ブリテン 「誕生日のお祝い」
ピンクの薔薇、平和と幸福の象徴。
英国王室のロイヤル・ベビーが生まれました。
しかも、将来の王子様。
同じ皇室・王室を持つ島国として、英国は日本にとってとても親しい国。
ちょっと調べましたら、世界で王室のある国は、全部で27国。
その中で、正統の歴史で一番長いのが、なんと日本とのこと。
隣国が羨み、やっかむのも無理からぬ、我が国の歴史をちょっと誇りに思ったりします。
そして、ベビーちゃん誕生を待ち受ける英国の、その厳粛さとユーモア。
ブリテン 「Birthday Hansel」(誕生日のお祝い)
ソプラノ:アンネッテ・ベタンスキ
ハープ:スーザン・ミロン
(2001.3@ロズリンダール、マサテューセッツ)
ブリテン(1913~1976)の作品92、最晩年1975年の歌曲です。
同年、王室から、現女王エリザベス2世の母、エリザベス王妃75歳の生誕のお祝いの音楽を委嘱されたブリテン。
18世紀スコットランドの詩人・民謡収集家のロバート・バーンズの詩による短い7曲の連作を作曲。
バーンズは、かのスコットランド民謡の現「ほたるの光」を採取し曲の骨格を築いた人です。
ブリテンは、作曲にあたり、パートナーのピアーズにも助言を仰ぎつつ、その初演も当然にピアーズでした。
テノールまたは高音域による歌曲となっております。
1.誕生の歌
2.朝の散歩
3.ウィー・ウィリー
4.おらの山羊
5.アフトンのせせらぎ
6.冬
7.リーズィー・リンジー
全編17分、連続して歌われるが、起伏は少なめ、全体は静かな明るさにあふれていて、テンポも穏やかで、ひたひたとあふれる喜びを静かに噛みしめるような曲調。
伴奏がハープであるところが、透明感と無垢なピュアさを表出していて、なにごとも穢れない聖なる響きが意図どおりに出ていて、とても素敵なのです。
対する歌の方も、晩年のどこかアッチの世界へ行ってしまっているようなワープ感はなくって、音程の上下するさまはミステリアス感を呼び覚ますが、むしろ、ハープの響きとあいまって、ルネサンス的な自由さと、いにしえの王朝サウンドを意識させてくれます。
繊細でガラス細工のようなブリテンの巧みな筆致は、まさに天才的だと思います。
カナダ生まれのアメリカのリリックソプラノ、ベタンスキさんの透明ではかない歌声は、こうした曲にはぴったりです。
バッハやモーツァルトを得意とする彼女ならではブリテンです。
ほかの収録曲もホルンやフルートを伴う涼しげで素敵な曲ばかりですので、また機会をあらためて取り上げてみたいと思います。
9月には、辻さんが、恒例の英国歌曲展にて、ブリテン特集をくまれ、この曲も演目にはいっております。
ケンジントン宮殿。
こちらにベビーちゃんはお住まいになるのだそうな。
すてきなこちらのサイトより拝借した画像です。
http://atasteoftravelblog.com/
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