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2013年3月 8日 (金)

ベルリオーズ 幻想交響曲 サヴァリッシュ&N響

Hamamatsucho201303_3

3月の小便小僧は、東京消防庁の山岳救助隊のレスキュー姿。

冬山の怖さは、急に気温が緩んだこのところが最も怖い。

ヘルメット姿が可愛い。

でも小便の勢いは相変わらず激しく一直線。

Hamamatsucho201303_2

後ろ姿も実に精巧に着飾ってますね。

もうすぐ2年。

心の備え以上に、日本のどこにいても実質的な備えは必須の我が国です。

Sawallish1

   ベルリオーズ 幻想交響曲

    ウォルフガンク・サヴァリッシュ指揮 NHK交響楽団

                      (1983 NHKホール)


亡きサヴァリッシュの、1964年以来、40年に及ぶNHK交響楽団との共演は、当然にテレビやラジオで、われわれ音楽ファンの目と耳にすぐさま届いて、ずっと普遍的な演奏として日本中の津々浦々にしみ込んでいったのであります。

音楽監督を長く置かなかったN響の、実質的な指揮者として、のちに、ドイツ・オーストリア系のスウィトナーとシュタインの3人のワーグナー指揮者とともに、N響の堅実な響きを作り上げた賢人指揮者。

ともかく多くを聴かせていただき、多くを学ばしてもらいました。
定番のモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ブルックナー、ワーグナー、R・シュトラウス。
そして、気心のあったN響とは、サヴァリッシュ教授としては意外なレパートリーも多く披露してくれました。
バッハ、ベルリオーズ、R・コルサコフ、チャイコフスキー、ラヴェル、ショスタコーヴィチ、ブリテンなどなど・・・。

今日は、月イチ幻想の流れにのって、サヴァリッシュとN響の「幻想交響曲」を自家製CDRを引っ張り出して聴いてみました。
音源は当然に、NHKFM放送のエアチェックカセットテープからの板起こしです。
あくまで、個人の楽しみですし、視聴記を個々に記すのみですから問題はなかろうと思います。
いまデータが見当たらなくて、記憶を頼りに83年の演奏と記しましたが、毎年6月頃に来日したサヴァリッシュのこの年の演目は、大胆なものばかりでした。
「悲愴」「火の鳥」「幻想」「ショタコ5番」などなど、いずれも貴重な音源としてお宝状態で保存してあります。

「幻想」は、その少し前、手兵だったスイス・ロマンドとの来日公演や、先に当ブログで取り上げた現地演奏などもありますが、N響の機能的な演奏ぶりは、スイス・ロマンドのものより優秀です。
ただ、NHKホールの音がまるきしそのまま放送に乗っておりまして、その雰囲気に潤いは少なく、音は硬いです。
しかし、サヴァリッシュ先生の冷徹で、かつ熱い指揮ぶりはどうでしょう。
全編インテンポのゆるぎない構造で、どこもかしこも完全無敵。
冷静な1楽章に、几帳面なワルツ。さすがに田園風景を繰り広げる3楽章。
まったく面白みのない断頭台。
ゆったりとしながら、うねりをあげてせまりくるヴァルプルギス

こうして聴いてみるとN響の高性能ぶりに、今さらながら驚きなのですが、それを巧みに抑制しつつ、均整の取れた中に、爆発力を秘めた演奏をしたてあげたサヴァリッシュの手腕は、やはり並々ならないものと思います。
最後の聴衆の喝采はすごいです。

やはりオペラ指揮者としての冷静さと、劇性を心得た巧みな指揮ぶりで、サヴァリッシュは並外れた存在だったといえるでしょう。
NHKには、サヴァリッシュの音源の体系的な記録を是非ともお願いしたいところです。
追悼、ウォルフガンク・サヴァリッシュ。

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コメント

 スイス・ロマンドとの来日公演…。プログを読んでいて思い出しました。確かに幻想聴きました。出待ちして握手してもらったことも急に思い出しました。ガッシリした手でした。
 なんで忘れていたんだろう。ホント年は取りたくないものです。

投稿: コバブー | 2013年3月 9日 (土) 13時28分

本当にサヴァリッシュさんのおかげでNHK交響楽団もフィラデルフィア交響楽団も輝いていました。横浜で聴いたフィラデッフィアとの「展覧会の絵」が今でも素晴らしい思い出です。またCDはコンセルトヘボーとのBeethoven全集、特に4番と7番の組み合わせは、心疲れた折りには今でも聴いています。日本ではやや過小評価されていた様子がありますが、私は心から敬意を抱いていました。オペラが見られなかったのが残念です。心からご冥福をお祈りします。そしてありがとうございました。

投稿: Beaver | 2013年3月 9日 (土) 18時05分

コバブーさん、こんにちは。
スイス・ロマンド時代の来日は、テレビとFMで視聴しました。
たしか、田園と幻想とラ・ヴァルスだったと記憶します。
フィラデルフィアとの組み合わせに先立つ新鮮なコンビでしたね。
お聴きになられて、とても羨ましいです。
ジュネーブでの演奏会のCD Rを過去、幻想記事で取り上げております。

投稿: yokochan | 2013年3月10日 (日) 17時05分

Beaberさん、こんにちは。コメントどうも、ありがとうございます。
わたしは、フィラデルフィアは一度も聴けず、いま思うと残念なことをしました。
サヴァリッシュは、いつでも聴けるという安心感が、とてもぜいたくなことだったことに、いまさらながらに気づかされております。
N響は、すごい指揮者ばかりだったわけですね!
まだしばらく、追悼記事を続けたいと思います。

投稿: yokochan | 2013年3月10日 (日) 17時17分

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