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2016年12月23日 (金)

プッチーニ 「トスカ」 テ・デウム

Shinagawa_1

品川の新スポット、品川シーズンテラス。

規模はそんなに大きくないですが、東京タワーを遠くにまっすぐ望む位置に、イルミネーショイン。

ベルを鳴らすと、色が変化します。

Shinagawa_6

色違い。

駅から少し遠いので、人も少なめ。
Tosca_1    

 今日、12月22日は、プッチーニの誕生日。

いまから、158年前です。

プッチーニ大好き。

イタリアオペラでは、ヴェルディも好きだけど、数が多すぎるし、作品にムラがありすぎる。
しかし、偉大なヴェルディ。
 そして、プッチーニは、作品数がそんなに多くないから、そのすべてを把握できたし、そのすべてが好き。

蝶々さんのアリアから、当然のようにして入門し、テレビのディズニーかなにかの放送で、映画版の蝶々さんをみたのが初プッチーニのオペラかも。
しかし、本格的に親しんだのは、1973年のNHKイタリアオペラの公演の放送。

NHKホールのこけら落としの一環で、名歌手たちが大挙して来日して、豪華な舞台を繰りひろげた。
ベルゴンツィ、コソットの「アイーダ」、スコット、クラウス、ギャウロウの「ファウスト」、スコット、カレーラス、ブルスカンティーニの「トラヴィアータ」、そして、カヴァイバンスカ、ラボーの「トスカ」の4演目だ。

そのすべてをテレビとFMで堪能し、その前よりワーグナーに毒されていたワタクシに、イタリアのオペラの素晴らしさを植え付けてくれた。

この「トスカ」と、その年に発売されたカラヤンの「ボエーム」によって、プッチーニ熱に浮かされることとなったわけだ。

さて、名アリアと、緊迫のドラマの宝庫、そして、主要登場人物のすべてが死んでしまうという悲劇に、甘味なるプッチーニの音楽。
すべての音符が、脳裏に沁み込んでいるけれど、とりわけ好きなのが、スカルピアの「テ・デウム」だ。

1幕の最後、悪漢スカルピアは、かねてより思いを寄せていた、歌姫トスカを、計略をもって嫉妬のかたまりへと陥れる。
 まんまと術中にはまったトスカを、紳士然と送りだしたスカルピアは、自身の想いを赤裸々に歌う。
 この教会の大聖堂で演じ、歌われるこの場面は、壮大・壮麗極まりない。

この神聖な場で、邪悪で邪まな思いをぶつけつつ、周りの民衆は、主は偉大なり、神を讃えんと、テ・デウムを高らかに歌う。
やがて、スカルピアも、その祈りに唱和して、十字を切る。

この二面的な思いと、歌を見事に結びつけたプッチーニの天才的な筆の冴え!

「ヤツには死を、そして彼女は俺の腕のなかに。トスカは、俺に神を忘れさせるぞ!」

悪いやっちゃぁ~

とかいいながら、男も女もみんな一緒かも・・・、二面性を仮面をかぶって演じてる。

そんな、悪いヤツ、もしかしたら、嘘つきだけど、正直なナイスガイ、スカルピアは誰の歌が一番好き?

Tosca_calas

カラスのステレオ録音の方のゴッピ
サバータ盤は、モノだし、壮大感がちょっとなので、こちら。
実に、巧みで、トスカの心の隙に入り込む、嫌らしいスカルピアなんだ。
声だけで、千両役者。

あと、好きなのは、ミルンズのスカルピア。
プライス、ドミンゴと共演のメータ盤。
若々しく、スマートな憎々しさ。
西部劇の悪役か、ダーディ・ハリーに出てくるような70年代風のギャングみたいな・・・
そんな声量と美声のたっぷりなミルンズが好き。

そして、いがいにも、F=ディースカウの知的かつ、知能犯的な悪の結社の親玉スカルピア。
理詰めで、トスカとカヴァラドッシを追い詰める。
が、しかし、ブリュンヒルデのようなニルソンのトスカに殺されちゃう。
うまいよFD。

映像系で見ると、目の動きが歌以上にスカルピアしてるライモンディ
威力のある声は圧倒的。
ちょっとクセのあるバスの声だけど、よく練られていて、歌が実に巧み。
これもまた、悪いやっちゃ、とつくづく思う。

それから、最近では映像で見たハンプソン・スカルピア。
マフィアの親玉みたいな、表面、エリートな紳士だけど、実は真黒なダーティ野郎。
そんなスカルピアもすてきだった。

あと、希少なバスティアニーニの超かっちょええ強面スカルピアもある。
海賊盤だけど、テバルディとディ・ステファーノという強力トリオ。
実は、いい人なんじゃないか、悩みさえ抱えて感じるバスティアニーニのスカルピアは面白い。

あとあと、まだまだ、たくさんすきです、スカルピアの存在。

クリスマスにらしからぬ話題となりましたが、主を讃えん、「テ・デウム」ということで、併せて、プッチーニ讃

Shinagawa_8

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コメント

邪悪な空気満載な中にも美しきデ・テウム、やはり大好きです、麗しのスカルピア・ミルンズさま♡ わたくしの中ではスカルピアさまがお亡くなりになると同時にトスカに幕が下るくらいです。 

いつぞやのトスカの公演、恐ろしいほど幸運にもわたくしの両隣に加え前3名が一幕にいませんでした。デ・テウム一緒に歌わせていただきました^^;

投稿: moli | 2016年12月23日 (金) 01時59分

moliさま、こんばんは、そしてご無沙汰をしておりました。

そう、ミルンズがお好きだったのですね!
 2大バリトンが、ミルンズORカップチルリの世代ですので、オペラの新譜のバリトン役には、ほとんどがミルンズでした。

トスカほどの名オペラとなると、左右前後にぎっしりなのですが、極めて希少なご体験をされましたね。
この場面、思い切り歌いたい、そんな音楽ですね!

投稿: yokochan | 2016年12月23日 (金) 22時10分

yokochan様
『トスカ』全曲盤は、LPでデ・サバタ、プレートル、マゼール、CDはカラヤン(Decca旧盤)と聴いて参りましたけれども、最近ディスク・ユニオン大阪館にて、473-997-2なる番号のパヴァロッティが主演した、 プッチーニ『ラ・ボエーム』『蝶々夫人』『ラ・トスカ』『トゥーランドット』のCD9枚組を、仕入れて参りました。『ラ・トスカ』が、 レッシーニョ指揮ナショナル・フィルの下、フレーニ、ミルンズ、堂守に往年の名バスのイタロ・ターヨが歌った全曲盤です。確かに、ミルンズのスカルピア、某評論家により『いささか、ハリウッド的』と評されていたように、憎々しげなキャラの表現に、小手先の巧さが目立つ箇所もございますが、このオペラを聴き始めた人には、かえって分かりやすい解釈では、ないでしょうか。まぁ、いつもカラス&デ・サバタの1953年盤ばかりにお付き合いも少々疲れますので(笑)、叙情的な声質のトスカとカヴァラドッシに、あまり強力なコントローラーではない指揮者の、このような録音も、日頃愛でるには良いなぁ‥と、感じました次第です。

投稿: 覆面吾郎 | 2024年2月 5日 (月) 11時31分

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