カテゴリー「クリスマス」の記事

2025年12月25日 (木)

バッハ クリスマス・オラトリオ リヒター指揮

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11月から12月、そして12月に入ってからの日々の経つことの早さよ。

歳をとると月日が経過するのがやたらと早いとよく言われるが、それは予想以上だった。

この歳になって、毎日がこんなに忙しいなんて思いもしなかった。

ありがたいことにお仕事を頂けてるのが幸いなのだけれども、同時にワンオペ介護、時おり孫、、家事、その間を縫って音楽会に上京 etc・・・
ストレス解消にと音楽会に積極的に行くようになったが、外出中も気が気でないときもあり、それがまたストレスになってしまったり・・・
昨年は多飲と不摂生がたたり入院もしてしまい、お酒を飲まなくても大丈夫な自分になったが、それもまたストレスでもあるし、身体の不安もまたストレスでもあるという悩み多き初老・・・・

でもまあ、これもまた生きていることの証でありましょう。
ちょっとしたことに楽しみや喜びを見出したりするのも幸せなことのでしょう。

音楽がなかったらちょっとダメだったかも。

バッハを聴こう。

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       バッハ クリスマス・オラトリオ BWV248

      S:グンドゥラ・ヤノヴィッツ
      Ms:クリスタ・ルートヴィッヒ
      T:フリッツ・ヴンダーリヒ
          Bs:フランツ・クラス

   カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団
              ミュンヘン・バッハ合唱団

         (1965.2~6 @ヘラクレス・ザール、ミュンヘン)

来年2026年に生誕100年を迎えるカール・リヒター。
1981年に54歳にして早逝してしまってから、もう45年になる。
心臓麻痺で亡くなった報を聞いたとき、これから社会人となる矢先のときだったが、かなりのショックだった。
バッハといえばリヒター。
そのように若いながら信じ込んでいた自分でした。
その思いは、古楽的な奏法が主流となり、バッハ演奏も多様化したいまも変わりません。

メサイアとともに、クリスマスに聴くにもっとも相応しいバッハのオラトリオ。
メサイアは降誕から死と栄光までを描いたのに対し、バッハの方は暦のうえでのクリスマスの6日間をカンタータ形式で描いた作品。
ともに、シンフォニア・田園曲が牧歌的かつ平安とともに挿入されていて、クリスマスの夜に和みます。

過去に書いたものを以下また再掲

  ①降誕節第1祝日 24日
  ②降誕節第2祝日 25日

  ③降誕節第3祝日 26日
  ④新年        1日
  ⑤新年最初の祝日  2日 
  ⑥主顕節       6日
      

主顕節というのは、イエスが初めて公に姿を現わされた日のことで、東方からの3博士が星に導かれて生後12日目のイエスを訪ねた日をいう。
 1734年、バッハ壮年期に完成し、その年のクリスマスに暦どおりに1曲ずつ演奏し、翌新年にもまたがって演奏されている。

バッハの常として、この作品はそれまでの自作のカンタータなどからの転用で出来上がっているが、旋律は同じでも、当然に歌詞が違うから、その雰囲気に合わせて歌手や楽器の取り合わせなども全く変えていて、それらがまた元の作品と全然違う雰囲気に仕上がっている。
バッハのカンタータは総じて、パロディの集積とよく云われるが、それは自作のいい意味での使い回し、なおかつ最良のあるべき姿を求めての作曲家自身の信仰と音楽の融合の証しでもありましょう。

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リヒターのことを書くたびに再三触れることだが、中学生のときに買った1枚のリヒターのレコード。
750円だったかと記憶するが、リヒターの演奏のサンプラー盤で同様の企画が、カラヤンとアルヒーフレーベルにもあった。
1曲目がクリスマスオラトリオの第1曲めで、私は一発でこの晴れやかな音楽が好きになってしまった。
そしてリヒターという音楽家とバッハの音楽の切り離すことのできないイメージが植え付けられ、指揮、鍵盤楽器奏者としてのマルチぶりも印象付けることとなりました。
そう、このレコードには、ほかにマタイの最終合唱曲と「トッカータとフーガ」「イタリア協奏曲」が収められていたほか、ハイドンの時計の2楽章も収録されていました。
まさにすり減るほどに聴いた1枚なのです。

この演奏で、輝かしいトランペットを一部担当しているのは、モーリス・アンドレです。
しかし、それが突出しないのは、リヒターの厳しい目線と音楽造りがあるから。
カッチリした構成のもと6つのカンタータの集積であることもよくわかるし、それぞれの祝日の意味合いもクリスマスという喜ばしい、キリスト教徒最大の祭日の日々に相応しいワクワク感も感じさせます。
6つのカンタータのそれぞれの祝日に合わせたカンタータの特徴と、それらをひとつにまとめ込む構成力の豊かさ。
そしてそこにあるのは、敬虔な祈りとバッハの音楽への演奏家たちの熱い情熱と貫かれた緊張感。
リヒターの一連のバッハ演奏に共通するものです。
迎えることのなかった60代のリヒター、さらに円熟を重ねるはずだったそのあとのリヒター、その演奏を永遠に確かめることが出来なくなったのは、人類の痛恨事だと思う。

まさに天使のようなヤノヴィッツの無垢なる美声、いま聴くとヴィブラートがやや気になるが、やはりその声の存在感と馴染みある声が魅力のルートヴィッヒ。
なによりもこの録音の翌年に亡くなってしまうヴンダーリヒの素晴らしいエヴァンゲリストとテノール。
このテノールの早逝もリヒターと同じく、音楽界の痛手であり、最高の福音士家とシューベルトとモーツァルト歌いを失ったことになる。
早くに引退したバスのフランツ・クラスも私にはワーグナー歌手としてありがたい存在で、美声の深い声は素晴らしいです。

指揮者、歌手、このメンバーのなかで唯一存命なのは、ヤノヴィッツさん。
1937年生れで、母国オーストリアにてまだお元気のご様子。
ルートヴィッヒは4年前に93歳で亡くなっているが、ともにベームやカラヤンのもとで歌ってきた大歌手。
お元気でお過ごしいただきたいです。

リヒターの記念年、あらたなマスタリングで名盤が再発される様子です。
刷新された音で、新鮮な発見もあるかもです。

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東京は相変わらず華やかでして、電車に乗って1時間でいま住む町に帰ってくると、真っ暗で唖然とします。

キレイだけれど、毎日見てるとどうだろうかと思うし、毎日見るなら海や山の方がいいと思うようになった。

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丸の内の仲通りも、人でごった返してましたよ。

次のブログでは、今年お別れをした演奏家を振り返ってみたいと思います。

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2024年12月25日 (水)

クリスマス with アカデミー マリナー指揮

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クリスマスがやってきました。

今年ほど世界が不穏で、日本もまたその影響を受け、われわれ庶民の実生活にもその影響がおよんだ年はないでしょう。

それでも世界はクリスマスを祝い、楽しむ気持ちは忘れていません。

いろんな国々の街の様子をリアルタイムで見ることができるネット社会の恩恵。

キリスト教国でない国でも、街々は華やかなイルミネーションでキラキラしてます。

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素敵な宗教画、ヨセフとマリアに幼子イエス、そして当方の3博士。

イエスの生まれた場所、ゆかりの地などが、いま世界の紛争の当時地になっているという悲しみ。

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   1.3時を過ぎて(英キャロル)   2.神の子は今宵しも(18th)
 3.ディンドン (仏キャロル)       4.木枯らしの風は吠え(ダーク)
   5.シンフォニア(バッハ)       6.昔、ダヴィデの村に(ゴーントリット)
   7.サセックスキャロル        8.何とかぐわしい(仏キャロル)
   9.御子がお生まれに(仏キャロル)       10.キリストの幼児から(ベルリオーズ)
  11.サン・ファミーユの休息(ベルリオーズ)    12.薔薇の花がほころんだ(プレトリウス)
  13.きよしこの夜            14.静かに、静かに(独キャロル)
  15.イエスのために(プレトリウス)        16.ひいらぎと蔦は(英キャロル)
  17.聖なる3博士(コルネリウス)             18.明日が私が踊る日(英キャロル)
  19.神の子イエスさま(カートパトリック)  20.パーソナント・ホディ(独キャロル)
  21.もろびと声をあげ(独キャロル)22.りんごの木なるイエス(ボストン)
  23.あめにはさかえ(メンデルスゾーン)
       
       教会の鐘:聖バーロソミュ教会、クルカーン、サマセット州

      S:ジョシュア・ローズマリー
      T :イアン・ボストリッジ
      Br:ジェラルド・フィンリー

   サー・ネヴィル・マリナー指揮

  アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

        (1994.1.4~8 @セント・ジョンズ教会、ロンドン)

本格的なクリスマスアルバムです。
伝統的な英仏独のクリスマスキャロルを中心に、中世からバロック期の作品、バッハやメンデルスゾーン、ベルリオーズといった本格クラシカル作曲家のクリスマス作品を一堂に集めた1枚。

正直いって渋いです。
キラキラしたクリスマスのイメージを期待すると100%裏切られます。
ヨーロッパでずっと聴かれ、歌われてきた人々の伝統あるクリスマス音楽。
アメリカの楽しくワクワクするようなクリスマス音楽、日本の商業主義におかされたその場だけのメリークリスマスとはまったく異なる世界がここにありました。
マリナーとアカデミーだから、楽しくさわやかなものなのだろうと思い込んでいたら大間違いでした。

CDの冒頭と最後に、教会の清らかな鐘の音がおさめられてます。

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 聖バーソロミュー教会、いかにも英国国教会の厳かな雰囲気

滋味あふれる優しいマリナー卿に導かれ、心休まる静かなクリスマスが過ごせました。
イブや、クリスマス当日の家人が寝静まった夜更けに、しずかに聴くに限ります。
たいへんなこと、嫌なことばっかりあった年だなぁ、と思いつつも、こうして静かなクリスマスと年末を安全に過ごすことのできる幸せをかみしめることができました。

お馴染みの定番の曲も、ここでは手作り感さえ感じる温もりの優しさにあふれてました。
バッハのクリスマス・オラトリオ、ベルリオーズのキリストの幼児も、いずれもサワリにすぎませんが、充足感あふれる素晴らしい演奏です。

マリナー卿が亡くなって、もう8年ですが、たくさんあるマリナーの録音の数々、まだ聴いていない音盤もたくさんあります。
それらのうちの1枚でした。
マリナーは、アンダーソンや定番クリスマスソングなど、フィードラーやオーマンディらが何度も録音した、いわゆる「クリスマス・アルバム」を意外にも録音しませんでした。
膨大なレコーディングを残したマリナー卿の以外な一面ですが、それもまたマリナーらしいところなのかもしれません。

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まだ手にしていないマリナーの音盤で、来年の目標としては、ハイドンのネイムズシンフォニー全曲、シューベルトの交響曲全集、シューマンの交響曲全集、モーツァルトの交響曲の後半、セレナーデなど、たくさん、たくさんあります。
思えば、未聴のマリナーがあることの楽しみよ。

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よきクリスマスを🎄

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2023年12月24日 (日)

パストラーレ

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イエスの降誕を描いたジオラマです。

ルカによる福音書から

【そのころ、皇帝アウグストが全ローマ帝国の住民登録をせよと命じました。 
これは、クレニオがシリヤの総督だった時に行われた最初の住民登録でした。 登録のため、国中の者がそれぞれ先祖の故郷へ帰りました。 
ヨセフは王家の血筋だったので、ガリラヤ地方のナザレから、ダビデ王の出身地ユダヤのベツレヘムまで行かなければなりません。 
 婚約者のマリヤも連れて行きましたが、この時にはもう、マリヤのお腹は目立つほどになっていました。 
 そして、ベツレヘムにいる間に、 マリヤは初めての子を産みました。男の子です。
彼女はその子を布でくるみ、飼葉おけに寝かせました。宿屋が満員で、泊めてもらえなかったからです。

その夜、町はずれの野原では、羊飼いが数人、羊の番をしていました。 
そこへ突然、天使が現れ、主の栄光があたり一面をさっと照らしたのです。これを見た羊飼いたちは恐ろしさのあまり震え上がりました。 
 天使は言いました。「こわがることはありません。これまで聞いたこともない、すばらしい出来事を知らせてあげましょう。
すべての人への喜びの知らせです。 
 今夜、ダビデの町(ベツレヘム)で救い主がお生まれになりました。
この方こそ主キリストです。 
 布にくるまれ、飼葉おけに寝かされている幼子、それが目じるしです。」  
するとたちまち、さらに大ぜいの天使たちが現れ、神をほめたたえました。

 「天では、神に栄光があるように。
  地上では、平和が、
  神に喜ばれる人々にあるように。」

 天使の大軍が天に帰ると、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださった、すばらしい出来事を見てこようではないか」と、互いに言い合いました。 
 羊飼いたちは息せき切って町まで駆けて行き、ようやくヨセフとマリヤとを捜しあてました。飼葉おけには幼子が寝ていました。 
 何もかも天使の言ったとおりです。羊飼いたちはこのことをほかの人に話して聞かせました。 
 それを聞いた人たちはみなひどく驚きましたが、マリヤはこれらのことをすべて心に納めて思い巡らしていました。 
羊飼いたちは、天使が語ったとおり幼子に会えたので、神を賛美しながら帰って行きました。】

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世界には宗教がいくつもあり、人間はその信じる宗教がゆえにいがみあい、戦争も行います。
それが、問題の根本にあり、絶対に理解しあえないことから解決は難しい。
国の線引き、民族の違いなど、いずれも元をただせば宗教に行く着く。

人間を救うはずの宗教。

しかし、われわれ音楽愛好家は信者でがなくとも、キリスト教由縁で生まれた素晴らしい音楽の数々を国境を越えて愛し、楽しむことができる。
いろんな神様に手を合わせてしまう、そして八百万の神に囲まれる日本人ですから、クリスマスや受難節にはイエスを思い、その音楽を聴き教会に思いをはせるのもぜんぜんOKだと思う。

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こちらは可愛い。

東方から参じた博士たちも。

これらはいずれも、銀座の教文館のウィンドウから写したものをご紹介してます。
毎年ありがとうございます。

羊飼いたちが幼子イエスを探しあてるということで、牧歌的な田園詩が「パストラーレ」という楽章やシンフォニアというかたちでクリスマス協奏曲や声楽作品に持つ音楽がいくつもあります。

今夜は、そんな静かで、心落ち着くパストラーレだけを聴きました。

コレッリ クリスマス協奏曲

ヴィヴァルディより25歳年長のコレッリ。
ヴァイオリン奏法においておおいなる足跡を残し、悲劇性に富んだ曲想を多くもちながら、そこには常に高貴なる歌が通っていて、明るさと悲しみが同質化したような音楽
終楽章の後半に置かれた夢見るようなパストラーレ。
牧童たちの静かな感動が伝わるような優しい音楽です。
正統派イ・ムジチのレコードから馴染みましたが、いまでも安心して聴ける演奏。
CD化されたコレギウム・アウレウムも好きでして、古楽奏法でない古楽器演奏スタイルという新しさもあり、いまや古風なスタイルが好き。

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四季のCDの付録に入ってたカラヤンを久しぶりに聴いてみたら、これがまた夢見るような演奏で、かつゴージャスでビューティフルだった。
やたらと気に入って、今宵は3回も聴いてしまった。
レコード屋さんで手にとって眺めていた懐かしいジャケットをネットで拾いました。
カラヤンとベルリンフィルの精鋭は、夏にサンモリッツでこうした合奏作品を録音してましたね。

コレッリ、トレルリ、マンフレデーニ、ロカテッリと4人が呪文のようにセットになったバロック・クリスマスコンチェルト。
コレギウムだけ、その4人じゃなかったのも面白い。

バッハ クリスマス・オラトリオ

6つの祝典的なカンタータを終結させたオラトリオ。
それでもそこはバッハ、福音史家もテノールが歌い、静粛なる降誕とそのあとのクリスマス祝日を明るいなかにも厳粛に音楽にしてる。
そんななかにあるシンフォニアが、厳かななかに、静かで清らかで汚れないひとコマとなってます。
ほんと、心洗われる美しい音楽です。

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厳粛なリヒター、素朴なフレーミヒの演奏が好き、ドイツの地方都市のクリスマスを思わせるシュナイトも好き。
あと以外にも、フィードラーとボストン・ポップスの神妙なる演奏もステキであります。

ヘンデル メサイア

馴染み深い旋律の宝庫、ヘンデルのメサイアは、3つの部がイエスの人生を描いているが、クリスマス当日までは第1部。
4人の名ソロや親しみやすい合唱曲のなかの、箸休めのような存在がパストラル・シンフォニアです。
バッハと違い、ゴージャス感も伴いますが、こちらも静かで厳かな雰囲気がすてきな作品です。

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オーマンディが刷りこみですが、まさにあの時代のアメリカの演奏で好きです。
ロンドン・フィルの渋さもあるリヒター盤、キリリとクールなガーディナー、優しいマリナー盤、みんな好き。

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丸の内、キッテのツリー。

静かでよきクリスマスを。

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2022年12月24日 (土)

クリスマス with レオンティン・プライス 

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毎年めぐりくるクリスマス・シーズン、あたりまえですが。

しかし、今年ほど不穏なうちに迎えたクリスマスもないと思います。

来年ももっと深刻な年になるかもしれません。

クリスマスの装飾に心和ませ、クリスマスの音楽に落ち着きと平安を求めましょう。

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   Chistmas with Leontyne Price

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     カラヤン/アヴェ・マリア

   きよしこの夜
   あめにはさかえ
   われら三人の王
   あら野の果てに
   もみの木
   ともに喜びすごせ
   あめなる神には
   高き天より
   おさなごイエス(黒人霊歌)
   アヴェ・マリア(シューベルト)
   オ・ホーリー・ナイト
   アヴェ・マリア(バッハ)
   アレルヤ(モーツァルト)

    レオンティン・プライス

 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員
           
    ウィーン楽友協会合唱団/ウィーン・グロスシュタット少年合唱団

    プロデューサー:ジョン・カルショウ
    エンジニア:ゴードン・パリー

       (1961.6.3~5  ゾフィエンザール、ウィーン)

オリジナルだと、クリスマスwithレオンティン・プライス、日本国内盤だとカラヤン/アヴェ・マリアになってしまう。
オペラハウスで引っ張りだことなったミシシッピー生まれのアメリカ人歌手と、その才能を見出し重用した大指揮者、そして名門オーケストラと、それほどまでに豪華な1枚。
そして忘れてならない、プロデューサーのカルショウの存在はデッカならでは。

録音はいまでこそ丸っこい音に感じるが、それでも音量を上げて聴くと、オーケストラの音に低域の豊かさと分離の良さと力強さ、ホールの響きの良さを感じる。
なにもカラヤンとウィーンフィルでなくてもよかったんじゃない?と思ってしまうが、それでもカラヤンはカラヤンの音がする。
たっぷりとした豊かな歌いまわしは豪華そのものだし、柔和なウィーンの音色もあります。

60年代にはいるとカラヤンはウィーンフィル、カルショウとともにオペラの数々を録音するようになりました。
60年には「こうもり」、そしてこのクリスマスアルバムの1か月前には、真反対の音楽ともいえる「オテロ」を録音。
翌62年にはプライスと「トスカ」、63年には同じくプライスと「カルメン」。
ウィーン国立歌劇場の芸術監督(56~64年)の時代と重なる、こんな流れのなかにあるクリスマスアルバムということが私には興味深い。
ベルリンで後年にヤノヴィッツあたりとクリスマスアルバムを作ってくれたらよかったのに、とも思いますね。

そのカラヤンが愛したソプラノ、レオンティン・プライスの声は、全盛期ゆえにゴージャスそのもの。
高音域に聴かれる声の美しさは素晴らしく、輝かしい。
低域もずっと後年はドスが効きすぎて、またヴィブラートがややきつくて厳しいものがあったが、この時期はそうでもなく、暖かみを感じる。
これらの定番のクリスマス曲のなかにあって、一番すばらしいのが、無伴奏で歌われる「おさなごイエス」。
祈りにあふれたような真摯なプライスの歌唱は感銘深いです。

プライスの歌は過去の録音ほどいい。
プッチーニのアリアとR・シュトラウスのモノローグを集めた2CDを久方ぶりに聴いてみた。
マノンレスコーと蝶々さんは刹那的なまでの歌いぶりで、そこに美的なスリルも感じたりもしました。
カラヤンが愛したのはゴージャスな声とそうした刹那感だったかもしれません。
一方で、カラヤンはR・シュトラウスには、ショルティと違ってプライスを起用することはありませんでした。
カラヤンは、ワーグナーやシュトラウスでは、よりリリカルな声を好みましたね。
しかし、久しぶりで聴いたプライスのサロメ、痺れるほどにいい。
破滅的な陶酔感が存外に素晴らしいのだ。
ラインスドルフとボストン響がバックを務めていて悪かろうはずがない。

ピュアなクリスマス音楽を聴いて、サロメに至るという、どこか背徳的な聴き方をしてしまったが、降誕の直前の旧約聖書の世界に至るのも悪くない聖書巡りかもしれません。(やっぱり変か)

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グリーンなクリスマスもいい、緑もクリスマスカラー。

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ハッピーホリデー、なんてまっぴらごめんだ。

メリークリスマスだ。

よきクリスマスをお迎えください。

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2021年12月24日 (金)

クリスマス on ボストン・ポップス

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12月の街には活気が2年ぶりに訪れ、人々のマスクの下には笑顔が戻ってきました。

でも、日本に比べると海外はたいへんなことになってますね。

来年以降の外来演奏家のコンサートは黄色信号のまま。

楽しみにしていた二期会のコンヴィチュニー演出「影のない女」も中止に。。

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キリスト教国でない日本でもクリスマスはこぞってお祝いします。

ワタクシもそのクチです。

クリスマス風の食事をして、クリスマスにまつわる音楽を聴きます。

今年は、ボストン・ポップスの演奏を歴代指揮者で聴いてみました。

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 CHRISMAS PARTY    (録音年代不詳 RCA)

   WHITE CHRISTMAS  (1970 ボストン DG) 

アーサー・フィードラー指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ

ボストン生まれのフィードラーは、亡くなるまで49年間にわたり、ボストン・ポップスの指揮者をつとめました。
RCAレーベルに大量のレコーディングを残し、DGがボストン響の録音を始めた70年には、同時にボストン・ポップスもDGに登場するになりました。
その後はデッカにも録音をするようになり、レーベルによって音の雰囲気も変わるようになり、まさに多彩なボストン・ポップスが味わえるようになりました。

おそらく50年代後半あたりの録音と思われるRCA盤は、まさにアメリカのクリスマス・シーンを感じさせる、むかし、アメリカのテレビ番組などで垣間見たようなアットホームな雰囲気ただようもの。
クリスマス音楽の定番ばかりがおさめられてる。
DG盤にはない、ヘンゼルとグレーテルが入っているのがうれしい
録音のほどよい古さもいい感じだ。

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そして、DG盤は録音も格段によくなり、バリっとしたばかりか、明るく爽やか、響きも豊かで、ワクワク感も満載。
RCA盤の定番に加え、ここでは、バッハやモーツァルトが加わったのが、DGたるゆえんでしょうか。
ややムーディだけど、バッハのクリスマス・オラトリオのパストラーレが極めて美しい。
また、CDでは、76年録音のバッハの作品が数曲チョイスされてます。
両盤に共通の、ボストン・ポップスの十八番といってもいい、アンダーソンのそり遊びなんて、抜群の演奏でどちらも最高です。
そして、DG盤の最後を締めくくる、ホワイトクリスマスは、まさに聖夜の響き、静かに、じんわり、感動します。

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    Wie Wish You A Merry Christmas 

 ジョン・ウィリアムス指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ

          (1980.12  ボストン)

フィードラーのあと、ボストン・ポップスの指揮者には、スクリーン界の作曲家と思い込んでたジョン・ウィリアムスが迎えられました。
そして録音レーベルも、ボストン響がそうであったように、フィリップスに移動。
J・ウィリアムスの任期は93年までですが、のちにはソニーレーベルにも録音するようになりました。
いつもフィリップス録音をほめちゃうけど、ここでもボストン・ポップスの音は重厚さを増して鮮やかに刷新されたように感じました。
J・ウィリアムスのクリスマスアルバムは、定番のメドレー集クリスマス・フェスティバルをはじめ、クリスマス・キャロルとビリー・メイの作品、ふたつのメドレー集。つまり3つのクリスマス・メロディーを中心に構成されてます。
このあたり、さすがと思わせますね。
あと面白いのは、アイヴズのクリスマス・キャロルが演奏されていること。
いずれも、きっちりした確かな演奏と感じるJ・ウィリアムスの指揮です。

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  Holiday Pops

 キース・ロックハート指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ

          (1997.12 ボストン)

1995年からボストン・ポップスの指揮者をつとめるのは、NY生まれのキース・ロックハート。
レーベルもRCAに戻りました。
録音の印象もDGとフィリップスとも違う、落ち着きあるバランスのよい音。
ロックハートは、フィードラー系のライト・クラシックの指揮者かと思いきや、アメリカのメジャーオケは大半指揮してるし、先般もネットでチェコフィルを振ったドヴォザークやヤナーチェク、BBCコンサート管を振ったアーノルドなどを聴いてます。
幅広い活動をしているロックハートのクリスマス・アルバムは、ボストン・ポップスの伝統あるHoliday Traditionalを引き継ぎつつ、新たな目線も加えた新鮮で楽しい1枚です。
歴代が録音していたクリスマス・フェスティバルはここにはなく、ミュージカルから短めのメドレーや、RVWのクリスマス・キャロル幻想曲、ベルリオーズのキリストの幼児から羊飼いの合唱、ビゼーのファランドールなどのクラシック。
もちろん、定番のそり滑りは、ダングルウッドの合唱も加わってナイスなノリの演奏ですが、このCD、全般に落ち着いたラグジュアリーな雰囲気であります。
あと、スノーマンや、ホームアローンといったスクリーンの音楽も。
このホームアローン2は、ニューヨークのゴージャスなホテルやタイムズスクエアのツリーが美しい、感動的なホームコメディ映画でしたが、J・ウィリアムスの曲もあったのですね!
ラストを飾るこの曲、明るくとても前向きな気分にさせてくれる。
しっとりでなく、元気に終わるクリスマスアルバムもまた悪くない。

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これからが本格的な冬を迎える日本。

街は明るい雰囲気だけど、人々は笑顔だけど、でも心のなかは不安がいっぱい、もやもやがいっぱいだと思います。

お願いだから、静かなクリスマスに続いて、静かなお正月を迎えさせて欲しい。

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いまこそ、世界を平和に導いてくれるお方がお出ましにならないものか・・・・

よきクリスマスを🎄

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2020年12月25日 (金)

オペラ歌手によるクリスマス

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異常な年ともいえた今年、2020年にもクリスマスがめぐってきました。

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街のイルミネーションも今年は少なめで、人が集まるのを避けているかのようでした。

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イルミ好きのワタクシ、今年はおとなしく、夜はお部屋で音楽を聴いて過ごすことが多い、そんな年でもありました。

4つの声部で、オペラ歌手たちによるクリスマスの歌を。

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 Christmas with Renata Scotto

       S:レナータ・スコット

 ロレンツォ・アンセルミ指揮 聖パトリック教会管弦楽団

      (1981.6  @N.Y)

大歌手レナータ・スコットの素敵なクリスマス・アルバム。
今年、惜しくも亡くなったフレーニより、ひとつ年上だけど、まさお元気の様子。
70年代後半に、リリコ・スピントとして復活し、たくさんの録音を残し、後半はメットを中心に活躍しました。
そんな彼女のクリスマスソングの数々。
歌い崩すこともなく、極めて真面目に、真剣に取り組んでます。
 Silent Nightなど、その静謐さに、とても感動を覚えるほどです。
そして、この歌声に、あのチャーミングなそのお姿も思い起こすこともできるこの1枚。

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     Christamas with Marilyn Horne

        Ms:マリリン・ホーン

 ジェロルド・オトリー指揮 コロンビア交響楽団

作品によっては、その強烈すぎる役作りと凄みのありすぎるお声にタジタジとなってしまう歌手、そんなマリリン・ホーンさん。
実際、彼女のカルメンやロッシーニはおっかない。
そんな凄さを隠して、余裕のありすぎる声の力を抑え気味にして歌うホーンのクリスマスソングの数々。
強いおっかさんの腕に抱かれて聴くようなイメージです(笑)
ホーンの歌うSilent Nightは、アメリカのクリスマスツリーのようなゴージャスを感じさせ、なんだかうらやましいような気もします。
そして、全体に明るく、楽しい気分があふれているのがいい。

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銀座のクリスマスは落ち着きがあって好き。
買物はしません、、街を見て歩くだけが好き。

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  Weihnachten Chrisrmas Noel/Natale

         T:カルロ・ベルゴンツィ

  パウル・アンゲラー指揮 ORFオーストリア放送交響楽団

        (1982.4.5 @ムジークフェライン、ウィーン)

ベルゴンツィのクリスマスソングとはまた珍しい。
これはもう、どこからどこまでも、ベルゴンツィ。
まるで、ヴェルディのアリアを聴いてるかのようなベルゴンツィのクリスマスソング集。
イタリア訛りのドイツ語による歌も楽しい。
イタリア語も、フランス語も、英語も、各国の言葉で歌ってもみんなどこもかしこもベルゴンツィ。
ときおり、エイっとばかりに決めを入れるのもベルゴンツィらしいところ。
ユニークなのは、White Christmasで、ちっともムーディじゃなくて、ロマンティックでもないホワイトクリスマス(笑)
ラダメスが歌ってるみたいな・・・・
スコットもそうだったけど、真剣勝負のベルゴンツィによるクリスマスソングにほっこり。
ムジークフェラインの響きも美しい。

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  Christamas with THE POPS

   Br:シェリル・ミルンズ

  エリック・カンゼル指揮 シンシナティ・ポップス・オーケストラ

     (1989.4,12 @シンシナティ)

前にも取り上げたことのあるカンゼルのゴージャスな1枚。
そのなかにたった1曲だけど、ミルンズの歌うGo tell it on the Mountainが入ってる。
こちらは、アメリカならではのゴスペルソングで、アメリカ臭まんさい。

「山の上、丘の上、そしてどこにでもそれを伝えに行きなさい。

 山でイエス・キリストが生まれたことを伝えに行きなさい。」

ミルンズらしい、ヒロイックでマッチョな歌が、この曲にぴったり。
それにしても、頑張れアメリカ。
MAGA!!

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よきクリスマスを!

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2017年12月24日 (日)

Glorious Sound of Christmas オーマンディ指揮

Garden_2

恵比寿のガーデンプレイス。

毎年のクリスマスシーズンを彩る王道のツリー。

夕暮れ時の空に、とてもよく合います。

クリスマスイブに、ゴージャスなオーマンディ&フィラデルフィアのクリスマス・ミュージックを。

Gloroussoundxmas_ormandy128

    グローリアス・サウンド・オブ・クリスマス

  1.メンデルスゾーン 「天にはさかえ」 

  2.「ああ、ベツレヘムよ」

  3.「もろびとこぞりて」

  4.アダン 「オー・ホーリー・ナイト」

  5.「久しく待ちにし主よとく来たりて」

  6.「神が歓びをくださるように」

  7.シューベルト 「アヴェ・マリア」

  8.「神のみ子は今宵しも」

  9.「牧人ひつじを」

 10.「ひいらぎかざろう」

 11.「いざ歌え」

 12.「自然における神の栄光 作品484」

 13.「おお、みどり子は来たりぬ」

 14.「きよしこの夜」

     ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
                       テンプル大学コンサートコーラス

                (1962 @フィラデルフィア)


アメリカのクリスマス。
最近でもないけれど、映画「ホームアローン」での、ニューヨークの街やアメリカの家庭でのクリスマスの雰囲気。
遠く遠くさかのぼって、テレビで始終見ていたホームドラマにおけるクリスマス。
「ルーシー・ショー」や「奥様は魔女」など。

そんな光景を眩しい思いでみていた子供時代や若い頃。

そんな想いを音楽で体現できるもののひとつが、オーマンディ&フィラデルフィアのもの。

クラシックを聴き始めて、初めて買った音楽雑誌が「ステレオ」誌12月号。
青い帯のCBSソニーのレコード広告にあったのが、このオーマンディ盤。
CBSのオーマンディのクリスマスには、こちらの62年盤と64年盤のふたつあって、そのふたつを2枚のレコードの組み物にしたものだったのだ。
CBS2500Wシリーズの名称だったかな。
そのジャケットがともかく美しくて、そしてアメリカのツリーのオーナメントが素敵すぎて、ずっとずっと欲しかったのであります。

Ormandy_cbs

この2LPシリーズには、同じオーマンディの「メサイア」や、有名交響曲などのものがあって、1000円廉価版の走りだったわけです。


CD化されたこの音盤、62年録音とはいえ、なかなかの音質を保ってます。
いわゆるフィラデルフィアサウンドは、レコード時代のキンキンした響きよりも、CD時代の抑制された響きの中にこそ感じたりもします。
 でも一方で、CBSソニーの各種録音に特有の厚み少な目、少し金属音的な響きも懐かしかったりします。
のちのRCA録音は、暖かみが勝りますが、フィラデルフィアサウンドは、CBS録音が原点だと思ってます。

さて、この1枚は、ポップスな感じよりは、クラシカルな落ち着いたクリスマス音楽集です。
同じアメリカでも、フィードラーとボストン・ポップスや、カンゼルとシンシナティとは、そこが違うところです。

個々の曲目への言及はしませんが、クリスマスを、穏やかな気持ちで、静かに迎えるクリスマスにふさわしいものばかりです。
きらびやかで、ゴージャスなアメリカのクリスマスにあって、人々の心情の根幹は、家族を思い、神様を思い、そして平和と幸せを願うものなのですね。
そんな想いになってくる、オーマンディのクリスマス音楽なのでした。

Garden_1

よきクリスマスを

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