これでもかとばかりに「ローマの祭り」を聴いてしまう
みたままつりで、毎年展示される、青森ねぶた。
今年も、青森のねぶたまつりは中止。
こちらは、弘前ねぶた、お隣に展示。
五所川原も有名だし、大湊など、ほかの地域に独特のねぶたがあるそうで。
東北の祭りは、日本人の心に夏の刹那的な輝かしさと郷愁とを呼び覚まします。
そして日本の各地、自分の町々にもいろんなお祭りがある。
それらがみーーんな中止。
担ぎ手は鬱憤がたまるし、神輿も手持ち無沙汰にしか見えない。
祭りを返せーーーーーーーっての!
ちきしょー、日本じゃないけど、レスピーギの「ローマの祭り」をめちゃくちゃ聴いてやる、ってことで。
手持ちの音源を、全部じゃないけど、1週間かけて聴いてやったぜ、の巻だ、こんにゃやろー。
①いきなり金管の大咆哮で始まる「チルリェンセス」はローマ時代の暴君の元にあった異次元ワールドの表出。
②キリスト教社会が確立し、巡礼で人々はローマを目指し、ローマの街並を見出した巡礼者たちが喜びに沸く「五十年祭」。
③ルネサンス期、人々は自由を謳歌し、リュートをかき鳴らし、歌に芸術に酔いしれる「十月祭」。
④手回しオルガン、酒に酔った人々、けたたましい騒音とともに人々は熱狂する。キリストの降誕を祝う「主顕祭」はさながらレスピーギが現実として耳にした1928年頃の祭の様子。
(以上、過去記事より)
名盤云々とするのは好きでないので、印象を書き散らすのみ。
・トスカニーニ&NBC
鋼のような演奏。無慈悲な祭りの熱狂を正確無比に描き出す。
モノなのに、そんなハンデはこれっぽちもない。
・デ・サバータ&ベルリンフィル
当然にモノで放送録音、ヒス多し。
こちらもBPOだけあって正確無比ながら、テンポを動かし、早くて遅い。
ラストは悠揚迫らぬ雰囲気。
ベルリンフィルはこの曲の録音ないかも?
・オーマンディ&フィラデルフィア(RCA)
録音のせいか、きらびやか、あ、この時代のこのオケだからか?
間合いの取り方や、大仰さがやや時代めいて聴こえるという不遜な思いも
でも、各処決め所はさすがで、王道を行く演奏
・バーンスタイン&ニューヨークフィル
荒馬のようなNYPO、デフォルメされた金管、おどろおどろしくもあり。
官能の極み興奮の坩堝もあり。
ジェットコースターだよ、おっかさん
たのしーよ、おとっつあん。
・マゼール&クリーヴランド
大向こうをうならせるような原色系の演奏。
おらおらと煽られもするが、でも以外に沈着だったりする。
聴かせ上手で、指揮しながら、客席に向かってどうよ?
~って言いそうなマゼールさんの指揮、好き。
オケがめちゃウマい、録音もいい。
・デュトワ&モントリオール(1982)
ビューティフル!テンポもよろしく、しなやか。
録音も演奏と同質的な美的なもの。
うまいもんだ。しかしウネリは少なめ、どこまでも美しい。
N響でお馴染みの指揮ぶりが思い浮かぶ。
・デュトワ&ボストン響、ロイヤルフィル(2014)
ともに2014ライブで、タングルウッドとPromsの自己エアチェック音源。
32年の歳月は確実に音楽の構えの大きさにあらわれてる。
堂々としつつも、強靭な響きと華やかな煌めきもあり。
ボストン響の充実ぶりが上回る。
RPOはプロムスの独特のあげあげムードの後押しもあり。
ともに、一気に3部作を連続演奏。
・小澤征爾&ボストン響
アナログ時代のざーさんの代表盤。
レコードのこのジャケット好きだった。
ヨーロピアンなBSO。
品もありつつ、しなやかで、バランスのいい美しい演奏。
ラストに、そんなにはっちゃけず、冷静なままに終了。
オリーブオイル垂らした味噌汁うまいよ、ジャポネーゼ!
・シノーポリ&ニューヨークフィル
自分に音楽を引き寄せたレニー&NYPOとは違った冷静さ感じる
録音のせいもあるが、パンチは効いてるし音の圧も高い。
五十年祭はかなり深刻で気が重たくなるが、後の解放感が心地よい。
面白いコンビだな、ドレスデンでも聴いてみたかったぞ。
・ヤンソンス&オスロフィル
濃い味少なめ。
パートの絡み、音の出し入れ、強弱が実に巧みで、メリハリありうまい。
これも語り上手な演奏だが、後年にバイエルンで再録して欲しかった
・ガッティ&ローマ聖チェチーリア
これはいい。
譜面に忠実に、細大漏らさず音にした感じ。
着実で堂々としつつ、繊細さ甘味さもあり。
ホルンがめちゃうまい。
ラストの自然な盛り上げにオジサン興奮、ふがぁーー
・マリナー&アカデミー・セント・マーティン
90年代、アカデミー増強で、大オーケストラレパートリーを録音していた
あっさり、うす味ローマ祭り、歳取ると、こんなローカロリーが好き。
10月祭の透明感ある美しさは格別♪
・ルイージ&スイス・ロマンド
伝統のオケを指揮したルイージ、若い。
冒頭からガンガン結構行くが、10月祭ではしっとりと弱音を活かした美演。
ラストはすさまじい熱狂ぶりであります。
ヴェルディみたいなローマ祭り。
・パッパーノ&ローマ聖チェチーリア
小粋でスマート。しゃれっ気もダイナミックさも兼ね備えてる。
オケは明るく痛快だ。
煌めくサウンド、ローマの地下での神妙な祈り、鼻歌混じりのセレナード
最後は爆発的な祭典へ。いぇ~い!
最高だぜ、パッパーノ兄貴!
・ファレッタ&バッファローフィル
おなご指揮者ファレッタさんは、レスピーギや後期ロマン派。
加えて、英国物もお得意だ。
オケの力量もあろうか、ちょっとした詰めは甘いところがある。
しかし細部は美しく、よく歌ってる。
爆発力も兼ね備え、さすが、アメリカオケを感じる。
バッファローはアメリカ北部、エリー湖に面した都市。
いずれアメリカオケ旅で取り上げます。
※世評高いムーティさんは持ってません(意味深)
でも、バイエルン放送とのライブ放送を自己音源で聴いてますが、一気呵成、ラストスパートよしの演奏でした。
あと、放送音源では、ウェルザー・メストとクリーヴランドの快速特急ローマ祭りも面白い。
バッティストニーニ&東フィルの激熱ぶりぶり放送ライブも好き。
最近では、ジョン・ウィルソンとBBCスコティッシュのものが、ビジュアル感あふれる演奏で気にいりましたね。
バティス盤がどっかいっちゃって見当たらない
未入手CDでは、怖いもの見たさでスヴェトラーノフさんですかねぇ。
アバドは絶対に振らなかったレスピーギ。
無謀な企画に、正直疲れましたが、それでも何度聴いても面白い曲だ。
クソ暑い夏向きの音楽。
それにしてもレスピーギの音楽はなんでもありで、しかもよく書けてる。
オペラ収集中につき、そちらも再開しなくちゃならない。
時間が足りない・・・
2年前の祭り。
あのときの熱狂はもう戻らないのか・・・・
「祭」で耳が疲れたら、「松」のジャニコロ・ナイチンゲールで癒され、「泉」のほとりで涼もうじゃないか。
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