外来オーケストラ

桜の満開身近、公園の色合いも多彩に華やかになってきました。
今日は、外来オーケストラの演目やその在り方について不満をこぼしてみたい。
2025年の2月にも「なんでやねん!」ということで書いてます。
→こちらの記事
今回も似た内容になりますが、外来オケへのワクワク感がなくなってしまった現実を憂い書きました。
クラシック愛好家なら、ここ数年ずっと不満に思っていたこの同じ思いが、今年の2月、思わずある出来事をきっかけに炎上し、いろんな議論を呼びました。
「ヘルシンキ・フィル」来日ツアーが10月に予定され、プロモーターが制作した公演のチラシに、ヘルシンキフィルと共演の角野隼斗の名前しか記載がされていおらず、指揮のユッカ=ペッカ・サラステの名前がなかった。
クラシックファンなら、外来オケが来る場合、指揮者が誰で、どんな演目をやるか、それが一番の注目点だろう。
いうまでもなく、人気と実力を兼ね備えた角野氏がソリストで帯同するなら、どの協奏曲をやるんだろうと注目もする。
しかし、今回炎上したのは、指揮者の名前がないのに端を発し、高額になったチケットが客寄せとしての角野氏のせいではないかという批判も出た。
角野氏は、すぐにこれにたいするコメントを表明し、その内容は実に真摯で納得できるものだった。
しかし、プロモーション側の回答はやや遅れ、「見やすくするためにわかりやすさ重視にした、オケとソリストのみをSNSなどでは記載することは当社では珍しくなかった。あらたな気づきをいただいた」などと釈明し、こちらはクラヲタ(わたしもそうですぜ)の怒りをさらに買った。
このプロモーターの考え方こそが、いまの日本の外来オケ招聘の悪しき流れを物語っていると思う。
角野クン以外にも、外来オケには、もれなく日本人ソリストがついてくる公演がたくさんあり、超メジャー級オケ以外はみな同じ傾向にある。
彼らが出るとチケット代が高騰する・・・これは正直ほんとのところは検証ができない。
でも人気にあやかって企画していることは事実だろうし、企画側も商売だから採算が上がるからだろう。
私は、どんなソリストが出てもいいと思う。
問題は、そのプログラムなのである。
2025年は数えただけで30団体、2026年は同じく27団体(2027、3月まで含む)が来日。
パリ管、ロスフィル、コンセルトヘボウ、ベルリンフィル、ウィーンフィル、バイエルン放送、ロンドン響などには付いてこない。
調べたら、それ以外にはもれなく付いてくるピアニスト中心の日本人奏者たち。
演奏される協奏曲のランキング
2025年
①ラフマニノフ2番 ②ショパン1番 ③ショパン2番 ④チャイコフスキー1番
2026年
①ラフマニノフ2番 ②ブラームスVn協 ③皇帝
ダントツでラフマニノフ。
外来オケが来てショパンかよ、ほんとそう思うよ。
ソリストの登場ランキング(2年まとめて)
①辻井 ②反田 ③角野 ④亀井 ⑤藤田・・・韓国系も多し
メインプログラムのランキング
2025年
①ブラームス4番 ②ベートーヴェン7番、ブラームス1番、マーラー5番、チャイコフスキー5番、新世界
2026年
①チャイコフスキー5番 ②巨人 ③ブラームス1、4番、新世界、ショスタコーヴィチ5番、運命
ブラームスの1番と4番、チャイコ5番が強い。
でもね、もう同じような曲ばかりなんでやんのよ。
前半を聴いたソリストのファンが帰ってしまわないように、彼ら彼女らでもわかりやすい名曲を、そんな風にしか思えない。
さらに文句をたれよう。
このオケ、この指揮者なのに・・・
ユロフスキとベルリン放送なのにブラームスの1番と4番
フルシャとバンベルクなのにブラームス1番とベートーヴェン7番
シャニとロッテルダムなのにブラームスの4番と新世界
ワルシャワフィルなのにブラームス1番と新世界
オルソップとポーランド放送なのにブラームス4番
スカラ座フィルなのにブラームス4番と悲愴
ウィーン響なのに運命と新世界
シャニとミュンヘンフィルなのにブラームス4番と巨人
ラニクルズとドレスデンフィルなのにブラームス4番と巨人
スロヴァキアフィルなのにブラームス1番と新世界、未完成
イル・ド・フランスというレアオケなのにブラームス1番と英雄、泣けるぜ
ペトレンコとロイヤルフィルなのにチャイコフスキー5番とラフマニノフp2、s2
ベルギー国立菅なのにチャイコフスキー5番
プラハ響なのに皇帝・新世界、泣けるぜ
エルプフィルなのにブラームス4番と新世界、旧北ドイツ放送響ですぜよ
一方、日本人奏者の付いてこないオーケストラのプログラム
マケラとパリ管 幻想とサンサーンス3番
ヤマカズとバーミンガム エルガーのチェロ協とヘンリ・ウッド編の展覧会
マケラとコンセルトヘボウ オケコン、ブラームスp協1、マーラー5番
ペトレンコとベルリンフィル マンダリン、ペトルーシュカ、ワーグナー、ブラームス1番
ドゥダメルとロスフィル 復活、火の鳥&ハルサイ
パッパーノとロンドン響 復活、ショスタコ5、ブルックナー9 Himariちゃん来るけどモーツァルト1番
ムーティとウィーンフィル ブルックナー8番、チャイコフスキー4番、モーツァルト40番、内田光子でベートーヴェン
ラトルとバイエルン放送 復活、グレート、ハルサイ、ラフマニノフ3番
自慢じゃないけど、触手が動くのは後段の「付いてこない方」のプログラムだ。
日本人奏者が付いてくるのはいいかれど、せめてメインプロには、そのオーケストラの持ち味が出る曲やお国ものを取り上げるべきだろうし、もしくは奏者なしのオーケストラだけのオケの特色の出るプログラムも用意すべきだろう。
そうするとチケット代の格差が出て浮き彫りになってしまうから呼び屋さんはいやがるだろな。
外来オケに行かなくなって久しい。
最後に行ってるのは、2019年のフィラデルフィアとBBCスコテッシュで、もう7年も行ってない。
チケット代がますます高額化しているので、よけいにそうなってるし、日本のオーケストラをチョイスして好きな演目を聴きに行く方がほほど楽しいと思うようになった。
ベルリンフィルがS席5万円、最安席でも3万円・・・後段の有力オケのお値段はみんなこんな感じ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クラシック音楽の需要衰退が言われて久しい。
東京と大都市への文化の集中もこの衰退の動きに拍車をかけている。
連日のように行われるコンサートは、そこそこに埋まってるが、自分も含めて聴衆の高年齢化は否めない。
音楽関係者はそんななかで、いかに集客をしていくか。
人気アーティストを軸にした企画に舵を切るのもわからなくはない。
でもそれでは特定の層にしか訴求できず、いまの私の気持ちのようなコアなクラシック音楽好きをがっかりさせるだけ。
→前述したワタシらの不満を解消できる後半演目の見直し
そのオケがその時に演奏している定期のプログラムをそのまま持ってきてもらう
いまの高年齢層の後に続く、社会的にも忙しくお金もかかる中年齢層をいかに熱心な音楽好きに仕立てていくか。
→このあたりがいちばん難しい。
私も結婚と子育ての時期にはコンサートから遠ざかり、音楽も聴く余裕がなくなったときだった。
クラシック音楽が日本の生活に密着してないゆえだろう。提案も思いつかない。
短いもの、瞬間を楽しむ風潮にある若年層にいかにクラシック音楽を聴かせるか
→中学生には音楽教育の一環として、プロオケの演奏を定期的に必ず聴いてもらう。
全国各地に立派なホールはあるし、いまでも文科省が企画しているプロオケの巡回音楽会はある。
変な団体に公金チューチューされるより、こうしたお金の使い方がまさに適正なのだ。
本格的な交響曲や入門音楽でなく、こま切れでいいから、瞬間瞬間を興味を持って興奮ししてもらう曲ばかりにする
アンコールピースばかりでもいいし、いろんな音楽のフィナーレ集でもいい。
ハルサイ、惑星、ツァラトゥストラ、ベト7、チャイコ4~6、巨人などなど、盛り上がるところだけチョイスでいい。
地方の活性化につながるコンサート開催
→外来オケは、地方巡りもしてもらう。ホールは潤沢にあるだろう。
もちろん日本人ソリストも帯同する。
おっかけファンにも帯同してもらおう。
そして地域のいいところを楽しんでもらおう。
昔は、メジャーオケも驚くほど地方巡回をしていた。
それこそ文化の東京一極集中を見直す機会にもなるし、珍しいプログラムを組めば客は広域から集まる。
地方でも本物が味わえること、それこそが大切だと思う。
私の今住む小さな町でも、N響メンバーが来て周辺地域の演奏家とアンサンブルコンサートを毎年開いてます。
毎年満席になるし、どうみても音楽とは縁遠い雰囲気のオジサン・オバサン方も集まりますよ。
文化を育て、根付かせるには、採算などは度外視できる予算執行や投資の観念も必要かと・・・
話がふくらみすぎました。
ともかく音楽の楽しみ方の幅がひろがった、いや広がりすぎたと言っていい。
コンサートに行かなくても、ネット同時配信が行われ同じ時間をホールの聴き手と共有できる。
今日も東京の春の「グレの歌」をライブ視聴した。
音質もよく、第一級のソロ歌手たちの歌も最高だった。
でもホールにいるとき味わうあの空気感はまた別物ではある。
多くの人が気軽にクラシック音楽を楽しめる場所、それが日本各地にあれば、それがどんなに素晴らしいことでしょうか。
























最近のコメント