« R・シュトラウス 「サロメ」 | トップページ | わたしの5大ヴァイオリン協奏曲 »

2021年12月24日 (金)

クリスマス on ボストン・ポップス

G-13

12月の街には活気が2年ぶりに訪れ、人々のマスクの下には笑顔が戻ってきました。

でも、日本に比べると海外はたいへんなことになってますね。

来年以降の外来演奏家のコンサートは黄色信号のまま。

楽しみにしていた二期会のコンヴィチュニー演出「影のない女」も中止に。。

G-09

キリスト教国でない日本でもクリスマスはこぞってお祝いします。

ワタクシもそのクチです。

クリスマス風の食事をして、クリスマスにまつわる音楽を聴きます。

今年は、ボストン・ポップスの演奏を歴代指揮者で聴いてみました。

Fiedler-christmas-rca-1Fiedler-christmas-dg-1

 CHRISMAS PARTY    (録音年代不詳 RCA)

   WHITE CHRISTMAS  (1970 ボストン DG) 

アーサー・フィードラー指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ

ボストン生まれのフィードラーは、亡くなるまで49年間にわたり、ボストン・ポップスの指揮者をつとめました。
RCAレーベルに大量のレコーディングを残し、DGがボストン響の録音を始めた70年には、同時にボストン・ポップスもDGに登場するになりました。
その後はデッカにも録音をするようになり、レーベルによって音の雰囲気も変わるようになり、まさに多彩なボストン・ポップスが味わえるようになりました。

おそらく50年代後半あたりの録音と思われるRCA盤は、まさにアメリカのクリスマス・シーンを感じさせる、むかし、アメリカのテレビ番組などで垣間見たようなアットホームな雰囲気ただようもの。
クリスマス音楽の定番ばかりがおさめられてる。
DG盤にはない、ヘンゼルとグレーテルが入っているのがうれしい
録音のほどよい古さもいい感じだ。

Fiedler

そして、DG盤は録音も格段によくなり、バリっとしたばかりか、明るく爽やか、響きも豊かで、ワクワク感も満載。
RCA盤の定番に加え、ここでは、バッハやモーツァルトが加わったのが、DGたるゆえんでしょうか。
ややムーディだけど、バッハのクリスマス・オラトリオのパストラーレが極めて美しい。
また、CDでは、76年録音のバッハの作品が数曲チョイスされてます。
両盤に共通の、ボストン・ポップスの十八番といってもいい、アンダーソンのそり遊びなんて、抜群の演奏でどちらも最高です。
そして、DG盤の最後を締めくくる、ホワイトクリスマスは、まさに聖夜の響き、静かに、じんわり、感動します。

Jwillams-boston-cristmas-1

    Wie Wish You A Merry Christmas 

 ジョン・ウィリアムス指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ

          (1980.12  ボストン)

フィードラーのあと、ボストン・ポップスの指揮者には、スクリーン界の作曲家と思い込んでたジョン・ウィリアムスが迎えられました。
そして録音レーベルも、ボストン響がそうであったように、フィリップスに移動。
J・ウィリアムスの任期は93年までですが、のちにはソニーレーベルにも録音するようになりました。
いつもフィリップス録音をほめちゃうけど、ここでもボストン・ポップスの音は重厚さを増して鮮やかに刷新されたように感じました。
J・ウィリアムスのクリスマスアルバムは、定番のメドレー集クリスマス・フェスティバルをはじめ、クリスマス・キャロルとビリー・メイの作品、ふたつのメドレー集。つまり3つのクリスマス・メロディーを中心に構成されてます。
このあたり、さすがと思わせますね。
あと面白いのは、アイヴズのクリスマス・キャロルが演奏されていること。
いずれも、きっちりした確かな演奏と感じるJ・ウィリアムスの指揮です。

Holiday-pops-1

  Holiday Pops

 キース・ロックハート指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ

          (1997.12 ボストン)

1995年からボストン・ポップスの指揮者をつとめるのは、NY生まれのキース・ロックハート。
レーベルもRCAに戻りました。
録音の印象もDGとフィリップスとも違う、落ち着きあるバランスのよい音。
ロックハートは、フィードラー系のライト・クラシックの指揮者かと思いきや、アメリカのメジャーオケは大半指揮してるし、先般もネットでチェコフィルを振ったドヴォザークやヤナーチェク、BBCコンサート管を振ったアーノルドなどを聴いてます。
幅広い活動をしているロックハートのクリスマス・アルバムは、ボストン・ポップスの伝統あるHoliday Traditionalを引き継ぎつつ、新たな目線も加えた新鮮で楽しい1枚です。
歴代が録音していたクリスマス・フェスティバルはここにはなく、ミュージカルから短めのメドレーや、RVWのクリスマス・キャロル幻想曲、ベルリオーズのキリストの幼児から羊飼いの合唱、ビゼーのファランドールなどのクラシック。
もちろん、定番のそり滑りは、ダングルウッドの合唱も加わってナイスなノリの演奏ですが、このCD、全般に落ち着いたラグジュアリーな雰囲気であります。
あと、スノーマンや、ホームアローンといったスクリーンの音楽も。
このホームアローン2は、ニューヨークのゴージャスなホテルやタイムズスクエアのツリーが美しい、感動的なホームコメディ映画でしたが、J・ウィリアムスの曲もあったのですね!
ラストを飾るこの曲、明るくとても前向きな気分にさせてくれる。
しっとりでなく、元気に終わるクリスマスアルバムもまた悪くない。

G-12

これからが本格的な冬を迎える日本。

街は明るい雰囲気だけど、人々は笑顔だけど、でも心のなかは不安がいっぱい、もやもやがいっぱいだと思います。

お願いだから、静かなクリスマスに続いて、静かなお正月を迎えさせて欲しい。

G-10

いまこそ、世界を平和に導いてくれるお方がお出ましにならないものか・・・・

よきクリスマスを🎄

|

« R・シュトラウス 「サロメ」 | トップページ | わたしの5大ヴァイオリン協奏曲 »

コメント

1971年から1973年まで ボストンに住んでいました
ボストンシンフォニーはもちろん ボストンポップスも 何回か 家族で 聞きに行きました

軽い 飲み物くらいを 頂きながら 気楽に 音楽を聴いて 楽しむ…
とても 素敵な 経験でした

投稿: 中村 尚子 | 2022年1月11日 (火) 11時55分

中村様、コメントどうもありがとうございます。
ボストンにお住まいだったとのこと。
小澤さんが音楽監督に就任した時期でもありますね。
フィードラー、小澤さん、スタインバーグ、アバドあたりが指揮者だった豪華なステージ。
 そして、楽しそうなボストン・ポップスの演奏会の様子をお聴きして、往時のアメリカの明るさ、強さなどに思いをはせることができました。
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2022年1月13日 (木) 08時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« R・シュトラウス 「サロメ」 | トップページ | わたしの5大ヴァイオリン協奏曲 »