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2013年2月28日 (木)

池辺、レーガー、ラフマニノフ 神奈川フィル定期予習

Kanda_church

神田教会です。

え?神田に、こんな立派な教会が?とお思いでしょうが、あるんです。

猿楽町という地で、お茶の水の山の下、神保町のちょっと先。

ロマネスク様式のカトリック教会です。

都会のど真ん中でも、こんな静かなエリアがあり、ほっと安堵するわけです。

さて、気がつけば、神奈川フィルの定期演奏会が、2日土曜日です。

この前、マーラーの10番の定期。

その後の、ベートーヴェンのチェロソナタやショスタコのピアノトリオ、そして忘れ得ぬ体験となった佐村河内交響曲。

演奏会は絞っているのに、集中したこの時期。
しかも、ひとつ携わる会社の引っ越し、その会社の決算申告、そのた公私もろもろ、超多忙。
早朝より活動しておりますが、とても充実してます。

音楽があって後押ししてくれるので頑張れます!

   池辺晋一郎  シンフォニーⅧ「大地・祈り」 
               (神奈川フィル委嘱作 世界初演)

   レーガー    ヒラーの主題による変奏曲とフーガ

   ラフマニノフ  交響曲第2番

     金 聖響 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

   2013年3月2日 (土曜) 14:00 みなとみらいホール

一曲目の池辺さんの世界初演作についてはもちろん語れません。
最近公表されたそのタイトルからは、自然という超存在と人間とのあり方などを思わせる、メッセージ性のある趣の音楽と予想されます。
シリアスな内容に期待が高まります。

そして2曲目以降は、ちょっと疲れ気味の今日この頃ですので、以前の予習記事をコピーさせていただきまして、お茶を濁してしまうこと、お許しいただきたく。

Reger_aco_jarvi

2曲目は、ドイツの作曲家、マックス・レーガー(1873~1916)。
マーラーとほぼ同世代で、「モーツァルトの主題による変奏曲」(K331トルコ行進曲のソナタの1楽章)ばかりが有名で、あとは晦渋でとっつきにくいイメージしかない作曲家。
その顔写真をみても、苦虫かみつぶしたような、愛想ない顔。
でも、暴飲暴食・大酒飲みの巨漢だったということも知り、どこか憎めないオジサンなんですよ、これがまた。

Reger(わしがレーガーじゃ)

いまのところ、レーガーはわたしにとって、厳しい作曲家です。
同じように少し苦手意識をもっていて、とっつきがいまだにままならない作曲家として、時代は相前後しますが、プフィッツナー、ブゾーニ、ヒンデミットらのみなさんがおります。

今回、ライブでレーガー、しかも珍しい「ヒラー変奏曲」が聴けるとあって、苦手打破の絶好の機会かもしれません。

この作品の元主題の作曲家のヒラーさんは、二人いて、どちらもドイツ。
レーガーがその変奏に使ったのは、古い方のヨハン・アダム・ヒラー(1728~1804)で、この方は、ドイツ・ジングシュピールの祖とも言われております。
ちなみに、ジングシュピールとは、モーツァルトの「魔笛」に代表される、民衆にもわかりやすいドイツ語による音楽劇みたいなもの。当時イタリア語やフランス語によるオペラばっかりだったドイツの劇場に市民の目線を植えつけたんです。
そのヒラーのオペラDer Erntekranz」(花輪の収穫?)というオペラの旋律による、主題と11の変奏、そしてフーガを原作者の活躍した同じライプチヒで作曲したのがレーガー。
1907年の作で、曲は、しばしブラームスチックである。
そうまるで、ブラームスがハイドンに魅せられ書いたあの名作のように、レーガーはヒラーの親しみやすい旋律をもとに、ブラームスを心に思いながら書いたに違いありません。

まだまだ練習中のわたくし、CDはヤルヴィとコンセルトヘボウ盤しか持っておらず、ろくに聴きこんでもおりません。
でもきっと、これは聴きこむほどに、味わいの増す、そう、スルメ系の音楽なのかもしれませぬ。最後のフーガのそれこそバッハのオルガン曲を編曲したかのような壮大な盛り上がりは、かなりいいです!
こんな曲だから、モヤモヤしていたら、ますます混沌としてしまいます。
神奈川フィルの音色を活かして、聖響さんには明快な解釈を施してほしいと今から思いますね。
期待しております。

Rachmaninov_sym2_dutoit

プログラム後半は、すっかりお馴染み、ラフマニノフ交響曲第2番

神奈川フィルは、現田茂夫さんの指揮で、すっかり手の内に入った曲です。

わたしも過去聴いて、感涙の涙をちょちょぎらせておりますよ。

そしてラフマニノフ大好きオジサンのわたくし、この曲フェチ男なんですよ。

何度も書いてますが、いまを去ること数十年前の独身時代、新宿のぼろアパートの侘び住まい。冬のしばれる6畳一間で、ホットウィスキー片手に、毎日毎日聴いたのがこの曲。
ちなみに、マーラーとディーリアスとシベリウスにワーグナー、ヴェルディの日々。

わたしの若き日への、ノスタルジー掻き立てる曲のひとつ。

1時間の大曲の隅々に溢れかえる歌、そしてまた歌。
それは募る気持ち抑えがたい故郷への思いを、甘味なロマンティシズムにすっかり置き換えてしまった、やるせないほどに、美しくもドラマテックな音楽なのです。

いま、こうして少し響きの弱いデュトワ盤を聴きつつも、どこもかしこも慣れ親しんだこの曲に心奪われ、陶然としてしまっている自分を見出すんです。
この媚薬的効果をもった音楽の聴きどころは・・・・、そう、最初から最後まで、すべてです!

1楽章のワクワク感を伴ったもりあがりと感傷的な旋律の対比。
打楽器も活躍のリズミカルな2楽章は、中間部のこれまた甘い歌。
そして3楽章は、甘味料たっぷり。聴いた後には皆さま歯をしっかり磨きましょう。
その甘い旋律は、涙に濡れそぼっていて、その憂愁に負けてしまいそう。
クラリネット素晴らしすぎ。
終楽章は、思いきり高揚してもらって、ドキドキさせて、ブラボーと叫ばせて欲しい。

神奈川フィルのラフマニノフ節に超期待
この曲がバカみたいに好きなものだから。

過去記事たくさん。

「スラトキン&セントルイス交響楽団」
「サー・マリナー&シュトッゥトガルト放送響」
「現田茂夫&東京大学音楽部管弦楽団」
「プレヴィン&ロンドン響」

「ハンドレー&ロイヤル・フィル」
「現田&神奈川フィル」
「尾高&東京フィル」
「尾高&BBCウェールズ」
プレヴィン指揮 NHK交響楽団」 
大友直人指揮 東京交響楽団
ロジェストヴェンスキー指揮 ロンドン交響楽団」
ヤンソンス指揮 フィルハーモニア管弦楽団」
ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団

ちなみに、この曲の最強演奏は、いまだにプレヴィン&ロンドン響のEMI盤でございます。

以上が以前記事のコピーです。

明日は、大好きなラフマニノフをもう一度聴いてみます。

実は、デュトワの演奏が、ちょっといまひとつなものですから・・・・・。

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コメント

行ければ良いのですが、私のも多忙でとても開けられなくなってしまいました。しばらくは音楽会は封印して頑張らないと…です。
個人的には池辺晋一郎さんの作品が気になります。とっても…。ああ行きたいなぁ〜(; ;)

投稿: schweizer_musik | 2013年2月28日 (木) 23時14分

schweizer_musik先生、こんばんは。
お忙しい日々を送ってらっしゃるご様子はかの地(FB)で拝見しております。
しかし、たまには、懐かしの神奈川フィルに是非。
かつての音を取り戻しつつあります。
指揮はともかく、池辺さんの作品は楽しみです。

投稿: yokochan | 2013年2月28日 (木) 23時33分

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