コルンゴルト ベイビー・セレナーデ
今年に入って初の六本木ヒルズから見た「けやき坂」。
クリスマスの時は、ホワイトとブルーだった。
そしていまは、ホワイトとピンク。
ともかくキラキラと美しいのです。
コルンゴルト ベイビー・セレナーデ
カスパール・リヒター指揮 リンツ・ブルックナー管弦楽団
(1999.3 @リンツ)
エーリヒ・ウォルフガンク・コルンゴルト(1897~1957)のことは、これまで繰り返し書いてきましたので、コルンゴルトのタグをクリックいただき、過去記事をご参照ください。
どうも記事の流れはおろか、冒頭を飾る写真の雰囲気すらみんな同じパターンになってしまっているのに、我ながら苦笑です。
それだけ、コルンゴルトのイメージが自分にしっかり出来上がっているということと、やはり好きでしょうがないのだ、ということでしょうね。
ウォルフガンクの名前を冠し、神童の名を欲しいままにしつつ、ユダヤ系ゆえ戦火の波にもまれ、ついには忘れ去られてしまう不運の境遇。
時代から名前が消えてしまったとき、すなわち、アメリカ時代にヨーロッパ回帰があたわなかった頃には、保守的で新しさがないとされたことも忘却の一因。
しかし、いまやその音楽は、マーラーやツェムリンスキーに大いに共感し、易々と聴くようになった私たちには、シュレーカーをはじめとする退廃系とレッテルを貼られた作曲家たちとともに、聴くべきもののひとつといっていい。
新国立劇場で、そのオペラが上演されるというのも画期的であるとともに、来るべきしてきたムーブメントといっていいと思う。
今日は、そのコルンゴルトの愛すべき作品「ベイビー・セレナーデ」を。
1924年ウィーンでの絶頂期に、ルイーゼと結婚、ほどなくふたりの息子を授けられるが、その二人目のゲオルクが生まれた1928年に、その可愛い息子のために書いたのがこの「ベイビ・セレナーデ」。
5つの楽章からなる20分ほどの、明るく愛らしく、そして快活な作品です。
解説によれば、コルンゴルトの家庭交響曲ともとれるとあります。
しかし、シュトラウスほどにリアルな写実感はなく、暖かい家庭と、可愛い息子たちを見守る夫婦とその愛みたいな雰囲気にあるのを体感するにとどまりますが。
1.「序曲」~「赤ん坊が登場!」
2.「歌」 ~「今日は、良き日」
3.「スケルツィーノ」 ~「なんて素敵なおもちゃ!」
4.「ジャズ」 ~「坊やがしゃべるよ」
5.「エピローグ」~「そして、坊やは自分に語りかけるように寝てしまう」
編成が、当時とすると幾分変わっていて、サックス3本、ジャズ・トランペット、バンジョー、ハープを含む室内オケとなっていて、まさに、そのアメリカ風のムードは、「序曲」と「ジャズ」に遺憾なく盛り込まれていて、後のオペラでのダンスシーンやカーニバルの場面(カトリーン)や映画音楽などの先取りとみてとてます。
一方で、コルンゴルトならではの甘味で、煌めくシーンは、「歌」でたっぷりと聴けます。
これは7歳のときに書いた旋律とあります。
恐るべき早熟、それは、ウィーン風のワルツのリズムにのって。
そして、懐かしく、そしてほのぼのとした中に郷愁を漂わせる「エピローグ」は、子守歌です。最後に静かに響く銅鑼の音がずぅ~っと耳に残ります。
愛らしい、素敵な曲です。
今日の演奏は、その名はいかめしいけれど、オーストリアのオケらしく、柔らかくちょっと鄙びた、リンツ・ブルックナーオケで。
もう1枚、アルベルトと北ドイツフィルの演奏があって、そちらもよく聴いてます。
最後の銅鑼は、リンツの方がかなり長めです。
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コメント
先月、ムター/プレヴィンの協奏曲(チャイコとのカップリング)で突然コルンゴルトを知り、ウェルザーメスト指揮の交響曲や、ボザールトリオのトリオ、ハイフェッツの協奏曲などを買って聴き始めたところです。廃盤が多く中古探しが必要ですが、もっと掘り下げて聴きたいです。
投稿: faurebrahms | 2013年2月 6日 (水) 22時58分
faurebrahmさん、こんばんは。
コルンゴルトを聴きはじめられたよし、とても嬉しいです。
ムターの協奏曲は、プレヴィンの指揮もよくって、わたしも大好きです。(カップリングのチャイコは、もう何年もなるのにいまだに聴いてないのです・・・・)
数年前のアニヴァーサリー時に、相当集めましたが、なかなか音源集めは大変です。
しかし、ヴァイオリン協奏曲は、人気曲になりましたね。実演でなんとか聴きたいと思ってます。
投稿: yokochan | 2013年2月 6日 (水) 23時52分
僭越ですが・・・コルンゴルトのバイオリン協奏曲は、2014年3月23日に読売日本交響楽団の演奏会でみなとみらいで演奏される予定があります。
投稿: 鶴ちゃん | 2013年2月15日 (金) 11時55分
鶴ちゃん さん、どうもこんにちは。
高まってきたコルンゴルトの存在とその音楽のありかた。
来春ですね、みなとみらい。
あの、独特の女声的な響きを持つ「みなとみらいホール」でのコルンゴルトはきっと素晴らしく響きわたることでしょう。
きっと聴いてみます。情報ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2013年2月16日 (土) 23時47分