バッハ ブランデンブルク協奏曲第5番 アバド指揮
満開の桜、あとは散るだけとなりましたこの週末。
桜の名所には驚くほどの外国の方が。
日本人のわれわれと同じように、桜を愛で、写真を撮り、その下で楽しんでいる。
桜の咲く日本が誇らしい。
そして、今週は、5月1日からの新年号「令和」の発表に日本中が沸いた。
清々しく、涼やかでもあり、また美しい語感も伴った年号だと思います。
なによりも、万葉集を由来とする点も、とても麗しい。
富める者も、そうでないものも、聖も貧も等しく万人の歌を集めた1300年以上前の歌集。
来たる新年号を思いつつ、そして30年の平成の時代、今上天皇の残りのご在位のことなどを考えつつ、爽やかな晴天のもと、桜と東京タワーを愛でつつ逍遥いたしました。
そんな気分に、バッハのブランデンブルク協奏曲、それも第5番が晴れやかでぴったり。
しかも、ちょっとギャランとな雰囲気だし。
バッハ ブランデンブルク協奏曲第5番
クラウディオ・アバド指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団
(1975.5 1976.11 @ミラノ)
Vl:ジュリアーノ・カルミニョーラ
Fl:ジャック・ズーン
Cemb:オッタヴィオ・タシトーン
クラウディオ・アバド指揮 オーケストラ・モーツァルト
(2007.4.21 レッジオ・エミーリア)
スカラ座の音楽監督だったころに、なぜか録音されたアバドのブランデンブルク協奏曲の全曲。
親しい仲間のようだった、スカラ座の面々との、和気あいあいとも感じ取れる親密なアンサンブル。
この頃、「マクベス」や「シモン」といった深刻なドラマを伴うオペラを日々上演していたコンビの、このバッハの演奏は一種の解放感のような「歌」あふれた雅さを感じ取ることができる。
スカラ座フィルハーモニーを創設し、定期演奏会も充実させたアバド。
スカラ座フィルとも、マーラーを録音して欲しかった。
2012年に奇跡のカンバックを遂げたときの「6番」の録音など、残ってないものかな・・・
スカラ座との録音の32年後、孤高の境地の境地に到達したアバドが、自ら創設したオーケストラ・モーツァルトとブランデンブルク協奏曲をライブにて再録音した。
ソロやメンバーに、ルツェルンの仲間たちを交え、若い奏者とベテランが等しく、アバドのもとに集った、こちらは凝縮された緊密なアンサンブル。
古楽奏法で、奏者も刈り込んで、透明感と弾むようなリズム感あふれる若々しい演奏。
スカラ座とのコンサートスタイルの、いわゆる当時の演奏は、あれがオーソドックなものだった。
試みに、愛聴するシューリヒトや、リヒターの演奏を聴いても、タイムの上でも、だいたい同じスタイル。
押しも押されぬ大家となっても、積極的に演奏の在り方を追い求めたアバド。
ベルリンで取り上げた、マタイやロ短調も、その晩年に指揮をしたかったかもしれません。
門の向こうに見事な桜🌸
増上寺の桜🌸
ココログが全面リニューアルして、使い勝手がいまだにわかりにくく、いまいちな週末。
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コメント
このディスク、国内LPではかつてCBS-SONYから、リリースされていたような覚えが‥。アッカルドとアルゲリッチとの共演盤と同じく、イタリアRicordi原盤でしょうか。お恥ずかしながら、未だ聴いておりませんので、演奏についての私見&コメントは、申せませんが‥。
投稿: 覆面吾郎 | 2019年11月19日 (火) 11時34分
スカラ座盤は、リコルディ社が原盤で、ご指摘のとおりCBSソニーから当時、発売されました。
この頃、アバドはロンドンでも盛んにバッハを演奏していた時期でもありまして、ヘルマン・プライとのカンタータなんて放送も記憶にあります。
投稿: yokochan | 2019年11月20日 (水) 08時27分
確かにレコーディング-レパートリーのみで、演奏家の総てが盛り込まれて居る訳では、在りませんね。B-ワルターの『音楽と演奏』と言う著書には、『マタイ受難曲に関するノート』なる章において、演奏解釈について述べられておりますし、1920年代にミュンヘン宮廷歌劇場のディレクトールを務めておいでの頃は、復活祭に『マタイ受難曲』を取り上げられて居たそうです。でも、あれだけ膨大な曲目のディスコグラフィー中、バッハの作品の商業録音は手持ちの小品一曲すらも、ないですから‥(笑)。
投稿: 覆面吾郎 | 2019年11月25日 (月) 08時12分