プッチーニ!
警戒するに足ることはないけれど、いまこのときの首都圏は静かなものです。
台風はもう勘弁して欲しいけれど、自然の猛威にはかないません。
あらためまして、注意を呼びかけますとともに、被害に合われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
こちらは、春もみじ。
空が明らかに、秋じゃないですね。
この鮮やかな色を作り上げるのも、自然のなせる技です。
このところ、プッチーニを聴いてないことに気が付き、無性に聴きたくなり、かといってオペラ全曲というわけにもいかず、これまでブログでも取り上げたお気に入り4枚を、とっかえひっかえ聴いてます。
気の多いわたくしですが、やはりオペラのジャンルが好き。
そして、ワーグナーとヴェルディ、モーツァルトに、R・シュトラウスとプッチーニ、そしてブリテンに、ツェムリンスキー、ベルク、シュレーカー、コルンゴルト。
ブログでは、ワーグナーはもちろんのこと、R・シュトラウスとプッチーニのオペラは全部取り上げました。
ブリテンとできればヴェルディも年内には完成したい。
プッチーニの、煌めきと甘味なる響き、そして人の情に訴えかける登場人物たちの悲しみを伴った所作。
「お涙頂戴」を超えたところにあるプッチーニの音楽の音楽史的な存在感、すなわち、マーラー、R・」シュトラウスにも通じるイタリア世紀末・後期ロマン派としてのありよう。
斬新なるオーケストレーションと和声。
ドラマや声ばかりに気を取られてると、オーケストラがやっていることの凄さを見過ごしてしまう。
それを強く感じさせるのが、カラヤンやメータ、マゼールらのオーケストラ指揮者によるもの。
ジュリーニや、アバド、ムーティがプッチーニに対して消極的なところが面白いです。
今日は、あまりテカテカしていない、真摯な歌声でもって、声を主体にプッチーニを聴いてみました。
カリーネ・ババジャニアンというアルメニア出身のプッチーニ歌い。
彼女は新国での蝶々さんで、いたく感激した。
日本的な所作を生真面目に、楚々とまでに受け入れ演じてました。
ご覧のとおりの美人さん。
清潔で、真っすぐな歌、少しの色気を漂わせて、とっても凛々しく素敵な蝶々さんや、リュー、マノンを歌ってます。
彼女のその後が、あまりないのが残念。
蝶々さんの、最後のシーンには、泣かされます・・・・。
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プッチーニのテノールも最高の聴かせどころばかり。
三大テノールはメジャーにすぎて、聴きあきたし、耳に付きすぎのときは、ハンガリーのシャーンドル・コーンヤがいい。
もう一時代前のテノールだけど、今夜はコーンヤだ。
プッチーニも、ヴェルディも、ワーグナーも素敵なコーンヤだ。
NHKのイタリアオペラでも来日して、ドン・カルロをうたったし、バイロイトでは、ローエングリンとマイスタージンガーとパルシファル。
そんなコーンヤが歌うプッチーニは、リリコスピントであり、ヘルデンなのだ。
もしかしたら、ルネ・コロと同じような声質。
コロのプッチーニもきっと素晴らしいと思う。
独語録音あるけど、お蔵入りのまま。聴いてみたい。
コーンヤのプッチーニは、すべて好きだな。
ロドルフォからカラフまで、なんでも歌える。
このCDのオーケストラが、ヴォットとフィレンツェで、目も覚めるほどに素敵すぎるんだ。
泣けるぜ。
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こちらは、女声ばかりのガラコンサート。
ヴェニャチコーヴァ、グルベローヴァ、マルトン、G・ジョーンズ。
もう何もいえねぇ、大物たちの至芸に、心ときめかすばかり。
グルベローヴァは、プッチーニ向きじゃない。
でも、ほかの3人は素敵。
ヴェニャチコヴァのエドガーは泣けた。
そして、グィネス・ジョーンズのトゥーランドットには鳥肌が立つ。
圧倒的な声の強さと、その強さにある魅惑的な女性としての魅力は、デイムに相応しい凛々しさと、奥ゆかしさがある。
その声への好悪はあることは存知あげつつも、わたくしは、G・ジョーンズは大好きです。
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そして、最後は、プッチーニのオーケストラを最高に表現できる指揮者リッカルド・シャイーの伝説的な名盤。
シャイーはこの若き日々が一番よかった。
それも、ベルリン放送交響楽団とのコンビが。
怜悧でありながら、親密で、歌も音の厳しさも、すべてがきっちり備わっていた。
泣けるほどに美しいプッチーニがここにあります。
一番好きなのは、「マノン・レスコー」の間奏曲。
あまりの甘味さと、それを惜しげもなく開陳するこの演奏に、全身がとろけてしまう。
「交響的奇想曲」「交響的前奏曲」のふたつのシンフォニックな作品も、胸を焦がすほどに好きです。
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あぁ、プッチーニ。
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コメント
プッチーニ、と言ったら、最近は、淡い黄橙色のミニ南瓜。独特の甘みがあって、電子レンジで加熱でも十二分に美味しい’かぼちゃ’を、指してしまいます。
今が、収穫時期の最中になる頃です。手のひらサイズのかぼちゃです。
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音楽の、プッチーニ、新派劇みたいに感じてます。最近、西部の娘、ばっかり、聴いているような。。。
投稿: Tantris | 2013年10月26日 (土) 08時23分
コーンヤですね!わかります。テナーの魅力って一度その人に捕まえられると、もう逃げられない。私は昨夜コレルリにヤラレました。さまよえる様のコーンヤ!さっそく聴きました。
これは捕まえられます。コーンヤの声は聴き手の心をとらえる、とらえて離さない。聴き手はその魅力のとりこになり捕らえられたらその至福の時を味わうことになる。
アブナイアブナイ^^;
モナコ命の名前を冠していながら、いかんいかん。
プッチーニの和音進行もモティーフの処理も管楽器や弦楽器のオーケストレーションも音色作りも独特ですよね。
こちらも一度捕まえられたら逃れることができない。本当に幸福な拘束状態です。
投稿: モナコ命 | 2013年10月26日 (土) 16時11分
プッチーニでかぼちゃが来るとは思いませんでした(笑)。
かぼちゃが美味しい季節になりました。
煮込まなくてもいいのが良いですね。
そして本家プッチーニ、しばらく遠ざかると、無性に聴きたくなるんです。
投稿: yokochan | 2013年10月27日 (日) 09時42分
モナコ命さん、こんにちは。
コンヤは最高です!
力強さよりは、優しさや儚さも感じるコーンヤの声。
わたしも大すきです。
ドミンゴのようにテカテカした声は飽きがきますので、コーンヤさんは味わい深くて実によいです。
じつは、コレルリを聴こうか迷ったのですが、プッチーニなら、ということでコーンヤです。
プッチーニによる拘束状態は、ワーグナーやヴェルディの呪縛とも違う、Rシュトラウスチックな幻惑的な拘束でございます。
投稿: yokochan | 2013年10月27日 (日) 10時12分