武満 徹 「秋」 沼尻竜典指揮
金沢の兼六園。
雪吊りもあって、この画像は数年前の12月。
ちょっと冬枯れが寂しく、妙に風情があります。
年々、寒暖の差が激しくなって、夏と冬の割合が増していると思います。
それが今年ほど強く感じます。
春も秋も、ほんのちょっとしかなかった・・・・。
困ったものだ。
明確な四季がってこそ、日本の風情なのだから。
武満 徹 「秋」
~琵琶、尺八、オーケストラのための~
尺八:横山 勝也 琵琶:中村鶴城
沼尻 竜典 指揮 東京都交響楽団
(1996.7 @芸術劇場)
武満徹の日本楽器、琵琶と尺八のための作品といえば、いうまでもなく、「ノヴェンバー・ステップス」ということになりますが、オケを除いた「エクリプス」とともに、その姉妹作ともいうべき作品が、同じ編成による音楽。
1973年の作曲で、その初演はいつ、どこでだかブックレットには書いてません。
武満作品は、存命中は、あまりに普通に演奏会にかけられ、しかも初演も、ごくふつうに巡り合うことができたから、知らぬ間に聴いている、ということが多い。
でも、この「秋」は、この沼尻盤が初聴きだし、ほかの演奏もないのでは。
ノヴェンバー・ステップスが、和と洋、すこしおっかなびっくりなコラボレーションの中に、絶妙の緊張感の美を孕んでいたのに対し、こちらは、和楽器も、西洋オーケストラにしっかり組みこまれ、馴染んでいて、でもそれがごく自然で、オケをリードする形で、ソロをオケが聴きながら、武満サウンドを微細に変幻させながら着いてゆく・・・とのそんな風情にあふれた音楽に感じました。
解説によれば、和楽器ふたつにも、ちゃんとした楽譜が書きしるされているとありまして、これはもう、横山勝也&鶴田錦史の独壇場じゃなくて、それを受け継ぐ和楽器奏者たちを念頭にもおいた普遍作品ともなっているのでした。
色彩的ですらある、この「秋」に、日本の静謐な秋も重ねることができますが、それは同時に、劇的な季節の変貌の一瞬であるいまの「秋」終りをも、わたくしには符合させることもできるのでした。
それほどに、ときに劇的な武満作品です。
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コメント
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投稿: moncler coats | 2013年11月28日 (木) 22時18分