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2017年12月 4日 (月)

モーツァルト フルート協奏曲 ランパル&グシュルバウアー

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11月終わりの神宮外苑。

早朝に出向いても、かなりの人出。

しかし、美しい、構図が完璧、それも調和的な美しさを持ってる。

で、写真は、光の加減が命ですな。

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        モーツァルト フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
                                             
                                                 第2番  ニ長調 K.314


        Fl:ジャン=ピエール・ランパル

    テオドール・グシュルバウアー指揮 ウィーン交響楽団

                     (1966.5 @ウィーン楽友協会)


お天気のよい休日には、モーツァルトの音楽、それもとりわけ長調の協奏曲が相応しく、明るく、ほのぼのとした気持ちにさせてくれる。
なかでも屈託のない二つのフルート協奏曲は、悩むことなく、いろいろあった一週間を収めるにちょうどいい。

1777年のマンハイム楽旅での作品。
名手に出会うことで、その楽器の神髄を引き出す作品を、いとも易々と作り上げることができたモーツァルトの天才性。
しかも、オーボエ協奏曲からの転用であるのにかかわらず、そんなことをまったくもって感じさせないところがすごくて、1番よりも魅力的だったりする。
 よく言われるように、転用という、ある意味手抜きと思われてしまい、依頼者からの報酬を減らされたとか。しかし、調性も違うし、じっくりと聴き比べをしたことはないが、譜面上の相違点もあるようである。
バッハもそうだけれど、自作に手を加え、どんどん違う作品に仕立ててしまうのがすごい。

平易で馴染みやすいメロディーに富んでいるのが2番で、構成的に全体のバランスが取れているのが1番、って感じでしょうかね。
 そして、フルート奏者、いや、思えば、すべての管楽器奏者にとって、モーツァルトの存在は、本当に大きい。
ベートーヴェンやブラームス、チャイコフスキーもドヴォルザークも管楽器の協奏曲は残さなかったから。

存在の大きさという点からすると、フルート界におけるランパルの存在も大きいです。
抜群のテクニックと艶のある美音と流麗さ。
高校時代、フルートを少しかじった自分も、ランパルは憧れの存在だった。
親日家だったこともあって、来日も多く、それも日本の隅々まで訪れてくれたし、羽織袴を纏った写真も記憶に残るところです。
そのランパルも、亡くなってすでに17年。
でもその輝かしい音色は、こうしてたくさんの録音によって残され聴くことができる。

ランパル44歳のときのエラート録音。
若々しい音色も感じる一方、ちょっと丸みをおびて感じるのは、もう古くなってしまった録音のせいかもしれない。
 同様にオーケストラの録音も、いまとなっては、いにしえ感を持つが、でも、そこにあるのは、かつてのウィーンの音色。
ウィーン響も、ウィーン独特の楽器を使っていたし、同郷の指揮者グシュルバウアーとともに、柔らかなモーツァルトの雰囲気豊かな響きを紡ぎだしている。

この音盤は、CDでなく、レコードで聴いた方がよいかもしれない。
中高生時代聴いていた演奏や響きはいまも耳に残っていて、このCDを聴いて、そのように思った次第。

それにしてもフランスは、名フルート奏者を続出しますね。
ランパル、ラルデ、デボスト、ガロワ、パユなどなど。
あとは、スイスにドイツ。アメリカはあんまりいないような気が・・・
と、最後は雑談でした。

フルートとハープの協奏曲もランパルとラスキーニで聴いておこう。

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コメント

ほー、テォドール 最近見かけないが、お亡くなりかのふ。ネットで調べりゃ一遍ですがのふ。古典派専門のお方でしたね
フルートといえば、ガッツェローニのフルートリサイタル
県立音楽堂で聞きましたな あの頃は第一次お耳ハラヒレホロハレの後・・・補聴器付で聞きましたな 曲目は全てお忘れ しかし日本の補聴器にはお世話になりましたね
リオネット一本でしたがのふ
ソニーが途中で出馬 乗り換えよーかなと思いましたが
儲からないのかねぇ 撤退しちまって・・・
まぁ、ソニーのラジカセ良かったですからね 

追伸 ガッツェローニのリサイタル 役所後援で無料でしたね 
ピェール・フルニエのチェロリサイタル。クルト・レーデルのミュンヘン・プロアルテ。これも役所後援で無料でしたなぁ・フルニエはビッコひいて会場を入退場・・・
今どきはマネーマネーで外人様は只では拝めんでしょうねぇ。

投稿: 真坊 | 2017年12月 4日 (月) 22時12分

フルートとハープの協奏曲もランパルとラスキーニで聴いておこう。

うちにありまなあ。ランパル・ラスキーヌ・バイヤール
エラートの1000円盤LP
おまけにレーデル・ミュンヘンプロアルテのディベルティメントK136
9月ごろネットから楽譜引っ張り出してナンチャッテアナリーゼしましたな いいですねぇ

投稿: 真坊 | 2017年12月 4日 (月) 22時19分

お久しぶりです。

ミャスコフスキーの交響曲の記事に

書き込みさせて頂いて以来になります。

ランパルのモーツァルトのコンチェルトは

聴いたことがまだないのです。

お恥ずかしい限りです。

高校時代から耳にタコができるほど愛聴しているのは

オーレル・ニコレとジンマンの演奏です。

ニコレは好きです。

名盤の誉れ高いリヒターの管弦楽組曲

のソロは彼でしたよね?

モーツァルトは確かに他の大作曲家が

逆立ちしても真似できないくらい管楽器の

コンチェルトの名曲を沢山作ってますね。

やはりすごい方です。

ブログ主様ほどの方ならご存知かもしれませんが、

ニールセンがフルートコンチェルトの長いのを

作っていますよね。

レニーが指揮したCDを持っているのですが、

未聴なのです。

一昨年から続けてきたK大学の通信教育の

図書館司書の勉強なのですが、

やっと卒業のめどが立ってきました。

13教科24単位必要な国家資格ですが、

10教科目のレポートをもうすぐ書き上げるところです。

努力は報われることもあるのですね。

レニーじゃないですけど、

「ライフ・キャン・ビー・ビューティフル」と

前向きな気持ちでいつも生きていたいですよね。

投稿: 越後のオックス | 2017年12月 7日 (木) 17時38分

ほー、図書館司書
第一次お耳ホニャララの時 ローバイしてのふ
図書館短期大学っての受けましたな
同じこと考える障碍者おるんだねぇ
障碍者だけ集められてお受験したのふ
ま、がんばりぃ 楽ちんそふだがのふ 一言おおいのふ

いまはデジタルAI攻勢で仕事暇暇になりましてのふ
神奈川県立図書館毎週発起ビル拝みつついっとります

投稿: 真坊 | 2017年12月 8日 (金) 22時01分

五味康祐さんの読売新聞社から出た『良い音良い音楽』と言うエッセイ集によると、フランスから一流管楽器奏者が輩出するのは、あのモゴモゴした感じにきこえなくもない、フランス語の発音が美麗な音を吹き奏でるのに、関係が在ると言う事です。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年9月26日 (木) 06時12分

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