ベルリオーズ 幻想交響曲 ミュンシュ指揮
今月、5月の小便小僧クンの写真を撮り忘れてしまいました。
よって、今年、2015年5月は欠番します。
過去4年間の5月をレヴュー。
まずは、2011年、震災の2カ月後・・・・。
2012年5月。
2013年5月。
2014年5月は、変化して、桃太郎コスプレ!
今年、電車の中からチラ見したら、兜と鯉のぼりしょってました。
そして、ツキイチ幻想。
ベルリオーズ 幻想交響曲
シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団
(1962.@ボストン)
名指揮者シャルル・ミュンシュ(1891~1968)は、ご存知のとおり、ベルリオーズを得意にし、多くの録音も残しましたが、そのミュンシュに若き日に師事した、小澤さんも、ベルリオーズをレパートリーにして、師のボストン響の音楽監督を長く務めたことは、ご存知のとおり。
ミュンシュの幻想は、いま、5ないしは、6種類の録音が残ってますが、そのうち、代表的な3つのスタジオ録音のみ聴いてます。
パリ管ライブや、ハンガリーの放送録音は、聴いたことありません。
そして、新旧ボストンと、EMIパリ管の中で、とびきり一番の演奏が、ボストン新盤62です。
旧盤は勢いがありますが、録音も含めて荒い。
パリ管盤は、自在さが増したのと、新生オケとのやる気のエモーショナルが、熱く燃えた演奏になっておりますが、EMIの録音が好きじゃない。
そのパリ管より、さらに激してるのが、ボストン62。
おまけに、RCAのボストン録音の中でも、とりわけ素晴らしい音で、とても50年以上前のものとは思えない生々しさと、音の力感、分離のよさが際立ちます。
もともとの演奏がそうだからなのですが、低音のうなりをあげる迫力を、まともに捉えているところも、この録音の素晴らしさです。
しかし、すさまじい迫力。
ミュンシュの指揮の一本義な熱さ、縦割りにキレのいいド迫力サウンドは、聴いていて、人を思いきり夢中にさせてしまう情熱の爆発に、タジタジになってしまう。
ちょうど、ベイスターズが、曲の途中で、サヨナラ勝ちをしたもんだから、その興奮も乗り移って、自分の中で気分大高揚、すごいことになってしまった、終楽章サバトのシーン。
息つく間もない一気ぶりに、思わず、笑いがこみ上げてくる。
最後の、途方もない大迫力のエンディングは、パリ管でも、旧盤でもそうですが、かなり音を伸ばします。
そんな迫力シーンばかりでなく、ミュンシュのオシャレなところは、舞踏会のワルツのセンス溢れる歌い回しや、1楽章にあらわれる、恋人の主題の緩急の付け方。
そして、もうここ数年、この曲で一番好んでる静かな田園風景の、おっとりした中にも、不穏な影を潜ませる味わいの深さ。
ベルリオーズの狂気が、そのままミュンシュの棒に乗り移ってしまったかのような、凄まじさと、熱気と情熱に溢れた演奏。
アメリカ的な派手さやにぎにぎしさに陥っていないのは、ヨーロピアンなボストン響の響きあってのもの。
そうそう、ホールの外の車の音も、ちゃんと聴こえる優秀録音なんですよ。
以上、おしまい。
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コメント
こんにちは
幻想交響曲というと中学生の時にテレビでマルティノンがNHK交響楽団を指揮したものを聞いたの最初でした。
その頃はまだ交響曲というと「運命」「新世界」くらいでしたから幻想を聴いた時には,こんな交響曲もあるのかと無性に欲しくなり、翌日近くのレコード屋に行きました
そして、何も考えずに買ってきたのが同じジャケットのミュンシュ盤でした。
以来50数年の時が過ぎ幻想交響曲自体をまったく聴かなくなり、このLPも久しく、多分30年以上は聞いておりません
しかし。。。
ホールの外の車の音も、ちゃんと聴こえる優秀録音なんですよ
急に聴きたくなりました(笑
投稿: パスピエ | 2015年5月24日 (日) 10時27分
パスピエさん、こんにちは、ご返信遅くなってしまいました。
さすが、マルティノンN響をご存じですとは!
当時の音源も復刻されてますが、映像はお目にかかれませんね。
わたくしも、NHKのテレビからはじまり、FM放送で触発され、いくつもの、音楽への開眼の恩恵に処しました。
いま思えば、ありがたい存在ですね。
幻想は、いまだに探求中ですが、ミュンシュのこの盤は、そうとうに、上位レヴェルの名演奏だと思います。
お外の音も含めて(笑)
投稿: yokochan | 2015年5月27日 (水) 22時34分