グリーンウェーブコンサート15th
このところ、6月はじめの恒例となりました、グリーンウェーブコンサートに行ってきました。
神奈川フィルのヴァイオリン奏者、森園ゆりさんとピアノの佐藤裕子さんのコンサートは、今年15回目ということで、長く続いておりまして、わたくしはまだ3度目ですが、ホールはいつも満席。
みなさん、とても楽しみにしておられるこのコンサート。
だって、とても気持ちがいいんです。
保土ヶ谷区のハンズゴルフクラブがその舞台。
初夏の緑の眩しい光が降り注ぐレストランホール。
軽食とスゥイーツとお茶も美味しい。
そして本番のコンサートは、森園さんが選んだバラエティ豊かな素敵なプログラム。
今年のテーマは、「光、輝き」
メンデルスゾーン 「歌の翼に」
ヴィヴァルディ ソナタ イ長調
フォーレ 「シチリアーノ」
ロッシーニ 「パガニーニに寄せて一言 エレジー」
パガニーニ 「ラ・カンパネラ」
ドビュッシー 「月の光」
ヴィターリ 「シャコンヌ」
クライスラー 「シンコペーション」
シンディング 組曲より「プレリュード」
ラフマニノフ 「ヴォカリーズ」
サン・サーンス 「序奏とロンド・カプリチオーソ」
森園 康香 「冬の足音」 ~アンコール~
ヴァイオリン:森園 まり
ピアノ :佐藤 裕子
(2013.6.8 @ハンズゴルフクラブ)
幕開きに相応しい、爽やかなメンデルスゾーンで開始、快活なヴィヴァルディ、憂いを含んだフォーレ。
外から差し込む6月の光りもキラキラと美しく、性格の異なる曲を鮮やかに弾きわける森園さんのヴァイオリンにぴったり。
この日、一番気にいったのがロッシーニの秘曲。オペラ作曲家を卒業後の作品のひとつ「老年の罪(いたずら)」第9集からのエレジー。
ロッシーニがヴァイオリンとピアノのために書いた唯一の曲と森園さんが自ら書かれたプログラムに書かれてます。
わたくしも、初聴き。
これがロッシーニのオペラのアリアを思わせるような伸びやかで清々しい曲なのです。
船を漕ぐかのようなすてきなピアノ伴奏のゴンドラに乗って、美声の船頭の歌を聴いてるような気持のよさ。
さきに発売された、CD「弦楽のためのソナタ」とともに、森園さんのロッシーニはとってもチャーミングでナイスなのでした。
youtubeにありましたので、この曲、いままた聴いてますが、昨日のあのシテュエーションでの森園さんの美演には敵わないな。
(http://www.youtube.com/watch?v=5fAt31p_XKU)
有名な「ラ・カンパネラ」で、パガニーニつながり。
そして、白中堂々と、佐藤さんのピアノソロ「月の光」も、日の眩しさが嬉しい1曲。
後半は、大曲ヴィターリの「シャコンヌ」は、ドラマティックでかっこいい曲のよさがわかる演奏で、何気に超絶技巧をすらすら駆使。堪能しました。
緊張のあとは、ほのぼのとクライスラー。
北欧のさわやかなシンディングに、憂愁なるラフマニノフ。
最後のトリは、サン・サーンス。
この曲もあらためて聴くと難易度が高いですが、ズバズバと決まる森園さんのソロ。
実はこの曲には懐かしい思い出があって、高校時代管弦楽部に入っておりまして、学際の演奏会でやりました。
わたしは、へたくそなフルートでしたが、緊張して演奏中に、譜面台から譜面を巻物のようにパラパラと落としてしまったのでした。
そんなことを思いながら、聴くサン・サーンスは、切れ味とエスプリ感も味わえました。
欧州各国のさまざまな曲を、まさに各国を旅するように、輝かしい演奏で楽しむことができました。
森園さんひとりでも、感じることのできた神奈川フィルの響き。
そして長年のコンビの佐藤さんのピアノにもその同質感が。
アンコールは、ヴュルツブルク留学中の娘さん、康香さんの可愛い小曲。
夏ですが、小雪舞う頃を思わせるほのぼのと素敵な曲。
ラ・ボエームを思い起こしてしまいました。
7月には一時帰国してヴァイオリン奏者として神奈川フィルや市内オケとの共演予定とのこと。嬉しいニュースです。
過去グリーンウェーブコンサート記事
「2011年 第13回」
「2012年 第14回
緑と音の「光と輝き」のシャワーを浴びたあとは、これまた恒例、焼き肉屋さんです。
分厚いカルビは、しっかり焼かずに肉の甘さを楽しめます。
くぅーーっ!めったに行けないからこそ、よけいに美味しい。
ビールも焼酎も美味しくいただきました。
いい音楽のあとは、一緒に親しんだ仲間といいお酒と食事。
こうして、また神奈川フィルのことなどを話しながら、ますます神奈川フィルのこと、好きになって行くのでした。
神奈川フィルの監修本、森園ご夫妻がメンバーのロッシーニのCD、絶賛発売中!
| 固定リンク
コメント
こんばんは。
ご無沙汰しています。昨日、コジ行って来ました。2列目真ん中、前空席、横も空席でリラックスできました。舞台が大変美しく素敵でした。声も良く、パーションも頑張ってました。でも、オケが、3プルトであのレベルではアベルもあきらめていたのでは?
投稿: Mie | 2013年6月10日 (月) 21時17分
今晩は。とても楽しい演奏会だったようですね。CDという長い収録時間を誇る媒体が出現してからというものワーグナー、ブルックナー、マーラーといった大作作曲家が好まれ、この演奏会でブログ主様がお聴きになったような素敵な小品名曲があまり聞かれなくなったような気がいたします。少し残念なことだと思います。
メカ音痴の私がついにブログを始めました。文学や音楽や私生活の諸々などについて書き綴ってゆくつもりです。私以上に辻邦生先生を尊敬しているShuishi様が応援して下さっているのが嬉しいです。ブログ主様もよろしかったらお越しください
投稿: 越後のオックス | 2013年6月11日 (火) 00時45分
Mieさん、こんにちは。
ナブッコやってたと思ったら、もうコシなんですね。
最近、とんとご無沙汰の新国です。
前回の舞台写真で、カラフルで面白そうだと思ってました。
そしてパーションが好きなもので、とても気になりますが、いまスケジュールみたら絶対にいけませんでした・・・。
東フィルでしょうか??
投稿: yokochan | 2013年6月12日 (水) 00時50分
越後のオックスさん、こんにちは。
まずは、ブログ開設、おめでとうございます。
越後のオックスさんらしい、文学と音楽という切り口。
わたしのような酒やネコじゃないところがさすがです。
お人柄が偲ばれますね。
どうぞ、ゆったりと更新してください。
そちらでもよろしくお願いいたします。
そして、こうした小品たちのキラリと光る魅力。
おっしゃるように大曲志向で、名曲・小品たちはいまや不遇をかこってますね。
こうして素敵な環境で、いつも聴きなれた方の演奏で、親しい方と聴く。こうした名品たちこそ相応しいですね。
大事にしたいと思ってます。
投稿: yokochan | 2013年6月12日 (水) 00時55分