モーツァルト ピアノ四重奏曲 ヘブラー

3月16日、早咲きの桜が満開の芝公園。
毎年、桜の開花が早まり、なんだか気ぜわしく感じるのは、私の歳のせいなのか・・・
春を迎えるにふさわしいモーツァルトの大好きな作品を
モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478
ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493
Pf:イングリット・ヘブラー
Vn:ミシュエル・シュヴァルベ
Vla:ジュスト・カッポーネ
Vc:オトマール・ボルヴィツキー
(1970.4 @ベルリン)
ト短調と変ホ長調というモーツァルトらしい調性によるふたつのピアノ四重奏曲が昔から好き。
いずれも3楽章からなるピアノ協奏曲の延長線上にあるような作品。
ハイドンに献呈した珠玉の弦楽四重奏のあとぐらいに書かれたが、この頃のモーツァルトは生活に困窮していて、その糧として作曲したようだが、あまり評価を得られず2曲目は少し遅れてしまったという。
そんな苦しみのなかとはまったく感じさせない、短調であっても屈託ない音楽をさらりとかけてしまうモーツァルトが好き。
「ト短調」の1番は、深刻なのは1楽章だけで、その重い雰囲気は、2楽章ですでに軽くなり、3楽章に至っては明るいロンド形式となり、爽やかなる気分になることを約束してくれちゃう。
前にも書いたが、休日の朝などにおいしい朝食を取りながら聴くとまったくよろしいのです。
くわえて冒頭から気楽に気持ちよくさせてくれるのが2番の「変ホ長調」。
ウィーンの薫り漂うギャランとさと気品を感じさせる屈託ない美しくも可愛い作品。
どちらの曲も深刻にならず、リラックスムードで聴くに限る音楽で、モーツァルトが身体や脳によろしいという効能を満喫させてくれる。
レコード時代にすり減るほどに聴いた演奏が、今宵のヘブラー盤。
モーツァルト弾きともいえるヘブラーに、ベルリン・フィルの首席たちとの共演はいまや懐かしい。
すご腕のベルリンフィルのメンバーたちは、室内楽の演奏も数々グループ化してやっていたけれど、なかでもベルリンフィル八重奏団は録音も多く親しみあり、いまでも継続する伝統あるグループだろう。
カラヤンの指揮する映像で、弦楽器の首席ポジションで必ずその姿を見ることができる3人です。
絶対的な指揮者の元から解放され、いかにも気持ちよくモーツァルトを楽しんでる3人の名手たち。
お馴染みの顔を思い浮かべて聴くのも一興だ。
これが録音された1970年の4月。
翌月には、カラヤンとベルリンフィルは大阪万博で来日し、ベートーヴェンチクルスを繰り広げましたが、小学生のワタクシは憧憬をもってレコ芸の特集を読み、カラヤンの指揮真似をしたものですよ。
そんなことを考えるのも楽しく、主役のヘブラーが浮き立つことなく、まさに4人の室内楽的な融和のなかに拡張高いピアノを聴かせてます。
ヘブラーさんは、3年前の2023年に93歳で亡くなってますが、モーツァルトばかりでなく柔和なシューベルト演奏も大好きです。
昨今の個性あふれる、いや個性を競うピアニストなどとは、次元の違う人間味あふれる豊かなあたたかいヘブラーのピアノは、ほんとうに癒しです。
この演奏、遊びの部分が少なめで真面目すぎなのが玉にきずの贅沢すぎる不満かな。
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