ラヴェル 「ボレロ」 プレヴィン指揮
眩しい海辺で食べるカレーです。
鬱陶しいお天気が続くもんだから、5月の陽光を懐かしんで実家近くのカレー屋さんの画像を。
晩ご飯済ましたのに、こうして画像を見てたらまたお腹がすいてきてしまった。
カレーは別腹か?
ラヴェル ボレロ
アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団
(1979.6 @キングスウエイホール、ロンドン)
急にボレロが聴きたくなったから、ボレロ。
カレーみたいに、急に聴きたくなるのがボレロ。
その顛末がわかっちゃいるけど、だまされて興奮するのがボレロ。
音楽史上もっともシンプルな造りだけど、その反復感が人を刺激しまくるのがボレロ。
小太鼓奏者の方にブラボーが集まるのがボレロ。
そのオリジナルバレエは、いまやフラッシュモブとも呼べる集団効果がボレロ。
誰が演奏しても、そこそこウマくいくのがボレロ。
チョー~長~いクレッシェンドともいえるのがボレロ。
あぁボレロ、されどボレロ、しかしボレロ、何故におまえはボレロ、人を惑わすのか。
まだまだ、どしどし書けそうなボレロ。
ディアギレフのバレエ・リュスのところにいた、イダ・ルビンステイン夫人の独立に伴い彼女のために書かれたバレエ音楽。
CDでも、ライブでも、もう知り尽くしたと思って聴いてると、いつの間にか、思わぬ興奮状態に高められてしまう、ルーティン化の常習性あるアブナイ音楽の一つといっていいかも。
オケの名技性よりも、ここは指揮者の腕の見せ所だ。
ライブで聴いた1番は、小澤さんと新日。
指揮棒を持たず、最初は指揮もせず、体を揺らすのみで各奏者を目で率いて行く小澤マジック。
拍子をとりだしたのは弦が出てきてから。
あとはもう魔法がかけられたみたいに、小澤さんのしなやかな指揮姿に見とれるのみで、そこから独特の熱いうねりが生まれて、いつしか熱狂の域に達していったのを覚えている。もう30年以上前だ。
CDでは、格式高く味わい深いアンセルメ、全体を熱い弧のようにひと筆に描ききったミュンシュ、エレガントでスマートなクリュイタンス、オケを夢中にさせ熱狂の淵に落とし込んだアバド。
そして今宵、久々に聴いたプレヴィン盤は、おそらく最長に近い、全編17分13秒をかけたジックリ型のインテンポ演奏。
プレヴィンという人は、元来、腰の重たい演奏をする人で、そこにスタイリッシュ感と、優しい眼差しの貫かれた柔らかな歌い回しが加味される訳で、決してポップで軟な指揮者じゃないのです。
そんな、ときに粘りさえも感じるこのボレロは、ロンドン響のめちゃくちゃウマいのと、レスポンスの豊かさでもって極めてユニークな演奏に思います。
お約束の終盤の盛り上がり感は、これまた尋常でないほどですが、クール感も残したところがまたプレヴィンらしいところ。
面白かった。
と思って聴いてたら、NHKで佐村河内さんが出てました。
すかさず、「みなとみらい」でのピアノソナタ演奏会をプレオーダーしましたがいかに。
静かな海はいい。
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コメント
今晩は。私の場合は、小学生の時に題名が思い出せないのですが、ラヴェルのボレロがオープニングテーマになっている番組があり、ドラマの内容はすっかり忘れてしまったのですが、ドラマを観終えたときはすっかりこの曲に魅了されていました。「LPが欲しい!」と思い購入したのがムーティとフィラデルフィアのレコードでした。それ以アバド、デュトワ、マルティノン、インバル、マゼールその他いろいろな演奏を聴いてきました。プレヴィンは未聴です。私は13分台でかっ飛ばしているマゼールの80年代のフランス国立管を指揮した演奏が好きです。速めのテンポでぶっ飛ばす爆演をするかと思えば、旋律をたっぷりとうたわせた風格のある演奏もすることもある人ですよね。とにかくすごいおっさんです。
投稿: 越後のオックス | 2013年6月13日 (木) 22時59分
越後のオックスさん、こんばんは。
ムーティ盤が初レコードなのですね。
FMで聴いたことがあります。
フィラ管時代のムーティはあまり聴いてませんでしたが、ラテン系の音楽はやはり最高でしたね。
マゼールは、旧ニュー・フィルハーモニアとのEMI盤にも入っていたかと思いますが70年代初頭のギンギンのマゼールは面白かったです。
この人も、ストコやチェリとともに、見直さなくてはと思ってます。
投稿: yokochan | 2013年6月15日 (土) 00時16分