ストラヴィンスキー 「火の鳥」 ハイティンク指揮
真夏の、芝増上寺。
盆踊り祭りが行われてまして、散歩がてら、東京タワーと夕焼けの見物に行きましたら遭遇しました。
境内には、所せましと、出店が。
石焼きピザの店は、本物の窯があって焼いてるし、浜松町にある日本酒センターも出店して、効き酒セットなるものもやらかしてるし、お隣のプリンスホテルも、美味しそうなケータリングしているぐらいだから、ともかくグルメなのでした。
しかし、暑い、しかも湿度高い!
ストラヴィンスキー バレエ音楽「火の鳥」
ベルナルト・ハイティンク指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
(1973.11 @ロンドン)
暑いから、先週のハルサイに続いて、ストラヴィンスキーのバレエ音楽を聴く。
なぜ、暑いからか・・・
わかりませんが、ストラヴィンスキーの、とくに三大バレエは、夏向きの音楽に感じます。
とくに、ハルサイとペトルーシカはね。
「火の鳥」は、夏と冬かな。。
あくまで、わたくしのイメージにすぎませんがね。
そして、今宵は、先だっての「メータのハルサイ」に続きまして、70年代ものを。
最新の演奏の音盤は、ほとんど聴かなくなってしまった、哀しみのノスタルジーおやじです。
かつて、慣れ・聴き親しんだ演奏ばかりを聴き、そして、購入してます。
新しい演奏は、ネットで、世界中のそれこそ、イマの演奏を確認できます。
そして、一番大きいのは、アバドを見守り続けてきた自分にとって、アバドが召されてしまったあと、現存指揮者では、ハイティンクとマリナー、プレヴィンぐらいしか、ファイヴァリットの対象がいなくなってしまったこと・・・・・
新しい録音が、ライブでしか成し得ず、しかも新録が編成の大きなものでは激減してしまった。
かねての、レコードヲタクは、CDの復刻ものと、生の演奏会にしか、楽しみの活路を見いだせなくなってしまっているんです。
あぁ、悲しい~
そんななかでの、大いなる喜びのひとつが、「ハイティンクの火の鳥」。
ようやく入手しました、ロンドンフィルとの旧盤。
ハイティンクの「ストラヴィンスキー三大バレエ」は、70年代のロンドンフィルとのものと、ほぼ90年頃の、ベルリンフィルとのもの、ふたつが録音として残されてます。
レパートリーが広く、どんな曲でも器用にこなすことができるハイティンクにとって、ストラヴィンスキーは、若い時から、お手の物で、コンセルトヘボウでも、30代の若き「火の鳥」の組曲版が残されてます。
40代にあったハイティンクと、当時の手兵のひとつロンドンフィルの、こちらの演奏は、かねてより聴いてきた、思わぬほどの若々しさと俊敏さにあふれた「ハルサイ」と同じくして、ダイナミックで、表現力の幅が大きく、細かなところにも、目線が行き届き、仕上がりの美しい、完璧な演奏になってます。
LPOのノーブルなサウンドは、コンセルトヘボウと同質な厚みと暖かさを持っていて、ハイティンクとの幸せなコンビの絶頂期と思わせます。
フィリップスの相変わらずの、録音の素晴らしさも手伝って、まるで、コンセルトヘボウです。
これこそが、ハイティンクの指揮者としての個性になっていったのでしょうね。
豊かな弦の馥郁たる音色と、オケ全体の分厚さと高貴な味わい。
マイルドな木管と金管。
全体の色調は、渋色暖色系。
切れ味は、昨今の技量高き演奏からすると物足りないかもしれませんが、先に書いたとおり、味わいある「火の鳥」として、存在感ある1枚かと思います。
それでもって、カスチェイの踊りにおける、疾走感とリズムの取り方の鮮やかさは、なかなかのものだし、場面場面の移り変わりも絶妙。
終曲の晴れやかさも、素晴らしくって、心の底から、感動できたし、爽快なエンディングの典型を、なにげに描きあげているところが、さすがにハイティンクと実感しましたよ。
ベルリン盤は、未聴です。いつかまた。
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