ディーリアス 「夏の庭園で」 ハンドレー指揮
ラベンダーの茂る庭園、遠くには東京タワー。
都心のど真ん中にもこんな静かな場所があって、わたくしのお気に入りです。
暑い夏は、疲れるけれど、いろんな植物や虫たちが元気にその季節を謳歌してます。
今年の不順な夏には、人間たちはもうお疲れぎみ・・・。
ディーリアス 「夏の庭園で」
ヴァーノン・ハンドレー指揮 ハルレ管弦楽団
(1981.9 @マンチェスター)
先週から、ワーグナーばっかり聴き過ぎた。
よりによって、プロムスとバイロイトで、ワーグナーの楽劇攻勢が激しく、暇さえあれば、ネットラジオでかの地の模様をむさぼるように確認して、視聴せざるを得ない状況に自分を追いこんでいる。
おまけに、仕事のほうも、家庭の方も忙しくってたまらない。
そんなワーグナーや諸事に疲れたときの、わたくしのもっとも有効な解毒作用をもたらす音楽は、ディーリアスです。
輪郭が曖昧で、自己主張しない自然描写にもあふれる感覚的な音楽は、耳にも、心にも優しく、ほのかな微光でもって気持ちを柔らかくほぐしてくれる。
昨年、生誕150年のアニヴァーサリーを静かに、騒がれることなく終えたディーリアスは、今年もまた、わたしにとっては平常運転の癒しの存在だ。
ただ惜しむらくは、新しい録音があまりなく、相変わらず60~80年代くらいの音源を繰り返し聴くのみなところが寂しいところ。
相次いだ、英国指揮者たちの早世は、ディーリアス指揮者を生むことがなく、いまに至ってしまっている。
四季おりおりで、ディーリアスには素敵な管弦楽作品があるけれど、なんといっても、英国の美しい夏に相応しい音楽を数々残しました。
そのほとんどを、もうこちらで記事にはしてしまいましたが、今宵はまたあらためて、同じ曲同じ演奏の再登場となりました。
1906年に、愛する妻イェルカのために書いた「夏の庭園で」は、イギリスの短い夏のひとコマを、誰しもが思い浮かべるような英国庭園を思わせるような描写的な曲調の幻想作品です。
「ものうい昼下がり、バラやハーブが咲き乱れる庭は、英国風に、自然のなすがままの、少しばかり粗野な雰囲気も残しつつ、美しい調和のとれた様子です。
蝶は、花々の間を舞い、蜜蜂は忙しく飛び回ります。
わたしたちは、パラソルの日影の下で蜂たちの羽音を聴き、遠くの川で遊ぶ子供たちの声にも耳を傾けつつ、氷のなみなみと張ったジンがベースの爽やかな飲み物をいただきます・・・・・」
こんな風に夢見心地に聴いてます、「夏の庭園で」。
ハンドレー盤は、レコード時代末期にLPで買っていらいの愛聴盤。
客観的で涼しげな演奏が好きです。
あとバルビローリのいとおしむような愛情たっぷりの演奏も。
過去記事
ハンドレーのLP
「ハンドレー&ハルレ管」
「バルビローリ&ハルレ管」
「ワーズワース&ロンドン響」
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