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2012年12月 8日 (土)

ベルリオーズ 幻想交響曲 レヴァイン指揮

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12月の浜松町、小便小僧は、お約束のサンタさん。

こころなしか、小便の勢いも盛んです!

山手線のグリーンとも合いますね色合い。

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うしろ姿に、こっちを見つめる方が入ってしまいました。

クリスマスプレゼントも楽しそうな、明るいうしろ姿ですね。

Hamamatsucho201212_c

事件や事故、選挙や海外の問題山積みですが、残る12月は、明るく、いい日々が待ち受けているといいです。

Levine

     ベルリオーズ  幻想交響曲

     ジェイムズ・レヴァイン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

                          (1990.2 ベルリン)


12月の月イチ幻想は、レヴァインの指揮で。

ベートーヴェンの交響曲の続きということで見ると、第9は1824年。
シューベルトは同時期に活動中だったから、未完成はその前の1822年。
「ザ・グレイト」は、1828年です。

そして、われらがベルリオーズ氏は、1827年、女優スミスソンを見染めて恋い焦がれ、音楽を着想し、1830年に完成させたのが「幻想交響曲」。

ドイツオペラでは、ロマン派の初期を切り開いたとして学校で習ったウェーバーの代表作「魔弾の射手」が1821年。

こんな風にみると、ベートーヴェンをとりまく、同時代の作曲家たちが、おもわぬ成果を劇的に挙げていることもわかります。

時系列で考える音楽年表も面白いものです。

ちなみに1813年生まれの、わがリヒャルト・ワーグナーの活動時期はもう少しあととなります。

レヴァインが、DG専属となって進行させたシリーズが、ベルリンフィルとのベルリオーズ・シリーズでした。
RCAでのマーラー、各レーベルのまたがったヴェルディなどと同様、どうも尻切れトンボで終了してしまい、大きなオペラ録音などは未完のままになってしまったベルリオーズシリーズでした。
 そもそも、DGは、ベルリオーズ集大成的な企画を完結できない事例がありまして、大いに期待した小澤&ボストンと、バレンボイム&パリ管という未完のチクルスがあるのです。
それに続いたレヴァイン&ベルリンでの不完全なチクルス。
3種とも未完としての後味は悪いのですが、それぞれの演奏は、わたしがベルリオーズに慣れしたんでゆくきっかけにもなっていて、とても思い出深い演奏ばかりです。

レヴァインのものは、少し時代が新しいので、ほかの二人の指揮者と思い入れが異なりますが、それでも「レヴァインの幻想」というイメージは別な機会で大きく持ち続けておりました。

それは、1974年(確か)のザルツブルク音楽祭のNHKFM放送。
エアチェックしました。
メットで地盤を築いたあと、マーラー録音も始まり、ヨーロッパに打って出た頃のもの。
ロンドン響を指揮しての幻想交響曲でした。

これはもう、耳に鮮やか、体に刺激的なスピーディかつ、アクロバテックな幻想だった。
最初から最後まで、息つかせる間もない意欲満々の興奮演奏。
いま復刻したら、ちょっとついていけないかも。

あれからほんの16年。

レヴァインは、その前から、快速・ダイナミック野郎を急にやめてしまったように思う。

RCAのブラームスやシューマン、マーラーで楽譜重視のピュアな透明感あふれる表現。
EMIでの、イタリアオペラにおける、混じり気のないオペラティックな歌中心の音楽造り。
DG以降は、巨視的な、おおらかだけど、細部まで綿密に心のこもった演奏がワーグナーを中心に実現。

たくさんあるレヴァインの音源は、駄作がありません。

あのロンドン響との若さみなぎる熱演とうってかわって、ゆったりとした歩みと、壮大なダイナミズム、そしてあいも変わらない生き生きとしたフレッシュな表情。

恋心満点の1楽章。意外や快速のワルツ。抒情味満載の3楽章。
堂々たる断頭台。しっかりと歩みつつ、オケの名技性を味わえ、いくつものフォルテを味わえるチョーかっこいい終楽章。
グレゴリアの死のモティーフも、輝かしいファンファーレのようです。
最後の猛然たるアッチェランドと光彩陸離たるフィナーレには陶然としてしまいます。

中身やコク、味わいは別として、この演奏がもたらす快感は格別のもの。
こんな聴く喜びにあふれた幻想も充分アリです!

ボストンでの活動が不明になりがちのままのレヴァインの体調不良の昨今、心配です。

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コメント

こんにちわ。いつもいい作品を紹介してくださり、楽しく勉強させていただいています。

レヴァインはあまりにも何年も不確定な状態が続いたので、去年の段階でボストンの方は辞任されました。ボストンは次の候補者たちにオファーを断られてばかりという噂もありますが、次々と世界的指揮者が来て振ってくれるのもなかなかいいもんじゃないか、とこの状態を楽しんでいる地元観客の声も聞こえています。
秋にマズーアがパーキンソン病を告白した直後、レヴァインも実はパーキンソン病も患っていると発表したのですが、来年5月のメト・オケとのカーネギーのコンサートから復活して、メトでも来シーズン3作振る、と意欲を見せてくれています。なので再びレヴァインの新作を聴ける可能性も出てきている、と控えめながら米国からご報告させていただきます。

投稿: Kinox | 2012年12月 9日 (日) 03時32分

Kinoxさん、こんばんは。

そして拙いヘンテコクラヲタ記事、お読みいただき感謝です。

レヴァインの近況とボストン響のいまがよくわかりました。
日本ではヨーロッパと比べ、アメリカの音楽事情がもうひとつタイムリーに入ってこないものですから。
この機に体調はともあれ、小澤さんのボストン来演などあれば、日本人的にはうれしいです。
レヴァインのメット回帰など、このあたりは映像ですぐに味わえますので、うれしいニュースです。
どうもありがとうございます。

投稿: yokochan | 2012年12月 9日 (日) 23時12分

重そうな袋ですね!

投稿: edc | 2012年12月13日 (木) 22時24分

euridiceさん、こんにちは。

中身、さわってみればよかったです。
もう次は正月バージョンですね。

投稿: yokochan | 2012年12月14日 (金) 17時29分

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