チャイコフスキー 交響曲第5番 アバド指揮
桜のある風景。
今日は、昨日撮った「浅草」のアサヒビールの○○○ビルを背景の1枚をどうぞ。
浅草には幸運なことに、隔週くらいで訪問しています。
しかも、訪問先はこの画像の近く。
隅田川沿いのビルの上階で、いつも厳しい打ち合わせを行いながらも、窓の外はこの○○○が鎮座していて、心和ませてくれるのであります。
ここからは、お花見も、隅田川の花火大会もベランダから臨むことができて、夢のような立地なのであります。そして、近くには、「カミヤバー」を始め、有名な店がたくさん。
そして、浅草は、日本人の各地のなまりばかりか、世界中の言語に満ち溢れる国際観光地なのであります。
だから○○○は、このオブジェ本来の意味であるところの「炎」。そう前進を意味する「躍進」をかたどっていると、ここに宣言しておかなくてはなりませんね。
今日の1枚は、そんな「炎」ような「躍進」が音楽の隅々に感じられる演奏を。
超メジャーとなった名曲、チャイコフスキーの第5交響曲を、「アバド指揮ロンドン交響楽団」で。
1970年、アバド38歳の録音。
そう、日本は万博の年で、大阪フェスティバルホールに、キラ星のごとく世界中から名オーケストラやオペラ団が訪れた。
当時はアバドは、デッカに数枚録音していたが、日本では「若い俊英」と評されるだけであった。
カラヤンやベームのドイツ系ばかりが本格扱いされ、イタリアの若い指揮者などは、「イタリア人らしくよく歌う」とか「明るい」とかいうレッテルしか貼られず、あまり聴かれなかったように思う。
そんなアバドを強力にサポートしたのが、DGである。
ロンドン、ベルリン、ウィーン、ボストンで、名門オケを相手にロッシーニは別として、カラヤンのレパートリーを次々に録音していった。
スカラ座とのヴェルディ、シカゴとのマーラーは、もう少しあとのはなし。
今日のチャイコフスキーもまさに、カラヤンの得意分野。
これ以前にニュー・フィルハーモニアと2番、このあと、ウィーンフィルと6番・4番を録音したが、DGでは全集に至らなかった。
後に、全集の一環として、シカゴ響と。さらにベルリンフィルとも録音しているが、このロンドン響とのものは、アバドとの出会いの頃の、私にとって一番大切な1枚である。
響きが豊かで、かつ全体がしっかりとまとまっていて、交響曲としての枠組みが完璧なカタチで示されている。
でも、節度を保った豊かな歌に満ちていて、オケがニュートラルなものだから、しなやかな雰囲気は聴いていてホンワカとしてしまう。特に第2楽章。
終楽章も前途豊かな希望に満ちていて、前へ進む力に満ちているが、強引さは少しもなく、オペラの一場面のように劇的であると同時に、自然な感情の高まりが音に現れていると思う。
円熟の極にある、アバドという指揮者をこうした過去の演奏で聴いていただくのも、アバドが昔から変わらなかったことが認識できるものと思う。
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