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2026年2月23日 (月)

神奈川フィルハーモニー 定期演奏会 沼尻竜典 指揮

Minatomirai3

世間の連休初日の横浜は、陽気にもめぐまれ、多くの人で賑わってました。

神奈川フィルの定期演奏会へ、ローマ体験に行ってきた4276

1か月間続けた当ブログでの「イタリア」シリーズ。
アバドのメンデルスゾーン→ルスティオーニのローマの祭り→アバドのチェネレントラ→ルスティオーニのヴェルディ→レスピーギのオペラ。
そして仕上げは「ローマ」新説4部作。

Kanaphil-2026021

 神奈川フィルハーモニー みなとみらいシリーズ定期第411回

  ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」op.9

  レスピーギ  交響詩「ローマの松」

         交響詩「ローマの噴水」

         交響詩「ローマの祭り」

   沼尻竜典 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

      コンサートマスター:石田 泰尚

        (2026.2.21 @みなとみらいホール)

ローマにまつわる4部作。
レスピーギの三部作を一度にやるのはよくあることですが、ベルリオーズを加えたところが、今回のプログラムの肝です。
ベルリオーズを一緒にやるのは、ploms2014で、デュトワがロイヤルフィルを指揮したものを録音済みですが、そのときはさらにウォルトンのイタリアにまつわる協奏交響曲も加えたという強烈さ。
打楽器、鍵盤楽器多数のフルスペックのオーケストラを要するので、やるならすべてやってしまうのがよろしいようで。

陽気なオペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の素材を使った「ローマの謝肉祭」はともかく楽しい演奏。
なにも考えずに受け入れるのがいちばんで、ダブルのタンバリンの妙技も実演では引立ちます。
鈴木さんのコールアングレもほのぼのしててよかった。
この曲は、短いながらベルリオーズならではの歌謡性とハチャムチャ具合をいかに両立させるかが聴きものですが、そこは沼尻マエストロ、神奈フィルの明るいサウンドを得て万全でした。

ベルリオーズから80年の時を隔てた「ローマの松」、その第1音から感じる年月の経過。
音の煌びやかさや、手に取るようにわかるリアルな音楽描写、このあたりは多様な楽器やオーケストラ能力の進化などによるものでしょう。
まばゆさでいけば、神奈川フィルの持ち味だし、みなとみらいホールの明るい響きもおおいにプラスされるので、最高の「松」の演奏が展開されました。
舞台外から聴こえるグレゴリオ聖歌を奏でるトランペットも神々しく見事に決まり、その後の分厚いサウンドも決して威圧的でないまでも目覚ましいものがありました。
そして静まるなか奏でられる斉藤さんのクラリネット、この幻想的なシーンの展開が極めて美しく、いつまでもどこまでも浸っていたいと思いました。
レスピーギの抒情性に着目すると他の作品への視野も広がり、併せて古代の旋法なども絡めて、私の興味はその歌曲やオペラへの興味へと向かったのでした。
そんなきっかけは「ジャニコロの松」なんです。
ナイチンゲールのさえずりも、ホール内のどこからともない方向から聴こえてきて至福のひと時でございました。
そしてひたひたと迫る行進と高まりゆくクレッシェンド、もうあとは眼前の素晴らしき展開に身も心も任すのみ。
決して濁ることのないクリア―な神奈フィルサウンドのシャワーを浴びつくしたのでございました。
あーー、気持ちええーー
コールで出てきた、鳥さんの担当、お魚にみえたけど可愛い鳥のイラストと鳥笛を掲げて4人。
録音だとばっか思ってた、リアル鳥さんでしたよ。

「ローマの噴水」は3部作のなかではいちばん渋いところ。
しかし、幻想味と抒情感では、この曲が随一なので、これもまたかなフィル向き。
朝のまったりとした雰囲気が室内楽的に表現され、各ソロの瞬きも素敵です。
それを打ち破るホルンも見事に決まり、ピアノの活躍も心地よく聴こえるトリトン噴水。
ここから始まるレスピーギの音楽の巧みさを沼尻さんは着実な盛り上げで表現。
音がだんだんと眩しくなってゆくのが丸わかりなのがライブのいいところで、まさに音のシャワーで水しぶきを感じることができるという贅沢。
真昼のトレヴィの高揚感は半端なかった!
オルガンの低音、弦楽器のものすごいパッセージの連続を各奏者さん、とくに石田コンマスの激しい動きを見てるだけで興奮してしまう自分。
その後の急速な静まりと、そこに伴うどこか寂しい雰囲気と安らぎ、この落差の表現も見事。
暗くなってきたので、このままお家に静かに帰りましょう・・ということにはならないよお客さん、祭りだよ!

ということでいちばん大好きな「ローマの祭り」が、楽員さんが補充され準備万端。
指揮台にあがるや、すぐさま開始されるローマ時代への異次元パラレルワールド。
この切迫感ある「いきなりローマ祭り」の始め方は気にいったぞ。
暴力的なチルチェンセスはうるさくならず、弦主体の祈りの歌にかぶる金管や打楽器の咆哮、音が重なってもぜんぶクリアーなところが実によく、沼尻さんの耳の良さと分厚くならいオーケストラの持ち味ゆえか。
寂し気な五十年祭は、ここでも各ソロの巧みさ、独特のレスピーギのエキゾシズムなどなど、見て聴いて楽しむのでした。
徐々に増し行く喜びと祭りへの予感、このあたりのいろんな要素が同時進行しつつ歓喜への方向に持ってゆくレスピーギの筆の冴え。
実演だとほんと楽しく、音楽のすぐれた出来栄えが丸わかりなのです。
夕暮だけど、音楽は酒気を帯びてウキウキしてきたぜ、十月祭。
そして始まりましたよ神奈フィルのウィンドアンサンブルによるセレナーデの蕩けるような美しさと豊かな歌心。
マンドリンの第一人者、父・青山忠さん、先だっての都響の祭りでも登場。
マーラーの7、8、大地の歌でも必ず青山さん。
この方、この親子なくして「祭り」と「千人」「夜の歌」は日本では成り立ちません。
ありがたくイタリアのそよ風をマンドリンで味わい、そのあとは石田コンマスと上森チェロの素敵すぎるソロ。
徐々に漂うカーニヴァル臭、主顕祭。
素っとん狂な音楽に転じるこの鮮やかさも素晴らしく、いやもうワクワクしてきた。
やべえ、手回しオルガン風なところで、身体が泳いじまった。
ユニゾンによる大アリアに酔い、狂乱の一途をたどるどんちゃん騒ぎに色を添える、日本人の心くすぐる多彩な打楽器の大活躍のお囃子に目をみはりつつ、私はもう興奮の坩堝でして、案外冷静に指揮するマエストロよりも、久しぶりに眼前にした石田コンマスの立ち弾きや、オーケストラの皆さんを見回しつつ祭りに参加、堪能したのでござる。
思わず「ブラボー」!
先月のルスティオーニの「祭り」もすさまじかったが、今回は、ローマの旅の終結という完結感もあり、極めて満足感も高く、ホールが一体となった高揚感に満たされたのでした。

あー、おもしろかった!

Umaya

アフターコンサートは、久々の神奈フィル応援メンバーに、遠来の音楽仲間も交え、横浜地ビールで乾杯🍺

あんな興奮のあとは、ウマすぎるだろ。

Minatomirai6a

街はもう夜となってました。

楽しかった「ローマ物語」

過去記事

「ルスティオーニ&都響 ローマの祭り」

「ローマの祭り 聴きまくる」

「川瀬健太郎 ローマ三部作」

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コメント

いゃぁ、楽しかったです。豪雪の後も生々しい山越えをして横浜まで遠征した甲斐がありました。
各奏者のレベルが上がった神奈川フィルの妙技と良席のお陰(12列Cブロック)で、レスピーギの図抜けたオーケストレーションの素晴らしさを身体全体で堪能しましたよ。
このような素敵な演奏を聴けば、他のジャンル、蒐集したくなります。オペラは「エンツォ王」だけがないし、室内楽曲やピアノ曲も欲しい!

投稿: IANIS | 2026年2月23日 (月) 12時45分

IANISさん、まいどです、そして遠征お疲れ様でした。
私も神奈川フィルの技量と指揮者とともに造り上げた音楽性の高さに感嘆しました。
わが街の親しみあふれるオーケストラが眩しくも思った瞬間も多々あり。
レスピーギは音源も多数あり、極め甲斐があります。
アルファーノも集めてますが、どうしようもない沼にこの年でハマってしまい困ったものです。

投稿: yokochan | 2026年2月24日 (火) 23時25分

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