バルトーク 管弦楽のための協奏曲 ハイティンク指揮
土曜日の、神奈川フィル定期の前に、大急ぎで視察した新商業施設「マークイズみなとみらい」。
同じ「マークイズ」が、静岡にも4月にオープンしてまして、ともに三菱地所がディベロッパーであります。
横浜の方が、他店や類似テナントの競合があるため、かえって新鮮な店づくりに感じるのは、首都圏にいるからに過ぎないけれど、静岡の方も手堅い雰囲気のようです。
静岡のかの地は、ちょっと縁がございまして、数年前に関わりがありました。
某外資系I社が当時は政令指定都市ということで、出店をもくろんでいましたものですから。
でも、前にも書きましたが、商業施設は、もうお腹いっぱいですな。
大事なのは、日常の買いまわりのお店。
老人や弱者でも、毎日通えるお店。
そしてハレの日の施設は、そんなにたくさんいりません。
混まない、ゆったりとした緑のスペースがあればいい。
バルトーク 管弦楽のための協奏曲
ベルナルト・ハイティンク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
(1960.9 @アムステルダム)
土曜日に神奈川フィルの定期演奏会で聴いた、バルトークの「オケコン」!
なんども言いますが、苦手なこの曲。
CD棚をよく調べたら、プレヴィンとロスフィルに並んで、協奏曲の項目に、このハイティンク盤があった。
2CDのこの徳用盤は、S・ビショップのピアノ協奏曲全集とシェリングのヴァイオリン協奏曲にハイティンクのオケコンが収納されているという豪華なものだった。
ピアノ協奏曲狙いで買ったら、オケコンがついていた。
しかもハイティンクとコンセルトヘボウだった。
かつては、ブーレーズ、デュトワ、ヤンソンスなども持っていたけれど、みんな手放してしまった。そんな感じのわたしのオケコン。
神奈川フィルのナイスな演奏を聴いて俄然、ハイティンク盤を聴いてみようと思った。
まず、1960年、いまから50年以上前の録音とは思えない、音の素晴らしさ。
あのコンセルトヘボウのホール・トーンはしっかり捉えられており、音の厚みと繊細さも申し分なく、弦のもこもこ感は多少あるにしても、このオーケストラならではの柔らかい音色と、各楽器の響きがとても美しい。
このコンビのブルックナーとマーラーの一連のフィリップス録音と同じ延長上のものです。
アメリカやドイツのオケのような優秀な機能美で聴かせる演奏でもなく、バルトーク的な鋭利さやマジャール的な粘りもない。
中欧的、汎ヨーロッパともいうべき、中庸を得たスタンダートな音色といっていいでしょうか、ここにはそんな美しい佇まいの、ある意味濃厚なトーンが聴かれるのです。
どうしても散漫に聴き終えてしまう私のこの曲への接し方。
真ん中の3楽章にピークを据えて、前後対照に聴いてみました。
深刻さとシャープさが際立つ、1楽章と終楽章。
ユーモアあふれるリズミカルな2楽章と4楽章。
静的かつミステリアス、絶望的な今際の美を感じる3楽章。
こんな風な構成感をしっかりと、じっくりとジワジワ感じさせるハイティンクの指揮。
ずっと後年の「青髭公の城」では、さらのその構成感が緻密に、ピーク設定も鮮やかに決まる名演となっているのですが、そこではベルリン・フィルという名器が輝かしすぎるという超贅沢な難点も抱えるのでした。
やはり、ハイティンクにはコンセルトヘボウ。
今週は、このコンビをいろいろ聴いてみようか。
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コメント
お早うございます。遅まきながら演奏会観劇お疲れ様でした。イギリス音楽やウィーン世紀末音楽を吃驚するほど沢山聴いておられるブログ主様でも苦手な曲ってあるのですね。ベートーヴェンの皇帝とヴァイオリン・コンチェルトが苦手でいらっしゃることは過去記事で知っておりましたが…オケ・コン、私は大好きなのです。中学時代にショルティ指揮シカゴのLPを買って以来ずっと好きです。セルとクリーヴランドの演奏も好きです。カラヤンは少し期待はずれでしたね。オケは並外れて上手いのですが、ワーグナーやR・シュトラウスをやるようなノリでバルトークをやってしまっているような気がして…ハンガリーの指揮者がアメリカや欧州のオケを指揮したダイナミックな演奏に惹かれるようです。しかし、ヤンソンス、ブーレーズ、デュトワといった名だたる名盤を手放されるとは…オケ・コンフェチの私にはもったいないことに思えます。ハイティンクは父ヤルヴィやマリナーに匹敵する録音魔で全集魔ですが、オケ・コンも録音していたのですね。知りませんでした…コンチェルトはやはりアバドとポリーニです。この2人に第3コンチェルトをルツェルンあたりでやって欲しいですね。
投稿: 越後のオックス | 2013年7月 3日 (水) 10時50分
越後のオックスさん、こんばんは。
オケコンは、中高時代、ブーレーズの演奏の影響もあって、はまっていたのですが、社会人になってからはさっぱり。
青髭と弦チェレは大好きなのですがね。
あと弦楽四重奏も、聴かず嫌いかもしれませんが、ちょっと苦手・・・。
バルトーク自体がどうもダメかもしれません。
しかし、ライブで聴くオケコンは、実に面白かったです。
各奏者が、あんな風にこんな風に、音を聴き合いながら橋渡ししてゆくさまが目で確認できて、耳で聴いたわけですから。
ハイティンクのこの盤は、多分にオケの魅力あってのものですが、共同作業的な生業がこの後もますます磨きがかかって行くわけです。
アバドもポリーニも、バルトークは卒業しちゃったみたいな感じですが、若い頃の記録にも、ふたりとも3番の演奏記録はないようです。
実現したら夢のようですね!
投稿: yokochan | 2013年7月 3日 (水) 23時22分