黒いのもいますが、色合い的に目立ちませんね。
こんな鯉より、群れずに、静かに佇む姿の方がよいですな。
でも、鮮やかなもんです。
明日は、神奈川フィルハーモニー10月定期演奏会。
ブラームス ヴァイオリン協奏曲
Vn:シン・ヒョンス
ウェーベルン 小管弦楽のための交響曲
J・シュトラウス 「皇帝円舞曲」
ラヴェル 「ラ・ヴァルス」
キンボー・イシイ=エトウ指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
2012年10月12日(金) 19:00 みなとみらいホール
「マーラーとその時代、爛熟ウィーンへの旅」が今シーズンのお題。
J・シュトラウス(1825~1899)、ブラームス(1833~1897)、ラヴェル(1875~1937)、ウェーベルン(1883~1945)の4人。
ワルツ王もブラームスも以外ながら、思えば世紀末を生きた作曲家。
間にマーラー(1860~1911)をはさんで、シーズンテーマに合致し、どうしても玄人好みになりそうなテーマの中で、一見とりとめないながらも、有名曲もうまく配分した巧みなプログラムです。
ブラームスの協奏曲は、韓国女流のシン・ヒョンスさん。
若い美人ですぞ
女流先輩、キョン・ファ・チョンやサラ・チャンとの違いを確かめたいです。
で、ムローヴァは、女性演奏家にある情熱の発露はどちらかというと控えめで、クールで知的なアプローチが先行するタイプです。
アバド(当時噂のふたり・・・)とベルリンフィルの明晰で確固たるバックを得て、まっすぐピュアなブラームスのサントリーホールライブです。
12音技法に則った、ウェーベルン後期様式の名作、交響曲op21は、録音も少なめ。
難解なれど、何度も何度も聴いてゆくと、静的かつ空間美を持った音の配列に魅せられるようになってくる。
聴いてると、何もおこらないけれど、実は時間の経過を音にした10分間を過ごしてしまった自分に気がつく。
ブーレーズの冷静かつ冷徹な指揮が切れ味鋭いナイフみたいだ。
1度目のCBSへのウェーベルン全集には、この曲は入ってなかった(はず)。
ここで、J・シュトラウスのウィンナ・ワルツが演奏されてしまうことの大胆さ。
思えば、新ウィーン楽派とブラームスとシュトラウスって、大いに結びつきがあります。
12音を聴いて、その真反対の調性全開の曲とはまた刺激的なプログラム。
聴きても、演奏側も、ともに気が抜けません。
そして、今宵はウィーンとは遠いアメリカのメジャーオケのゴージャスだけど、以外に渋い演奏で。
オーマンディとフィラデルフィアの演奏は、色気や遊びは少なめだけど、とても音楽的で音楽そのもの素材のよさを味わうことができる。時としてケバいところは録音のせいかとおも思います。
旧オーストリア・ハンガリー帝国出身指揮者とアメリカンオケとの組み合わせ。
ラヴェルのラヴァルスがここにあるのは、ウィーンのワルツつながり。
コンサートの大団円を迎えるに相応しいゴージャス演目。
華奢できらびやかな音色のオケ、神奈川フィルのラヴェルは最高なんですよ、みなさん。
絶対、絶対に、めくるめく音色の洪水とトロける甘味なる雫に全面降伏してしまうであろう明日のワタクシ。
おフランスの本場オケ(フランス国立管)とアメリカンな指揮者バーンスタインの組み合わせ。ときに粘っこい指揮者にしっかりついてゆくオーケストラだけど、最後の猛烈なる向こう見ずな追い込みには、ほとほと興奮させられます。
この曲は、ほんと、大好きでして、アバド、ブーレーズ(NYPO)、プレヴィン(VPO,LSO)、ハイティンク(ACO)、小澤、メータ等々、もちろんアンセルメ、クリュイタンス、マルティノン・・・・。往年系の演奏ばかりを好みます。
明日の指揮者は、注目の日系指揮者です。
ドイツのオペラハウスでの活躍も目立ち、準・メルクルのような存在になって欲しいと願うイシイさん&エトウさんなんです。
まだ間に合います、明日12日、横浜へ、神奈川フィルへ是非。
「神奈川フィル全演目レビューの過去記事」
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