« コルンゴルト 「二つの世界の狭間で~審判の日」  マウチェリー指揮 | トップページ | R・シュトラウス ツァラトゥストラはかく語り ロンバール指揮 »

2019年9月28日 (土)

バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ アーヨ

Shiba-1

変わりやすい秋の空。

ちぎれたウロコ雲も秋っぽい。

これから深まる秋に、バッハの無伴奏。

Bach-ayo

 バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ

     Vn:フェリックス・アーヨ

       (1974.12.29~1975.01.02 @ローマ)

バッハの無伴奏といえば、ヴァイオリンかチェロ。
ヴァイオリンが、ソナタとパルティータで、チェロは組曲。
その楽器の特性を見事に読み込んで、これらの形式を選択して作曲したバッハ、今さらながらその慧眼に驚きと感謝を禁じえません。
あ、あとフルートにも孤高の無伴奏ソナタがありますね。
いっとき、フルートを嗜んだものですから、そのソナタ、最初のほうだけ結構吹きましたものです。

わたくしの無伴奏の初レコードは、フェリックス・アーヨのものです。
初出のときは、高くて手がでなかったし、なによりも、今では2CDで易々と手に入るシェリングやミルシュテインのレコードは3枚組で、6000円以上もしたし。
そして、バッハのシリーズとして2枚組、2,900円で出たアーヨ盤に飛びついたのは、もう40年くらい前。

たくさんの音源を集めましたが、このアーヨ盤が今でも好き。
ソナタのほうは、入手困難で、悶々としておりますが、よりアーヨ向きのパルティータがCD化されて、ほんとにうれしかった。

イ・ムジチのアーヨ、イ・ムジチの「四季」、アーヨの「四季」という塩梅に、アーヨといえば、イ・ムジチと四季から切り離せないイメージがついてまわりますが、そのアーヨも、イ・ムジチを出てから、クァルテットを結成したり、ソロ活動をしたりと活躍の幅を広げたものの、それらの記録があまり残されていないのが残念です。

そんななかで、貴重なものが、このバッハ。
初めて、レコード針を落とした時に、スピーカーから流れだすヴァイオリンの明るく、艶やかな音色に即時、心惹かれ、魅了されてしまいました。
いま、CDでこうして聴いても、その想いに変わりはありません。
CDだと、ノイズも気にしなくてよいし、より情報量が増した感じで、ダイナミックレンジも広く、高域から低域まで、ここまでまんべんなく朗々とヴァイオリンを鳴らすことのできるアーヨに感嘆してます。

それには、フィリップス録音の優秀さも、一役買っているようにも思います。
ローマでの録音とありますが、こちらは教会を会場としてのものなのです。
豊かな響きは、教会の高い天井にこだまするようにして、教会そのものが、ヴァイオリンと一体化して楽器の一部のようにして感じられるのです。
響きばかりで、ふにゃふにゃしては決しておりませんで、アーヨの芯のある力のこもったヴァイオリンの音色もしっかりと捉えているんです。
 某評論家がかつて言ってましたが、よき演奏は、録音もジャケットもよろしい、と。
ジャケットは再発時のものですが、まさに、その三拍子が整った音盤かと!

もっと、情的なものを抜いて、構成感を高め、緊迫した演奏も、この無伴奏には多くありますが、アーヨの艶っぽい、歌心のあるバッハも、日ごろの緊張や疲れを、優しく包み込んでくれるような感じがして、わたくしには大切なバッハの姿の一面を聴かせてくれるものと思います。
長大な「シャコンヌ」では、いかつめらしさは一切なく、滔々とあふれ出る音楽を素直に受け止めることができる。
 そして、明るく軽快さも感じる3番が一番アーヨらしい演奏かも。
言葉はなんですが、普段聴きできる、アーヨの無伴奏なのでありました。

Shiba-3

高い空にバッハ。

Vivaldi-ayo

ついでに、懐かしの「アーヨ、イ・ムジチの四季」も聴いてみました。
(画像はネットからからのお借りもの)

なんというレトロ感、いやしかし、いまや、これは新鮮だ!
ムーディに流れるようでいて、各章に、心が込められていて、明るい歌のイタリア感も満載。
1959年の録音ということも、いまさらながらに驚き。
世界のベストセラーは、いま聴いても健在。
なにかとポンコツ気味の自分も頑張らなくちゃ。

|

« コルンゴルト 「二つの世界の狭間で~審判の日」  マウチェリー指揮 | トップページ | R・シュトラウス ツァラトゥストラはかく語り ロンバール指揮 »

コメント

ご無沙汰いたしておりますが、かわらぬ該博なご知識、いつも感嘆しつつ読ませていただいております。
さてバッハの無伴奏曲、 vn のソナタと組曲、vc の組曲、フルートの組曲、のお話を読ませていただきましたので、関連してちょっといたずらでございます。
バッハは「単旋律の音楽」に強い関心を持っていました。その結果が上記の無伴奏曲の数々、全部で13曲 ですが、じつは「単旋律の(無伴奏の)音楽」、もう1曲あるのですが、ご存じでしょうか。
オルガン曲です、と言えばお分かりになったことでしょう「なあんだ」 はい「ペダル練習曲 Pedal-Exercitium」BWV598 ですね。足鍵盤の練習曲で、珍しい足鍵盤の独奏曲 ではありますが、芸術なんてものではなく、いかにも無味です。13の「無伴奏曲」たちとは並ぶこともできませんが、興味深くはあります。今はネットで音楽も楽譜もすぐアクセスできますので、(まだでしたら)いちどはお試しください ふざけたお話で失礼いたしました

投稿: ういぐる | 2024年10月 4日 (金) 23時53分

ういぐるさん、コメントありがとうございます。
ご教示ありがとうございました。
ペダル練習曲、実はまったく存じ上げませんでした。
さっそくにググってみたら、上質の動画がyoutubeにありましたので興味津々で聴いてみました。
単旋律ながら、足でなんであんなことが出来ちゃうんだろ、というのが驚きとしての印象です。
教会で響くオルガンの音色は、シンプルな練習曲ながら、神々しくも感じました。
面白くて数種類視聴してしまいました。
使っていない腕を膝の下においたり、椅子にひろがたりと、思い思いの演奏ぶりも楽しかったです。
ご案内ありがとうございました!

投稿: yokochan | 2024年10月 7日 (月) 22時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« コルンゴルト 「二つの世界の狭間で~審判の日」  マウチェリー指揮 | トップページ | R・シュトラウス ツァラトゥストラはかく語り ロンバール指揮 »