ヴォーン・ウィリアムズ コンチェルト・アカデミコ シリトー
すすきの穂もだいぶ垂れてまいりました。
日に日に、秋は濃くなりつつありますな。
佐倉あたりの風景です。
ヴォーン・ウィリアムズ ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲
~コンチェルト・アカデミコ~
Vln:ケネス・シリトー
ブライデン・トムソン指揮 ロンドン交響楽団
(1987.11 @ロンドン)
ラルフ・ヴォーン・ウィリアムズ(RVW 1872~1958)の唯一のヴァイオリン協奏曲。
多くの作曲家にとって、ヴァイオリン協奏曲は、必須のジャンルで、シンフォニストだった、ブルックナーとマーラー、オペラ作曲家だったワーグナーとヴェルディ、プッチーニには、貴協奏曲作品は一切ありません。
英国の多くの作曲家は、特定のジャンルに特化した人は少なく、概ね、多くのジャンルにその作品を残していると思います。
そんな中でも、RVWは、規模の大小はあるものの、多数の協奏作品を書きました。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、オーボエ、チューバ、ハーモニカなどの作品たちがそれです。気がつけば、あんまり聴いていませんでしたので、今後徐々に聴いて行こうと思ってます。
さて、ヴァイオリン協奏曲は、16分ほどのコンパクト作品で、編成も小編成の弦楽オケのみ。
1924年、交響曲でいえば、3番〈田園)と4番の間ぐらい。
そのスタイルは、バッハを意識させる古典的な佇まいをもったもの。
それゆえに、「コンチェルト・アカデミコ」と呼ばれることもあるわけです。
リズミカルななかにも、ときおり、立ち止まって懐かしい思いを吐露する、そんな風情がいい第1楽章。
第2楽章は、いかにもRVWらしい、抒情と連綿たるノスタリジーの極まりを堪能できる、素晴らしい音楽。
これは、ほんとうに美しいです。
秋の日に、ぴったり。
「揚げひばり」が好きな方は、きっとお気に召すはずです。
3楽章は、プレスト。
ジーグのリズムでもって、民俗的なムードでもって、一気に聴かせてくれ、最後は、こっそり静かに終わる洒落た音楽です。
ブライデン・トムソンのRVW全集は、交響曲の余白に、こうした協奏作品や、合唱作品がカップリングされていて、とても重宝してます。
演奏も、それぞれ万全で、録音もよく、オケも上手くて、文句なし。
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コメント
RVWは5番の交響曲を中心に集めて聴いており、この曲はプレヴィンLSOの田園交響曲の余白に収録されていました。これまで、交響曲と有名な管弦楽曲以外は聴き飛ばしてしまっていましたが、今回クラヲタ様の記事に触発されコンチェルト・アカデミコをきちんと聴き、第2楽章のノスタリジーの極まりを堪能することができました。誠にありがとうございました。
投稿: faurebrahms | 2014年10月27日 (月) 05時55分
faurebrahmsさん、こんにちは。
わたくしも、じつは、交響曲と有名オケ作品ばかりでしたが、素敵なオペラの数々に開眼し、どこをどうとっても、RVWらしい響きのする、その音楽の数々に目覚めました。
そんななかで、この作品の緩徐楽章は、極めて美しいものでした。
ご賛同いただきまして、ほんとうにうれしく思います。
これからも、RVWは、いろいろ聞いて行きたいと思ってます。
投稿: yokochan | 2014年10月27日 (月) 21時39分