メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」 アバド指揮
今年の早咲きの菜の花は、まだ5分ぐらいなので、昨年の1月終わりぐらいの満開の菜の花と富士。
春の訪れがほんとに待ち遠しい、今年の骨身に染みる寒さ。
でも明るいイタリアが日本にやってくる。
低迷するイタリア経済を立て直し中、強くて明るいイタリアの首相メローニが来日。
イタリアの若手指揮者三羽烏のひとり、ダニエーレ・ルスティオーニが都響の首席客演指揮者となりやってきた。
2回のコンサートを聴きに行く予定。
そして、明るいイタリアとは言いたくはないが、クラウディオ・アバドの命日も近い。
アバドの命日には、また違う作品を取り上げる予定。
ということで1月後半は、まだ行ったことのない「イタリア」を日本で楽しみます。
メンデルスゾーン 交響曲第4番 イ長調 op.90「イタリア」
もう何度も記事にしてる。
アバドのメンデルスゾーンは、若い頃からの得意の演目で、デッカの専属だった67年に録音をしてます。
昭和の人、さまよえるクラヲタのワタクシは、1969年頃からクラシックに目覚め、1970年からレコ芸の購読を始めましたので、いまはほとんど処分してしまいましたが、主だった記事や広告はスクラップしてあったりします。
アバドのものはほとんで残してます。
1971年のレコ芸の裏表紙はデッカ=ロンドンレコードが独占してましたが、まだアバードと呼ばれていた時代。
レコ芸のお値段も、このときは300円で、少し前までは270円ぐらいだった。
レコードは新譜だと2000円、シングルジャケットだと1800円だったりも。
メンデルスゾーンのローマ見聞録のようなイタリア交響曲、アバドは3回録音しました。
① ロンドン交響楽団(1967.2 @キングスウェイホール)
こちらは国内盤での再発のレコード。
スコットランドがメインのジャケットですが、ともかく嫌味なく健康的な音で満たされた幸せなメンデルスゾーン。
これが出たときの評価では、イタリア人という点ばかりが評価され、ともかく歌う明るい演奏と評され、交響曲的な構成力には欠けるちかいわれたものだ。
お国柄で何ごとも判断したり、ドイツに偏重するきらいが見られたのも事実で、そういう時代だった。
たしかに明るく開放的な演奏であることは間違いなく、デッカの分離のいい録音もそれに拍車をかけてる。
一方で、よりロマンティックで陰りのある3番とのカップリングであることから、それとの対比において明るさというよりは明晰さをこそ感じます。
3つの演奏を通して3楽章がいずれも美しいと思った。
② ロンドン交響楽団(1984.10 @聖ジョンズ・スミス・スクエア、ロンドン)
ロンドン響の音楽監督として、ある意味自分のやりたいことをやっていた頃。
マーラーやベートーヴェンのチクルスに、ゼルキンとのモーツァルト録音と併行してメンデルスゾーンも演奏会で集中して取り上げ、一気に全集録音を遂げた。
そうした流れでの演奏なので、まとまりの良さ仕上がりの完璧さにおいては、17年を経て完璧であり落ち着いた演奏になってる。
アバドの身上でもある、音楽表現のしなやかさがここでは際立ち、音楽に漂う余裕と笑みすら感じる幸福なメンデルスゾーン。
アバドをずっと見聞きしてきた自分には、アバドがときににこやかに、柔和な表情で指揮している姿を思い起こすことができるし、このメンバーでの来日公演で接した指揮者とオーケストラの幸福なむずび付きも懐かしく思い出す。
この時代、ロンドン交響楽団は名手ぞろいで、とくに管楽器のメンバーはすごい顔ぶれだった。
自分も若かったが、アバドもロンドン響の楽員さんもみんな若かった。
そんな昔を懐かしみつつ、2楽章と3楽章の絹織りの肌触り感じる柔らかさには陶然としてしまった。
アバドとロンドン響は、やはり幸福なコンビだったなぁ。
この全集、1番と2番が一番好き。
③ ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1995.12.31 @ベルリン)
ジルヴェスターコンサートのライブで、真夏の夜の夢と演奏されたメンデルスゾーン・アーベント。
ライブでのアバドは熱い。
劇性と歌謡性のバランスのとれた真夏の夜の夢もロマンあふれる名演だと思いますが、よりホットなイタリア交響曲が自由闊達な感じでよい。
ロンドン響よりベルリンフィルの方が音色が明るい。
そして音も高密度でびっしり詰まった感じ。
ドイツからローマに行ったメンデルスゾーンの気分もかくや、と思わせるくらいに目覚ましい音がベルリンフィルから出ている。
3つの録音の演奏時間はほぼ同じ。
84年のロンドンが、2楽章がほんの少し速めですが、ほぼ同じ。
3つ共に好きなイタリア。
2000年代に、モーツァルト管とも3番とともに演奏履歴があり、そちらもいつかの音源化を希望したい。
生涯にわたって指揮しつづけたメンデルスゾーンは、アバドの持ち味がもっとよく発揮される作曲家だったと思います。
それはロッシーニとも通じます。
スイセンは、いまが満開の盛りですよ
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