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2014年9月16日 (火)

ベルリオーズ 幻想交響曲 ケンペ指揮

Hamamastucho201409_2

遅ればせながら、9月の小便小僧。

粋なはっぴをまとって、小便の勢いも一直線。

広義な意味での、秋祭り。

夏祭りは、お盆にまつわる祭りということで、帰ってきた祖先の御霊と相楽しむような、イヴェント的な要素が強く、華やかでありますね。

秋祭りは、収穫の感謝を捧げる祭りでしょうか。

ですから、地域性もさまざまで、11月まで、秋祭りはあります。

わたしの住まう、自治会では、毎年12月の第1日曜日が秋祭りということで、ついでにクリスマスまで強引にくっつけちゃう。

Hamamastucho201409_b

後ろ姿。

かわいいね。

足袋もすばらしい、まいどながら、いい仕事されてます。

Berlioz_kempe

 ベルリオーズ   「幻想交響曲」

   ルドルフ・ケンペ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

                  (1959.5 @ヘドヴィッヒ教会、ベルリン)


「ケンペの幻想」、なんか、あんまりイメージなかったけれど、ドイツの本流みたいなケンペだけど、かなり器用な指揮者だったし、なんたって、R・シュトラウスのスペシャリスト。
複雑難解なシュトラウスの音楽を、意外なまでに軽快な棒さばきで持って、すっきり・くっきり聴かせることができたケンペ。

ワーグナーにおいても、重厚長大でなく、音を大切にしながらも、重たすぎないノーマルな演奏を聴かせてくれてました。

晩年の、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーなども、みんなそう。
個性のなさを、云々せずに、その音楽の素直なあり方こそを評価すべき、安心すべき名指揮者でしたね。

1910~1976、あまりに早すぎたその生涯。

あと20年存命だったら、オーケストラ界は、まったく違うものになっていたかもしれません。

ドレスデン生まれで、関係の深かったオーケストラは、当然にドレスデンのシュターツカペレ。
そして、ウィーン、ミュンヘン、チューリヒ、ロイヤルフィル、BBC、そしてベルリンです。
そこに、アメリカのオケも加わったりすることを夢想するのも楽しいこと。

こんな経歴のあるケンペですから、ベルリオーズも難なく、むしろ軽やかに仕上がってます。
繊細で、こまやかなまでに、静かな部分が美しい。
テンポを揺らさずに、克明な音の表出が目立つから、速い場面でのゴツゴツ感がありますが、それでも、音楽はしなやかですよ。

瑞々しい1楽章と、普通に気持ちいいワルツ。
田園のような3楽章。
少しもうるさくない断頭台は、ちょいと真面目すぎで、おもろくない。
同じく、おもろくないといえば終楽章だけど、音楽の彫りが、ほんと深い。
カラヤン時代初期のベルリン・フィルだけど、カラヤンの方が、腰が重く、重厚に感じるのは、録音のせいだろうか。
でも、この楽譜をそのまま音にした感は、とても新鮮なのです。
 4,5楽章は、多くの指揮者が、ここぞとばかり、がんがんごんごん行くんですが、このケンペ盤は、まったくの王道。
 ごく普通の熱狂しないエンディングに、妙に感激してしまうのでした。

それでいて、音の質量は軽く、明るいのでした。

面白いな、こんな幻想も。

そして、録音時49歳のケンペ。

ドレスデンとも、後に、この曲をやって欲しかったな。

Kempe

一度も、日本にはやってくることのなかったケンペ。

札幌冬季オリンピックのとき、夏のミュンヘンとの互恵で、ミュンヘンフィルがやってきたのは1972年。

音楽監督ケンペは体調不全で、当初から予定されず、代わりに、ノイマンが来るとのことでしたが、ノイマンも東側の事情でダメになり(だったと記憶します・・・)、結局、フリッツ・リーガーという、オペラの大ベテランが随行しました。

夏のミュンヘン五輪で、イスラエル選手・関係者が、パレスチナ武装グループによるテロに合い、ハイジャックの末、双方、多数の死者を出すという惨事が起きました。
 2月の札幌のあとを受けての夏のミュンヘンでした。

犠牲者への追悼式が、五輪のスタジアムで行われ、そのとき演奏されたのが、英雄交響曲の第2楽章。
地元ミュンヘンフィルを指揮したのが、ルドルフ・ケンペでした。

中学生のわたくし、それをテレビで見てました。

地域の紛争が、いまや、世界レベルで拡大しつつあると思います。

あのときの、ケンペの指揮したベートーヴェンの教訓が、いまに至るまで、まったく活きておりません・・・・・

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