メンデルスゾーン、チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ミルシテイン&アバド

梅雨まっさかりの関東。
ちょっとした雨の休止時の散歩。
晴れ間が愛おしいけれど、あと1ヶ月もしたら曇りや雨がそのように思えるようになる暑い夏がやってくる。
チョー久しぶりに「メン・チャイ」を聴く。
中学の音楽の授業で聴いた(聴かされた)メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
あの哀愁感じるメロディにすぐさま惚れ込みレコード屋さんに走りました。
もちろん少ないお小遣いで買えるのはコロンビアレコードのダイヤモンド1000シリーズの1枚。
もう手もとからなくなってしまったが、ブロノスラウ・ギンペルという往年のヴァイオリニストのソロに、バンベルクのオーケストラの演奏。
カップリングはチャイコフスキーで、まさに私の初メン・チャイ。
ジャケットはまだ覚えていて、アルプスを背にした教会の屋根だったと記憶。
チャイコフスキーはよくわからなくて、メンデルスゾーンばっかり聴いていた。
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
ナタン・ミルシテイン
クラウディオ・アバド指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1972.9,12 @ムジークフェライン、ウィーン)
このレコードが発売されたのは1973年で、この年来日をしたアバドのファンにすでになっていたワタクシ。
聴いたのはもっと後年ですが、久方ぶりに録音に登場した超ベテランのミルシテインが、若手のアバド、しかもウィーンフィルでの演奏ということで大いに話題になった1枚。
68歳のヴァイオリニストと40歳の指揮者というDGの仕組んだ組み合わせの妙。
ミルシテインは中学生の自分ながら、その名はすでに知っていて、父が職場からもらって来た大量のEMIのレコードの中の1枚に、シャコンヌや熊蜂などの技巧的な小品を集めたものがあり、それをよく聴いていたのでした。
ちなみに、このレコードたちのなかにあったのがビーチャムのディーリアスで、ディーリアスとの出会いもこのときだったのです。
このレコード発売時のレコ芸の広告。
ついでながら、ジャケットには、ウィーンフィルのコンマスのヘッツェルとキュッヘルも写ってまして若い。
こんな風に大いに宣伝されたものですが、レコ芸の月評ではミルシテインのヴァイオリンは絶賛されましたが、アバドの指揮はけちょんけちょんにけなされましたね。
そう、協奏曲担当は当時U氏でしたから。
唯一、チャイコフスキーの2楽章だけ、ウィーンフィルの美さで絶賛するという捻りぶり。
当時、聴いてもないのに腹立ちましたねぇ。
U氏、同様のことは、アバドのほかのレコードでもずっと続きましたがロッシーニだけは手放しで絶賛。。。。
ヴィルトゥーゾという印象の強かったミルシテインが、ベテランの域に達しDGに残した70年代の一連の録音。
このメンチャイも久しぶりに聴いてみて、その音色の鮮明さ、艶っぽさに驚いた。
達観していい年齢にも達していたのに、その瑞々しさと、名曲を演奏しながらも客観性を感じる知的な演奏。
ミルステインのバッハの無伴奏を聴いたのもここ10年ほどのことで、そこでのスケール感とともに感じた集中力のすごさ。
そのイメージともまた違う若々しさは、曲ゆえか、名曲への姿勢か、アバドという共演者のゆえか。
好々爺とせず、アバドとともに柔和でしなやかなメンチャイを作り上げた感じ。
今回、結構な大音量で聴いてみた。
ミルシテインの艶のあるヴァイオリンもよいが、それ以上に70年代のウィーンフィルの柔らかなな音色とうるさくならないチャイコフスキーでの響き。
ともかく録音がとてもよく感じたし、アバドの強弱を豊かにつけた明快な指揮ぶりもよくわかった。
弱音へのこだわりと、その歌いまわしの美さはアバドならではで、2曲ともに緩徐楽章が極めてステキなもので、躍動感あふれる3楽章との対比もこれも2曲とも鮮やか。
グルダとのモーツァルトにも通じる、アバド&ウィーンフィルの素晴らしさ、ムジークフェラインでの録音の良さです。
このあとミルシテインが録音したブラームスは、指揮がヨッフムに変わり、それはそれで滋味あふれるものでしたが、アバドでも聴きたかったし、ベートーヴェンやモーツァルトもDGに残して欲しかったものです。
それにしても、メン・チャイ、いい曲だわ。
とくに、メンデルスゾーンのあふれるメロディーと屈託のない明るさは、新緑と梅雨空の先に来る青空を感じさせましたよ。
気分いいです~
ピントを遠くの厳島神社に合わせてみました。


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