モーツァルト セレナータ・ノットゥルナ スウィトナー指揮
池袋にいた、カワイイ雪だるまイルミ。
LEDの進化により、ほんと、今年は、イルミネーションのバリエーションが広がり、各所で、鮮やかな装飾がほどこされてますよ。
電気代も半分以下に抑えられるLEDあってのもの。
今夜は、ほのぼのモーツァルトを。
モーツァルト セレナード第6番 「セレナータ・ノットゥルナ」
オトマール・スウィトナー指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
(1960 @ドレスデン)
ジャケット画像は借り物ですが、実家のレコード棚には、同じレコードが眠っております。
ジャケットに、いきなり、シンプルに、日本語表記と簡単な解説の載せちゃうという、リアルなフィリップス系のシリーズでした。
東独系の演奏と録音が、日本コロンビアを中心に出始めたのは71年頃で、なかでも、ドレスデンでのスウィトナーが、まさに彗星のように登場したのもその頃です。
ちょうど、N響への客演があったときで、あの木訥とした指揮ぶりなのに、オーケストラが反応して、夢中になって演奏して、爆発的な第9を聴かせてくれたのも、71年のこと。
テレビで観て、よく覚えてます。
第9や、モーツァルト、そしてワーグナーを演奏してました。
以来、すっかりおなじみになったスゥイトナーさん。
亡くなってしまって、もう4年だし、日本に来なくなって、20年ぐらいが流れましたが、何故だか、いつも日本にいて、あの指揮ぶりを垣間見せてくれてるような気がします。
N響との共演や、ベルリン国立歌劇場でのオーケストラピットでの指揮、それぞれを実演やテレビで、何度も何度も体験し、ほんとに親しい存在でした。
同じような存在は、サヴァリッシュとシュタインですね。
この3人のSのつく名指揮者たちは、いずれも、ドイツのオペラの本流で、しかも偉大なるワーグナー指揮者でした。
ベルリンのシュターツオーパーの指揮者になる前、スウィトナーは、併行的に、ずっと、ドレスデンの指揮者でした。
インスブルック生まれのオーストリアの指揮者が、東ドイツのカチカチで、克明な演奏様式のオーケストラと長らく蜜月だった。
これは、まさに反作用の効果で、見るからに曖昧で、素朴な指揮ぶりのスウィトナーの持ち味である、柔和さ、柔らかみが、東ドイツのオケに見事に受け入れられ、見事なプラス反応を起こした。
それは、オペラのオーケストラだったから出来たことだったかもしれません。
スウィトナーが、西側のオーケストラでは、あまり成果をあげられなかったのも不思議なことですが、あの一面、へたくそな指揮ぶりが、機能的なオケには耐えられなかったのでしょうか。
繰り返しますが、日本のオケの拝独的な姿勢と、柔軟性こそが、スウィトナーの音楽性を引き出した稀有な組み合わせかもしれません。
1776年、貴族ないしは、お金持ちの方からの依頼で書かれた、この「セレナータ・ノットゥルナ」は、管楽器を除いた、弦とティンパニだけの、可愛らしい作品。
娯楽的な音楽で、ともかく明るく、伸びやか。
しかめっつらのベームの演奏も好きですが、スウィトナーの、微笑みあふれた演奏も大好きであります。
いまの演奏スタイルからしたら、時代めいて感じ、弛緩して聴こえるかもしれません。
でも、ドレスデンのいくぶん古風な、当時の味わいを活かしつつ、平々凡々とした、のんきな雰囲気が、ともかくなごみます。
ですから、これはりっぱな個性であり、いまどきも、今後も、きっと再現できない音楽の立派な表現のひとつに思いますね。
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コメント
久しぶりにお便りをいたします。このレーコードにはいっぱいお世話になりました。ソニーのプレーヤー、サンスイのアンプ、スタックスのイヤースピーカー(スピーカーが買えなかった!)で毎晩聴いた高校時代を思い起こしました。ありがとうございます。特に29番の演奏、今でも私の心に響いています。今の古楽器演奏からは想像もできないぐらい遅いテンポで、DSKの響きはセピア色の写真を眺めるようなくすんだ感じ! 演出を施すことなく淡々と全曲が過ぎ去っていく演奏だったように思います。CDで探しましたが見つかりませんでした。
投稿: ornellaia | 2014年12月17日 (水) 11時24分
ornellaia さん、こんにちは。
たぶん、似たようなご世代ですね。
29番も、思わず、ゆったりとくつろいで、昼下がりなら、ゆったりと昼寝をしたくなるような、そんな演奏でした。
わたしも、29番は探しましたが、ベルリンクラシックのレーベルでもありませんので、完全な盲点になってるかもしれません。
おなじく、フォンタナの廉価盤で親しんだ、シュミット女史とスウィトナーの21番のピアノ協奏曲もCD化されていないと思います。
いずれも懐かしの、そして、思い出の名盤です・・・
投稿: yokochan | 2014年12月18日 (木) 00時03分
yokochan様
このお懐かしいfontana盤に収められた演奏、Berlin・Classicsとタワー・レコードのコラボ復刻で、再び世に出て居るようです。
交響曲第29番→『0301396BC』(4CD)第28~36番、第38~41番の交響曲集
『アイネ‥』『‥ノットゥルナ』→『0301617BC』(2CD)モーツァルト管弦楽曲集+ビゼー/ハ長調交響曲
A・シュミットとのモーツァルト/Pf協奏曲第15&21番も、『0302849BC』で、再発して下さって居るようです。
投稿: 覆面吾郎 | 2022年9月21日 (水) 20時56分
タワレコのサイトで確認してまいりました。
名盤コジも復刻ですね。
情報ありがとうございます。
しかしながらSACDなので高価格ですね。
当方、高級オーディオシステムではないので、通常盤も出して欲しいものです。
投稿: yokochan | 2022年9月22日 (木) 08時46分
yokochan様
その点、確かにしゃくに触ると申しましょうか、忌々しいですよね。タワレコ復刻で買い直しました、セラフィン指揮のシミオナート他の『カヴァレリア‥』も、既に入手済みの外盤と比べて、さほど際立った差違は、感じられませんでしたので。
投稿: 覆面吾郎 | 2022年9月22日 (木) 09時28分