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2012年12月27日 (木)

バックス クリスマス・イブ トムソン指揮

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まだクリスマスしてますよ、わたくしは。

日本の商業主義的には、25日が過ぎると何事もなかったかのように街は変わってしまいますが。

こちらは、シーズン中の新宿の高島屋前のツリーです。

ふわふわのレースのような生地につつまれた色の変幻するツリーでした。

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  バックス  「クリスマス・イヴ」

    ブライデン・トムソン指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
        
                       (1986.3 @ロンドン トゥーティング)


サー・アーノルド・バックス(1883~1953)。
ロンドン生まれながら、ケルトに大いに感化され、さながらイングランドから北の作曲家のような存在であり続けたバックス。

当時のイケメンかつ、浮名を流すような優男だったりしたバックスさま。

バックスの音楽は、だいたいにおいてパターンがあるし、特徴もややこしくないので、耳になじみやすいものです。

タイトルのクリスマス・イヴがあるような表題的な音楽ではなくて、バックスが憧れ、好んで訪れたアイルランドのダブリンの夜の輝く星を見てインスパイアされたものとされます。
海に面したGleann na smol howthあたりではないかと思われます。

茫洋たる雰囲気のもとに始まる18分くらいの音楽ですが、やがて懐かしい気配が漂ってきてとても旋律的でいい感じになります。
このあたりのバックスのしみじみ系の要素は、彼の音楽のすべてに共通しておりますから、一度それらを味わってしまうと、シャープなイメージのバックスも、とても親しく感じられ好きになってしまうのです。
トランペットの優しいソロに、それを引き継ぐ涼やかな木管、そしてヴィブラフォンの音色も夜のしじまに輝く星々を思わせます。

そして注目すべきは、グレゴリオ聖歌の「クレド(われ信じる)」の旋律が引用されていること。
後半には重厚ながら暖かみあふれうオルガンが入ってきて、輝かしくも神々しい様相となり光彩陸離たる眩しさを放ち、感動的に終了します。
いい曲です。

1912年に作曲され、その1年以上あとに初演。
ところがバックス生前は、一度も演奏されることがなかった。
そのリバイバルは、1979年にケンジントン交響楽団が行っていると解説にありました。

ブライデン・トムソンの男気あふれるバックスの一連の演奏には、どこか大自然、それも潮の香りさえ感じさせるローカルなよさがあふれております。

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コメント

古い記事にコメント、すいません。
年に1回くらいしか聴きませんが、やっぱりこれは良い曲ですよねぇ。

投稿: も | 2015年12月24日 (木) 22時44分

コメントどうもありがとうございます。

今年は、この曲を聴きませんでしたので、いまほど流しました。
毎度おなじみのバックス節ですね!

投稿: yokochan | 2015年12月31日 (木) 13時58分

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