ブリテン 英雄のバラード ヒコックス指揮
先日の千葉の夕暮れ。
西の空が徐々に藍色になって、太陽の赤い光がほのかに残って沈んで行きました。
これから夏も後半となっていくと、夕焼けもダイナミックになって、空をオレンジ色に染める日も多くなります。
この「すじ雲」を中心とする全国の雲を観察して投稿しあう、地震予知のための雲の掲示板というサイトがございます。
ときおり拝見して、さらにそちらのメインサイトでは、それも各地のいろんな手法による観測記録を分析して、地震を検証しておられます。
http://bbs3.sekkaku.net/bbs/ikasemain.html
あくまで参考までに。でも実際にあたるケースが多い・・・・・・。です。
ブリテン 「英雄のバラード」op14
T:マーティン・ヒル
リチャード・ヒコックス指揮 ロンドン交響楽団
(1991.2 @ロンドン)
ブリテン(1913~1976)の1939年、26歳の作品。
早熟だったブリテン、若き日々より、社会派としてシリアスで深刻な音楽と、アメリカ経験を反映させた明るく洒脱な音楽、またはそれらの融合といった充実の作曲活動を行っていた。
師ブリッジを偲ぶかのようなムードの哀感ぶりと、壮絶極まりないダイナミックサウンドの咆哮、そしてピースフルな平和希求への思い。
これらが3つの部分となって描かれている曲です。
スペイン内戦で没した英雄たちへ捧げる、オーデンの詩によるバラード。
曲の立ち位置からすると、初のオペラ「ポール・バニヤン」作曲中、そしてさらに「シンフォニア・ダ・レクイエム」の1年前。
3つの部分からなることや、戦争への反対の思いと、その悲惨さ、そして平和への思いがそれぞれ主題になっていることも、その「シンフォニア・ダ・レクイエム」の姉妹作的な存在として捉えることができると思います。
1.葬送行進曲
2.スケルツォ(死の踊り)
3.レシタィーヴォと合唱~葬送行進曲
トランペットのか細くも哀しいファンファーレによって始まる①は、ブリテンより前の時代の英国作曲家のような抒情的で親しみやすい美しも哀しいメロディの葬送の音楽。
驚きは、怒りの日とも呼ぶべき②のスケルツォの激しさ。
怒髪天を抜く勢いで、金管と打楽器が咆哮しあい、恐るべき地獄のようなサウンドとなる。
一転、リリカルなテノールソロを伴う③は、戦争による死を悼みつつ、その虚しさを歌い、ヨーロッパに警鐘を鳴らすかのように、冒頭のファンファーレが回帰して曲を閉じる。
短い曲ですが、切実でかつ美しさもある音楽でした。
ヒコックスのこの演奏、「戦争レクイエム」「シンフォニア・ダ・レクイエム」「英雄のバラード」の3曲を収めた、見事に一本筋の通った名カップリングです。
録音の素晴らしさも特筆のド迫力でした。
こんな演奏やプログラミングをできる指揮者はもういません。
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コメント
じゃ~ん。待ってました。今日のEテレクラシック音楽館はイギリス音楽特集(ブリテンはないけど)だよ~ん。エルガー・ウィリアムス・ウォルトン…楽しんでおります。 N響定期の録画ですね。尾高さん、おでこピカピカです(笑)でも人懐っこい笑顔は初めて見た37年前の青年の頃と変わらずです。癒されますなぁ。コンサートの演奏の他、波多野睦美さんの独唱のオマケつき。今、サリーガーデン(超好きな歌)に涙ぐんじゃってます。年齢と共にお肌やお腹周りも緩んでますが、涙腺の方も例外でないようでございます…自民党圧勝の夜のつぶやきでした。。。
投稿: ONE ON ONE | 2013年7月21日 (日) 23時02分
ONE ON ONEさんこんばんは。
選挙報道のなか、尾高さんの優しい指揮ぶりをチラ見しつつも、忙しくて、酔っ払ってて、まともに見ずでした。
波多野さんの歌もやったのですか・・・。
王室ベビー生誕の一環をねらったNHKなのでしょうかね。
サリーガーデンは、器楽で演奏するバージョンもええですなぁ。
真夏なのに、音楽生活超多忙。
少々お疲れ気味で、テンション低めですいません。
投稿: yokochan | 2013年7月22日 (月) 22時43分