ベルリオーズ 幻想交響曲 バーンスタイン指揮
2013年1月の浜松町小便小僧です。
久々の素ッピン、かぶり物なし。
寒そうだけど、凛々しい袴姿に、縁起もの。
紋までは判別できませんが、ちゃんとした羽織袴ですね。
ベルリオーズ 幻想交響曲
レナード・バーンスタイン指揮 フランス国立管弦楽団
(1976.11 @パリ)
今年も、浜松町小便小僧とともに、月イチ「幻想交響曲」よろしくお願いいたします。
2013年最初の幻想は、バーンスタインでまいりましょう。
バーンスタインの幻想は、すでに取り上げ済みですが、そちらは、68年盤だと思って喜んで書いたら、実は63年盤だったということ。
お馴染み様からお教えいただきました。
CDの表記ミスをされるともうどうしようもないですね。
バーンスタインは正規には、3種の幻想を録音していて、今日はその最後、76年盤を久しぶりに聴いてみました。
そして、件の68年盤は昨年すでに入手済みですから、いずれ登場することといたしましょう。
76年当時のバーンスタインは、DGでのウィーンフィルを中心に、古巣のニューヨークとはCBSにといった録音活動であったように思いますが、この頃からレコード会社への専属契約という感覚が希薄に、いやややこしくなってきたように思われ、いろんなレーベルから思わぬ演奏家の録音が出てくるようになったものです。
演奏家のバーターもレーベル間であったから余計にそう思われます。
EMIからのバーンスタインは、フランス国立管との録音が数枚。
CBSにも、DGにも同コンビのものはありますが、どうも録音がいまひとつなのですよね。
思えば、パリのオーケストラの録音って、かつては、どのレーベルでもイマイチ感がつきまといます。
いいホールがなかったのでしょうか?
たいていは、パリのサル・ワグラムですが、ここがどうも、響きが過多で、横への広がりばかりで奥行きと音の迫真不足に感じるんですよ。
カラヤンのフランクあたりからずっと感じる不満です。
そんな不満が、バーンスタインとフランスのオケとの組み合わせという新鮮なものにもどうも気になる音のイマイチ感に作用してます・・・。
フランスのオケを選択した良さがどうも伝わってこないうらみがありますので。
そして、足音と思われる雑音が耳に鬱陶しい。
慎重に、よくオーケストラを確認しながらローギアでの出だし。
よく歌い、よく荒れ、活力みなぎる
バーンスタインならではの演奏。
次ぐ円舞曲も急緩気持ちいいです。
あと、3楽章の心地よい推進力はさわやかで、意外にも粘りの多いバーンスタインの晩年様式とかなり異なります。
最後の場面のほのぼの感と、かすかに響かせるホルンが魅力です。
重厚なティンパニの豪打際立つ断頭台への行進は、エッジも効いて、がっつりと聴かせてくれますが、最後のファンファーレの最後の和音があまりにも短いのがユニーク。(編集の失敗じゃないですよね)
しかし、この楽章あたりから足音が盛大で気になるし、録音の塩梅が耳に辛くなってくる。
終楽章でののたうつような迫力が、徐々にテンポと威容を加えていってどんどん盛り上がってゆき、最後は地鳴りのように終結します。鐘の音も威勢がいい。
2013年一発目「幻想」なのに、ちょっとマイナスイメージに書き過ぎてしまいました。
このCDでたまたまカップリングになってしまった、プレヴィンとロンドン響の序曲集の方が古い録音なのに、はるかに耳馴染み、素晴らしい録音に聴こえます。
それもこれも名盤といわれる68年盤への布石ゆえお許しください。
せめてDGに録音してほしかったバーンスタインの「幻想」です。
あと当時、同じように客演していたパリ管でも聴いてみたかったぞ。
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コメント
これはLPを持っていましたが、ジャケットがカッコ良かったです!
最近聴き直し、ブログに書きました。
>バーンスタインの「幻想」3回目の録音。
1970年代の彼らしく熱狂よりは落ち着きの目立った演奏。
抜けの悪い録音の関係してか、「昔話」のように聴こえてしまう…
愛の狂気も死の行進も全て過ぎ去った過去のようだ。
ただ力んだ「幻想」は嫌いなので、これはこれで味があると思う。
一応、ブログは
http://blog.goo.ne.jp/black87sun88rx
です。
投稿: 影の王子 | 2013年1月 8日 (火) 20時23分
影の王子さん、こんばんは。
わたしは結局、このレコードを買うことはなかったのですが、レコード店で、いつも手にとっては眺めて悩んでいました。
レッド系のメタリックな装丁は、ほんとカッコよかったです!
貴ブログのご指摘の通りですね。
遠くでなっているこの幻想に戸惑いつつも、妙に捨てがたい1枚でした。
ブログのご案内、ありがとうございした。
なかなか身につまされる記事もあって、楽しく拝見してます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2013年1月 8日 (火) 22時09分
yokochan様、こんばんは。
今年もよろしくお願い致します。
私の拙ブログも何卒お願い致します。
音楽を聴いての気づきや喜びを綴っていきます。
それにしても晩年のバーンスタインに再録音して欲しかった曲は多いです。
未収録のマーラー3曲やこの幻想、ショスタコーヴィチ5とか…
晩年のDGのは過去のよりも録音がいいですからね。
投稿: 影の王子 | 2013年1月 8日 (火) 23時14分
影の王子さん、こんばんは。
早すぎるバーンスタインの死は、未完の録音の記憶とともに無念感がつのりますね。
その点はカラヤンあたりと違うような気がします。
ウィーンで失敗した、リングへの挑戦もすごいことになったかもしれません・・・・。
そしてかえすがえすもEMIの音は・・・・。(もういいません)
投稿: yokochan | 2013年1月 9日 (水) 22時57分
yokochan様
二十代の頃、当時の近畿地区随一の『大月楽器店』で、イギリスEMIのASD規格のLPを、まだまだダンディーさの残っていたレニー様の肖像写真に惹かれ、買い求めました。
が‥。いざ、針を下ろして鳴り出すと、細部がまるで不明瞭な、遥か遠くで鳴って居るのでしかない、録音状態にガックリ。第3楽章終わりの、ステージ上と舞台裏で呼び交わす木管も、遠近感がまるで出ておりませんでしたね。
ジャケット裏を見ますと、クォドラフォニックと銘打たれておりましたので、当時まだ残存していた4チャンネル・レコードでしたのでしょう。
録音スタッフは、プロデューサーはジョン・モードラー、エンジニアがポール・ヴァヴァスールと手練れの面々が、担当なさってはいらっしゃったのですが。
4チャンネル・レコードを、通常のステレオで再生したがゆえの、不都合だったのでしょうね。
投稿: 覆面吾郎 | 2023年11月 7日 (火) 12時07分